荒このみさんに聞く戦争の話 ~杉並ネットお話サロン~

中央が荒このみさん。会場の「けやきの見える家」は荒さんとすぐご近所で、毎週サロンを開いている

西荻在住で東京外語大学名誉教授、荒このみさんに「ヴェトナム戦争とティム・オブライエン著『本当の戦争の話をしよう』」のお話を聞きました。会場は西荻の居場所「けやきの見える家」です。

1960年頃から1975年まで続いたベトナム戦争についての話は、知らなかったことばかりでした。最も印象的だったのは、戦地で戦う兵士たちのこと。第二次世界大戦までは「お国のため」という大義名分のもとの戦いであったが、ベトナム戦争はそもそも民族間の戦いにアメリカが介入したのであって、大義名分がない戦いは兵士たちの士気にも影響する。さらに「人を殺す」という現実を体感する兵士たちは、トラウマを残し、その後の人生にも大きく影を落としてしまう。多くの人間の人生を狂わせてしまう戦争は、どんな事情があろうとなかろうと絶対にあってはならないと強く感じました。

『本当の戦争の話をしよう』(ティム・オブライエン著/村上春樹 訳)という本が紹介されました。著者は、べトナム戦争に歩兵として従軍し、その体験を綴っています。荒さんが作成した資料で引用されている部分を読むだけでも戦争というものの計り知れない複雑さが伝わってきます。歴史で学ぶ政治的側面からの戦争ではなく、一人の人間を通して戦争を知ることができるのは言うまでもありません。

日本で育ち、過ごしていると、学校教育で歴史や地理を学び、世界の国々の知識を得、自分の興味があれば本を読むなどして、日々の暮らしの中では、マスメディアからの報道で世界情勢を知ることもできます。荒さんの話にもありましたが、たとえば今のウクライナ紛争の報道はどうでしょうか。事実なのでしょうが真実ではなく、鵜呑みにすることはあまりに危険だと思いました。なぜ、今に至ったか、歴史や文化風習などを知らなければ、本当のところは分からない。「知る」ことプラス「探り考える」ことが大切なんだと思います。

荒さんの話を聞いて、日本の将来は本当に憂うべき状況だと思いました。何がって?教育がよくないからです。自分で考え行動する人たちが育てられてないのは大問題だと思いました。

「けやきの見える家」という小さなアットホームな空間で、こんなに深い話が展開され、参加者それぞれが自分の立場で考えつつ、おいしいお茶とお菓子もあり語り合う、そんな素敵な時間を過ごすことができました。

(杉並・生活者ネット会員 古川和美)