代表質問と答弁 2016.2.12 そね文子

【Q】 ●区長は、成人式の祝辞で「戦後、選挙権が一部の高額納税者から男女全ての国民に拡大したこと、戦争体験の中からつかんだ平和の尊さを考えてほしい」と新成人に訴え感銘を与えた。参院選の争点に憲法改定がすえられ、戦後の在り方が大きく変わろうとしている今、立憲主義と憲法の意義について区長の見解を伺う。

【A】   憲法は国家権力から個人の基本的人権を守るために存在する一国の最高規範であり、国の形を示すものです。そして、政府の統治が最高規範である憲法に基づき行われることが立憲主義であり、このことは国民の中にしっかりと根付いていると考えます。

【Q】 ●戦後70年を超え戦争体験者の風化が進む中、杉並区の平和施策についての区長の見解と取り組みを伺う。

【A】   高齢化により戦時中の状況を知る方が減りつつある中で、空襲、疎開、戦時中の生活など戦争の実態に迫る証言を区民から広く集め、貴重な資料として後世に語り継ぐことが重要です。区では戦後70年事業として、戦争戦災証言記録集を今年度内に発行します。また、被爆者の方による、小中学校における出前授業を実施し、悲惨な戦争戦災体験を風化させず、若い世代に語り継いでいきます。

【Q】 ●辺野古新基地建設をめぐり沖縄県を国が訴え、戦後憲法が規定した地方自治が問われている。自治体と国の対等な在り方について区長の見解を伺う。

【A】   地方自治体の役割は、常に住民の視点に立って、地域の課題解決を図り、不断に住民福祉の向上を図っていくことです。一方国の役割は、外交、安全保障、司法など国家としての存立に関わる責務を果たしていくことです。
私は、地方自治体と国がそれぞれに本来の役割をしっかりと担いながら相互に協力し、互いに胸襟を開き言うべきことは言うなど、対等・協力の立場に立って社会をより良い方向へと推し進めていく姿こそ、地方自治体と国のあるべき関係だと考えます。

【Q】 ●震災直後に南相馬市にかけつけ、友好自治体とスクラム支援会議を立ち上げ、災害支援の自治体の在り方について国に提言し、支援を継続して来た取り組みについて、総括と今後の課題を伺う。
●3.11の教訓から、自治体に課せられた課題について、区長の見解と課題、新年度の予算における具体的取り組みを伺う。

【A】   ほぼ5年にわたる南相馬市への支援を総括すると、第一に、基礎自治体間の水平的で迅速な支援が、大規模災害時には極めて有効と認識できたこと。この基礎自治体による支援は、発災直後の自治体スクラム支援会議の創設や災害時における相互支援条例の制定へつながりました。また、自治体スクラム支援会議の活動実績が、遠隔地への相互支援の推進などを内容とする、二度にわたる災害対策基本法の改正のきっかけとなりました。今後は、残された課題の災害救助法の改正に向けた取り組みを進めます。
第二に、遠隔地との相互支援は、予め相互の防災施策上の特徴や課題を理解した上で、各自治体の実情も踏まえた対策を準備しておくことが重要だと認識したこと。そのため、只今審議中の平成28年度予算に、受援計画策定に係る費用を盛り込み、検討を進めます。

【Q】 ●過半数の人が、原発に頼らない社会とエネルギーの在り方について望んでいる実態もある。太陽光発電など再生可能エネルギーの普及に引き続き区の積極的な取り組みを求めるがどうか。

【A】   東日本大震災の経験を踏まえ、災害につよく環境にやさしいまちづくりを進めていくうえで、再生可能エネルギーの普及は欠かせないものです。このため区では、学校や体育館など区立施設の改築にあたっては、太陽光発電機器を設置してきました。今後も改築時には、施設の状況に応じて対応します。
また、現在すべての震災救援所への太陽光発電機器等の設置を計画的に進めています。さらには、家庭用機器への設置助成を行い、この間の実績は23区トツプレベルになっています。引き続き再生可能エネルギーの普及に積極的に取り組んでいきます。

【Q】 ●PPSからの電力購入をさらに進めるとともに、更なる財政削減効果があげられるように、4月から実施される家庭用電力の自由化を機に、さらなる拡大を求めるが如何か。また、太陽光などの再生可能エネルギーを電源とする事業者を支えるためにも、そのような事業者から購入するよう求めるがどうか。

【A】   これまで小中学校などへの新電力の導入により財政削減効果をあげてきました。4月からの電力全面自由化では、全ての施設で様々な電力会社から電気の購入が可能となります。電力各社は、多彩な料金プランやサービスを提供していますが、区の施設に適した電気料金と契約形態、供給の安定性などに加え、再生可能エネルギーを電源とする事業者についても、比較検討の対象とすることで、経費の削減に努めつつ環境対策の推進にも配慮していきます。

【Q】 ●日本は2030年までに温室効果ガスを13年度比で26%削減する目標を掲げ、東京都はそれを上回る目標を打ち出している。これを受け、杉並区では温暖化防止に向けてどう取り組んでいくのか。CO2削減目標を設定しなおすべきと考えるが如何か。

【A】   昨年末、2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」が採択され、我が国は二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量を、2030年までに2013年度比で26%削減すると表明しました。国は、この目標を着実に達成するため「地球温暖化対策計画」を早期に策定するとしています。また東京都は、現在策定中の「東京都環境基本計画」の中間のまとめで、都内の温室効果ガス排出量を2030年までに2000年比で30%程度削減する方向性を盛り込んでいます。
区としても、こうした国や都の計画策定の動向を踏まえ、住宅都市としての特性に基づく新たな目標値を設定し、地球温暖化対策に取り組んでいきます。

【Q】 ●区立施設再編整備計画を進めるに当たり、新施設建設の際の省エネ基準の設定はどうなっているのか。高い基準を設けるべきと考えるが、区の見解を伺う。

【A】   現在「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の基準に基づいて施設の建設を行っています。高い基準を設けるべきとのことですが、建設コストと省エネ効果のバランスを考慮した上で、施設ごとに適切な省エネ対策に努めていきます。

【Q】 ●本庁舎では節電に取り組み、大きな成果を挙げているが、それに比べて学校や他の区立施設での削減は進んでいないようだ。区民サービスのための施設であるが、目標をもって節電に努めていただきたいが如何か。

【A】   区では「杉並区環境・省エネ対策実施プラン」を策定し、電力などのエネルギー使用量の削減の目標を掲げ取り組んでいます。本庁舎では、空調温度の適切な設定や熱源設備の更新などで、節電の成果をあげてきました。
また、そのほかの区立施設や学校では、高齢者、障害者、幼児など利用者の状況に応じて、区民サービスの維持・向上を図りつつ、目標を定め節電に取り組んでいるところです。今後とも、各施設で区民サービスに影響を与えないよう節電に取り組み、設備の更新時を捉えて省エネ化を進め、節電に努めます。

【Q】 ●施設再編整備の第1の柱に保育園待機児童ゼロを据えたことは評価しているが、0歳児をはじめ、依然として厳しい現状について区の認識と新年度における待機児童数の見通しについて伺う。
●田中区政になって、待機児童解消に向けた取り組みとして保育園増設による保育定員を拡充してきたことを評価する。これまでの取り組みについての総括と、今後の待機児童解消に向けた計画とその決意を伺う。

【A】   平成28年4月の保育所入所の一時利用申込者数は、出生数の増加や保育所入所を希望する方の割合の高まりを受け、過去最高の3,801人となりました。特に、0歳児では145人、1歳児で252人の大幅増加となり、平成28年4月の段階では、乳児を中心に、待機児童の解消に至らない状況です。
積極的に社会進出している女性が自分の選んだ仕事を続けながら、安心して子どもを産み育てられる社会環境を整備することは、人口減少社会に立ち向かう基礎的自治体として、最も重要な責務の一つであると考え、待機児童対策に全力で取り組んできました。
先ずは平成29年4月に向けて待機児童ゼロを達成することはもちろんのこと、当面保育ニーズは高止まりするとの認識の下、今後も手綱を緩めることなく計画的に施設の整備を進めていく決意です。

【Q】 ●区は、新たに多子世帯への保育料等負担軽減を行い、区独自の対策として、対象者の年収区分を国の2倍程度に引き上げるが、対象範囲を広げる目的と拡充による対象者の状況について伺う。
●また、すべての多子世帯への支援とはならず、対象とならない世帯からの不満が予想される。対象者数の把握状況とその対策について伺う。

【A】   現在、区内認可保育所に在籍している児童のうち、第3子以降は200人程ですが、今回、国が少子化対策の一環として打ち出した、保育料の無償化の対象となる年収360万円未満の多子世帯に該当するのは、そのうちの1割にも満たない程度に留まります。
そこで、少子化対策としての実効性を高めるため、平成28年4月2日以降に第3子が生まれた世帯を対象に、保育料の階層区分で中位にあたる国基準の約2倍程度の年収区分まで引き上げ、第3子以降の保育料を無料にすることにしました。
また、従来から区独自に行っている認可外保育施設等の在園児への補助金も同様の取り扱いをすることで、対象者はあわせて、初年度は約30人程度、4年後には約160人程度増えると見込んでいます。
この支援策は、総合戦略策定に向けて行った区民アンケート結果などをもとに、第3子を希望している方の背中を押すことを目的とするもので、対象を既に第3子以降の子どものいる世帯ではなく、これから第3子以降が生まれる世帯に限定しています。

【Q】 ●「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」少子化対策に向けた区の決意を伺う。

【A】   杉並区の末長い発展のためには、区外からの転入に頼らず、区自らが人口を維持・増加させる力を育てることが急務であると常々考えてきました。
区の子育て世代の現状を見ると、合計特殊出生率は0.99と東京都や全国平均と比べると低位にありますが、「杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定に向けた区民アンケート結果では、「希望する子どもの数」の平均は2.27人でした。そして、子どもを持つ場合の条件としては、「地域の保育サービスが整うこと」を挙げる人が最も多いという結果でした。こうしたことから、若い世代に対して、子育て支援を中心としつつ、結婚、就労、住宅などの支援に、民間事業者との連携を図りながら総合的に取り組むことを総合戦略の中で打ち出しました。28年度予算案の中にも、待機児童対策をはじめ、多子世帯に対する区独自の支援策やゆりかご事業の拡充など、妊娠期からの切れ目のない子育て支援の充実を盛り込みました。
今後も、将来にわたって持続可能な活力ある杉並区の実現に向け、若い世代が区に住み続け、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めていきます。

【Q】 ●特養待機者の解消に向けた取り組みの実績と、待機者の現状、その解消に向けた特養増設の計画はどうなっているのか。

【A】   特養整備は区政の最重要課題の一つであり、区長就任以来、積極的に取り組んできました。昨年度は、3か所の増・開設で161人の定員増を行い、計1,538床まで整備を進めましたが、急速な高齢化の進展の中、現在も約1,260人の方々が入所を希望しており、その内、約770人は優先度の高い方です。
高齢者の介護のため、家族が仕事をやめざるを得ない状況が発生するなど、特養待機者の解消は、喫緊の課題と捉え、スピード感を持って対応していく必要があります。
そのため、地域包括ケアシステムの構築に向けた本格的な取り組みを加速し、在宅生活の限界点を上げていくとともに、施設整備も、施設再編整備計画により生み出した区有地の活用をはじめ、国公有地の活用や南伊豆町との自治体間連携による区域外整備など多様な手法を用いて、総合計画に掲げる33年度末の目標数値である2,307床を確実に達成できるよう、全力で取り組みます。

【Q】 ●施設再編整備に児童館事業の拡充を求め、放課後の安全な居場所づくりを第3の柱に据えるよう求めてきた。計画の中に盛り込まれた取り組みと、今度の姿勢を確認する。

【A】   児童館の再編は、近年の利用状況の変化を踏まえ、学童クラブの小学校内への移転整備や、小学生の放課後等居場所事業の小学校内での実施などを進めています。この取り組みは、学童クラブの需要増に対応しつつ、児童の安全確保を図るなど「安全な居場所づくり」という視点からも、子どもたちの健全育成環境の充実につながるものと確信しており、今後も計画的に進めていきます。
また、これまで児童館が培ってきた地域との連携による伝統行事、多世代交流事業などを通じた地域づくりについても、児童館施設を活用して整備する「子ども・子育てプラザ」において、しっかりと継承していきます。
こうした取り組みを通じ、地域の中で多くの方に見守られながら、安全・安心に子どもたちが過ごし、成長していける居場所、環境づくりを着実に進めていきます。

【Q】 ●あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財政交換に至る過程で、区長が荻窪税務署の建替え計画を把握したのはいつか伺う。また、その建替えに区として待ったをかける要望書を国に提出した目的は何か伺う。当時は特別養護老人ホーム建設の具体的な方向は出ていなかったが、この段階ではどのような利用を考えていたのか、荻窪駅北東地域の再開発計画が現実にあったのかなど、その関連があれば伺う。
●その後、数年間事態が進まなかったのはなぜか。建替えを延期していた国からの問い合わせがいつあり、それに対して区はどのように対応したのか伺う。また、あんさんぶる荻窪との財産交換という手法を思いついたのはいつか、その理由とあわせて伺う。

【A】   区長就任時点で、既に国は、平成23年度から荻窪税務署の建替工事に着手すべく準備を進めており、平成22年10月に財務省から現地建替えの工事費予算を概算要求した旨の情報が入りました。
建替工事休止の要望理由ですが、老朽化した荻窪税務署を杉並税務署と一体的な建替えを行い、駅周辺に移転して税務行政の集約化を図れれば、跡地となる大規模用地を区が一体的に活用できる可能性が生じるため、国と協議したいと思ったからです。当時は新しい基本構想の検討を開始する時期であり、荻窪のまちづくりへの寄与という観点からも、拙速な現地建替えは避けるべきと判断し、要望書を提出しました。
その後、区では民間ビルの活用など様々な手法を検討しましたが、翌年の東日本大震災や建替えを巡って二転三転した方南町住宅問題への対応などに追われたこともあり、残念ながら基本構想、総合計画の策定までに国への具体的な提案を行うには至りませんでした。
なお直接の関連はありませんが、区が国へ要望書を出した同年12月、荻窪駅北口の東地域では、荻窪駅北口東地区市街地再開発準備組合が解散の決定をしたようです。
荻窪税務署用地の利用は、先ほど述べたとおり、跡地となる大規模用地を区が一体的に活用できれば様々な行政需要への対応が可能になると思いました。具体的な活用方法は、特養や保育園、まちづくりなどを想定していました。
区では、具体的な提案ができなかった後も、国に対して区民サービスの向上、税務行政の効率化につながるような建替えの可能性を共に模索してもらいたいと伝えていましたが、平成25年7月、国から首都直下地震の発生危機が高まる中で、耐震上の課題がある荻窪税務署の建替えをこれ以上先延ばしにすることはできないとの回答がありました。
この時、区では施設再編整備計画(素案)の中間のまとめを検討している最中であり、区の喫緊の課題である特養ホーム整備のための大規模用地の確保と荻窪税務署の区民サービスの向上につながる効率的・効果的な建替えという二つの課題を同時に解決する方策として、この財産交換の提案を行いました。

【Q】 ●国家公務員宿舎跡地だけで特別養護老人ホーム建設は可能であり、あんさんぶる荻窪との交換はしなくてもできたという意見があるが、それは可能であったのか伺う。また、6,000㎡を超す区内の広大な用地の取得は、区内では他にもあったという意見があるが実態はどうか伺う。
●国との財産交換の交渉に入った過程で、議会に対する説明をいつどのように行ってきたか伺う。また、地元住民に対する説明をどのように進めてきたのか確認する。

【A】   当該用地は、当初から国が自ら活用する財産として位置づけられており、区への活用照会の対象からは除外されています。仮に活用することができたとしても、その広さ・形状は国の計画次第となりますし、この大規模用地を一体的に取得・活用できることが、将来にわたって区の貴重な財産となり、大きな意義があります。従って当該用地を確実に活用し、区民福祉の更なる向上を図るためには、財産交換が唯一の手段です。
また、議会や区民への説明は、麻生財務大臣と財産交換の協議を進めることを合意した直後の平成25年第4回定例会で経過を説明し、さらに平成26年1月の「区立施設再編整備計画(案)」を策定したタイミングでも説明しました。
また、地域への説明は、素案および案の公表後に、主に荻窪地域の住民を対象とした地域説明会を旧若杉小学校で開催するとともに、荻窪地区町会連合会や荻窪地域区民センター協議会、桃井第二小学校評議員会の方などに対し、個別に計画素案および計画案についての説明を行う中で、国との財産交換についての説明もあわせて行ってきました。
次に区内で6,000㎡を超える用地取得の可能性ですが、国家公務員宿舎の跡地として、方南町住宅と高円寺住宅の跡地が6,000㎡を超えています。しかし、方南町住宅は、東日本大震災後の国の方針変更により最終的に廃止となったことを受け、地元住民の要望をかなえるよう、区が国に働きかけ、ファミリー向けの集合住宅や集会室、広場等を整備することになりました。また、高円寺住宅も周辺が木密地域で、かつ防災性を備えた馬橋公園の隣地であることから、公園の拡張用地として取得したい旨、国に要望しています。
従って、区が6,000㎡を超える用地を活用できる可能性は、財産交換による荻窪税務署等用地の取得以外にはありません。

【Q】 ●相談窓口に行きつかない生活困窮者への対応として、アウトリーチが必要だと考えるが、区の見解を伺う。
●生活困窮者は、税金や保険料の滞納など複合的な問題を抱えることが多く、分野を超えた様々な機関との横断的な連携によって問題解決を図ることが必要だと考えるが、区の見解を伺う。

【A】   昨年4月に生活自立相談窓口「くらしのサポートステーション」を開設し、生活困窮者を対象として、生活全般にわたる総合相談により包括的・継続的な支援を行っています。
複合的な問題を抱える生活困窮者を早期に把握し、支援につなげていくためには、必要に応じて訪問支援等のアウトリーチを行うことは重要なことです。このため28年度からは相談員を1名増員するなど支援体制の強化を図り、アウトリーチによる相談を充実していきます。
また、関係部署と連携を密にすることで、より多くの生活困窮者を早期に発見し、適切な支援につなげられます。これまでも税や国保など各種窓口との連携に努めてきましたが、今後も関係部署・機関が参加する「自立支援調整会議」をはじめ、職員説明会や各分野の支援事業の活用など、横断的な連携・協力体制のもと効果的な自立支援に取り組んでいきます。
【Q】 ●住宅扶助費の削減や単身世帯の床面積別基準額の明確化による転宅指導によって、個々の状況にどのような変化があったか。
●高齢者二人世帯などは、転宅が必ずしも良いことではないと思われるが、その場合にどのような配慮を行っているのか。
●当事者の現状に寄り添った対応を求めるが、区の見解は。

【A】   今回の改定により単身者の場合では、狭小住宅から広い住宅に転居した例や風呂付等に転宅できたなど、住環境の改善が図られる一方、二人世帯については転宅先が見つかりにくいなどのケースもありますが、生活の維持に支障が生じないよう、必要な経過措置等を講じています。また、高齢者や車椅子使用の障害者などへは、世帯員の状況、当該地域の住宅事情により、特別基準額を適用するなどの配慮をしています。
今回の改定により基準額を超過する世帯に対しては、担当のケースワーカーが個別に説明し、改定の主旨を理解していただきながら対応しています。今後も受給者の生活状況を的確に把握し、個々の事情に応じた配慮を行い、受給者の良好な住環境の確保に努めていきます。

【Q】 ●区が子どもの貧困の連鎖を断ち切るために、様々な施策を行っていると認識しているが、具体的な目標をもって取り組むことも必要だと考える。区は、どのような目標をもって施策を進めようとしているのか伺う。
●子どもの貧困を家庭だけの問題にせず、社会全体で支援していこうという市民レベルの無料学習支援や子ども食堂などの実践が広がっている。区民への情報提供や活動を後押し、支援する取り組みが求められていると考えるが、区の見解を伺う。

【A】   国は、子どもの貧困対策を推進することで、貧困の連鎖により子ども達の将来が閉ざされることなく、全ての子ども達が夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指しており、区も同様の認識で取り組んでいます。
区では、生活困窮者自立支援法に基づく子どもの学習支援事業として「中3勉強会&アドバンス」をあんさんぶる荻窪で実施していますが、区内各地域で支援の輪を広げていくことが必要です。今後は、民間団体による子どもの居場所づくり・学習支援などの活動が、より多くの地域で展開できるよう、民間との連携・協働による取り組みも視野に入れながら、効果的な支援策の検討を進めていきます。

【Q】 ●新年度に「寡婦(寡夫)控除のみなし適用」を実施するにあたり、対象を保育料等とした考え方について確認します。

【A】   今回の寡婦控除のみなし適用は、公営住宅法施行令の改正などの環境の変化があったことから、ひとり親家庭への子育て支援とひとり親家庭間の格差の解消の観点から実施するものです。
区が適用の判断を行うことが可能で、児童を対象とした使用料等、保護者が複数年度にわたり継続的な負担を伴うものを対象とすることを基本的考えにおき、精査した結果、保育料等を適用対象としました。
【Q】 ●「在宅医療・介護連携の推進」「認知症施策の推進」「生活支援サービスの体制整備」は充実すべき施策とされている。2016年度に区が進めていくそれぞれの基本的な方向を伺う。

【A】   「在宅医療・介護連携の推進」は、今年度から開始した「在宅医療地域ケア会議」をさらに発展させ、在宅医療に携わる医療と介護を中心とした多職種連携の強化により、在宅療養生活支援を一層充実させていきます。
次に「認知症施策の推進」は、今年度作成した認知症のクリティカルパスやケアパスの普及とともに、認知症初期集中支援チームの本格実施を通して認知症の方や家族の方の安心につなげていきます。
最後に「生活支援サービスの体制整備」ですが、地域包括支援センター(ケア24)によるケア24単位の生活支援体制整備をさらに進めるために、高齢者の生活支援に向けた地域の資源のネットワークを強化していきます。
以上の施策をこれまで以上に積極的に推進させて、地域包括ケアシステムを構築していきます。

【Q】 ●生活支援サービスの体制整備に伴う協議体の形成及び生活支援コーディネーターの設置に向け実施した生活支援ネットワーク連絡会では、どのような意見が出され、区としてどのような課題を認識されたか伺う。

【A】   この連絡会は、地域で主に高齢者の生活支援サービスを実施している多様な団体の方が参加しています。参加者からは、こうした情報交換や交流の場を通して、高齢者の孤立や生活上の課題を共有し、様々な生活支援サービスの資源が身近なところでコーディネートされることが重要であるという意見をいただきました。
こうした意見を踏まえ、高齢者の身近なところに多様なニーズに沿った生活支援サービスがあることだけでなく、信頼できるコーディネートの仕組みこそが課題であるとわかりました。そのため、ケア24を単位とした生活支援体制整備を進めていく上で、次年度は協議体の設置と生活支援コーディネーターの配置をしっかり進めていきます。

【Q】 ●高まる介護需要に対応して良質なサービスを安定的に提供していくためには、介護従事者の負担軽減支援策も大事だが、そのほか介護事業の現場の課題を分析し、その課題解決のために区がすべきこと、事業者がすべきこと、また利用者や地域がすべきことを明らかにし、効果的な支援策をうっていくことが必要だと考えるのが区の見解を伺う。

【A】   これまでも介護保険運営協議会や介護保険サービス事業者の会などを通じて、介護保険に関わる様々な方と広く意見交換を行いながら、課題の把握やそれぞれの役割について確認してきました。そうした中、高まる介護ニーズに対応するため、介護従事者の負担軽減策を講じることが区としてさらに重要な役割になったと認識し、今回、介護イノベーションの支援に着手する予定です。今度も地域包括ケアシステムの構築を進めていく中で、区民・事業者・行政の役割分担を明確にしながら、介護を必要とする人が適切かつ良質な介護サービスを受けられるよう努めていきます。

【Q】 ●親なき後も障がい者が住み慣れた地域で生活できるようにするための重度のグループホームなどの障がい者施設の整備にあたり、具体的な方向とそれを支える体制整備について伺う。

【A】   施設入所や入院から地域生活への移行を進める中、受け皿となるグループホーム等の住まいの確保がより一層重要になっていますので、引き続き障がい者の重度化、高齢化にも対応できるグループホームの整備を進めていきます。
また、既存のグループホームにも重度障がい者の受入れが可能となるような仕組みの検討を進めるほか、地域におけるグループホーム相互をネットワーク化することで、支援の質の向上を図っていきます。

【Q】 ●性的少数者の生存権、人権を保障するために、今後どのような取り組みを考えているか伺う。

【A】   性的少数者に関しては、様々な差別や偏見により、生きづらさを抱えている状況があり、人権問題のひとつとして捉えています。
区の男女共同参画行動計画においても、性的少数者に対する理解の促進のための啓発の取り組みを明記しており、男女平等推進センターの広報紙等による区民に向けての啓発や職員に向けた研修等による啓発による取り組みを今後も引き続き進めていきます。また、男女平等推進センターの総合相談においても、性的少数者からの相談を受けられる体制にしています。

【Q】 ●農に親しむ成田西ふれあい農業公園の開園に先立ち、緑地保全モデル地区のワークショップが行われたが、農地の保全のためにはもっと区民の農業者の思いを聞き、区民と農業者の交流の場をもっと設けることが必要だと思うが、今後の農地保全の取り組みの方向と区の決意を伺う。

【A】   杉並区に残されている屋敷林や農地といった民有地のみどりは、長い年月をかけて守り育てられてきた区民共有の財産です。そのため、区では緑地保全方針を策定し、現在、区民参画のワークショップを行い、保全策に取り組んでいるところです。このワークショップには、農地・屋敷林所有者も参加し、農地・屋敷林の役割や維持管理の大変さなど、生の声を聞いています。
この方針では、貴重なみどりの喪失に歯止めをかけたいという思いのもと、4つの方向性から重点的にその保全に取り組むことを掲げています。
農地保全における1つ目は、農業体験農園の運営支援や営農支援補助制度など、保全につながる制度の活用や充実を図ること、2つ目として「農の風景育成地区制度」の導入検討や今年開園する農業公園など、農地が保全できるまちづくりに取り組むこと、3つ目として(仮称)みどりの支援隊など地域のマンパワーを活用することです。そして4つ目に農協や他の自治体と共同で取り組んでいるアグリフェスタのような農地保全のためのPRや企画を行うことです。
こうした取り組みを進め、区民と農業者との交流機会を増やし、屋敷林、農地の持つ機能や効用について、その大切さを周辺に住む方にも理解していただき、杉並の原風景の核ともいえる、屋敷林、農地を後世に引き継いでいけるよう展開してきます。

【Q】 ●空家対策についてお聞きします。昨今、地域で「空き家」について問題になっています。区でも昨年、杉並区空家等対策協議会を設置して、総合的な空家対策に取り組むため、空家等対策計画をまとめていると聞いています。1月に素案が審議されたと聞いていますが、どのような対策を検討しているのか、行政書士や司法書士などの力を借りた調査や取り組みが必要と思うがどうか。

【A】   現在、空家等対策協議会において、司法書士、弁護士や一級建築士をはじめとする多くの専門家の力をお借りして、杉並区らしい空家等対策計画になるよう審議しています。建物が空家になる前の状態から、空家化した状態、管理不全の状態、さらに除去後の跡地の状態までの空家の各段階に応じて、「空家等の発生の抑制と適正な管理」、「空家の利活用の促進」、「管理不全な空家等への対応」について、多面的な対策が必要と認識しており、具体的な対策について論議しています。
このような総合的な空家対策を進めるためには、幅広い知識や情報が不可欠であるため、各種専門化団体など多様な主体と連携し、空家対策を進めていきます。

【Q】 ●無作為抽出による区民や、区内の高校、大学等の若者と区長の懇談会を実施するとのことであるが、方針にこれをいれたのはなぜか伺う。
●小学生や中学生と区長の懇談の場も設けるべきと思うがいかがか。

【A】   区長就任以来、地域イベントや区民団体の会合等に出向き、多くの方と胸襟を開いて語り合い、また区政に対してのご意見を聴いてきました。しかしこれまで以上に、幅広い区民のご意見を直接伺っていきたいと考え、無作為抽出による対話の場を設けることにしました。
また、次世代を担う若者たちも、社会や身近な区政に対して様々な意見を持っていると思いますので、区内の高校・大学に通う若者を対象に考えました。これらの取り組みによって、より一層幅広い区民の声を区政運営に活かしていきたいです。
小学生や中学生との懇談の場については、例えば井荻小学校の児童から提案を受けた「みんなの夢水路」や、中学生小笠原自然体験交流をはじめとして、様々な事業やイベントに参加した子どもたちと触れ合う中で、様々な声を聴いています。今後もそういった機会を捉え、子どもたちの夢や思いに耳を傾けていきたいと思います。

【Q】 ●開校から1年を迎える施設一体型小中一貫教育校の杉並和泉学園をどのように評価しているか
●高円寺地域の小中一貫教育校の建設については様々な意見があるが、杉並和泉学園の開校までの取り組みを、高円寺の新しい学校に生かしていくことが重要であると考えるが、見解を伺う。
●今後の施設一体型小中一貫教育校の計画化に当たっては、杉並和泉学園の検証を踏まえるとともに、地域の環境や関係者の意見を聞きながら、慎重に進めるべきであると考えるが、見解を伺う。

【A】   区内初の小中一貫教育校として昨年4月に開校した杉並和泉学園の評価ですが、平成22年に「新泉・和泉地区小中一貫教育校設置計画」を策定した背景には、新泉小学校及び和泉中学校における児童・生徒の減少がありました。その課題を解決するために、保護者や学校関係者、地域の方と一体となって計画の具体化を進めて以来、5年を経て開校した杉並和泉学園は、まだ1年ではありますが、地域と共に様々な教育活動に取り組む中で、学校全体が活性化してきています。このことが最大の成果と受け止めており、引き続き、こうした潮流をより確かなものにしていかねばならないと考えています。そのためには、児童・生徒の多様な交流機会の拡充や、小学部と中学部の教職員同士の一層の連帯促進等を図る必要があります。これらの取り組みやそのプロセスを通して得た成果や反省点は、高円寺地域の新しい学校づくりにしっかりと活かしていきたいです。
なお、今後の小中一貫教育校の計画化ですが「杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針」に基づき、関係する保護者や地域の方等の幅広い意見を聴きながら総合的な視点で検討していくべきと考えます。

【Q】 ●農家での小学生のイモ掘りや収穫体験などの取り組みを今後さらに多くの学校に広げていただきたいと考えるが、区の見解を伺う。

【A】   自然と触れ合うことを通して、勤労することの意義や命の尊さを理解し、収穫の喜びを感じ取ることのできる農業体験は、教育的に価値の高い取り組みです。市街地化が進み、畑で作物を育てる機会が少ない本区では、こうした活動を意図的・計画的に行っていく必要があります。
これまでも小学校では、生活科や理科、総合的な学習の時間において、校内のほか、近隣の農園や都立農芸高校等の協力を得て、野菜の栽培や米作りなどを実施しています。中学校においても、技術・家庭において、作物の計画的な管理方法について学び、栽培から収穫までの作業体験を行っています。また、移動教室やフレンドシップスクールにおいて、現地の人とのかかわりをもちながら、農作業体験を実施しています。
今後もこうした体験活動を通して、土に触れる喜びや自然の恵みに感謝する心を育み、子どもたちに豊かな人間性を涵養していきたいです。

【Q】 ●待機児童解消に向けて今後も手綱と緩めることなく取り組むという決意はよくわかったが、具体的にどう進めるのか、もう少し詳しくお示しいただきたい。

【A】   先ずは3月までに、最新の保育所申込み状況や未就学人口の推移などから、平成29年4月時点での保育需要の見込み数と、その重要を満たすために必要とされる確保策を、歳児や地域のバランスなども考えて具体的に算出し、それを踏まえて29年4月に待機児童ゼロを何としても実現するため、必要な措置を講じつつ整備を進めます。