写真 半数以上の議員が退席し、審議が中断した区議会議場
ただ前回と違うのは、今回の2名はこれまで務めてきた2期8年の信任が問われたこと。区議会生活者ネットワークは、05年の中学校教科書採択において「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書をつよくすすめ、採択に至らしめたこのふたりを信任することはできません。従って議案に対し反対の立場ですが、私たちが「反対」するだけでは賛成多数で可決されてしまうことは明らかです。
一方この人事案には、区政における第1党の公明党が賛同に難色を示し、会派として議決をパスする、との情報がありました。そこで、私たち会派は今度こそ「出来レース」型の提案のされ方自体に抗議しなければと考え、大蔵・宮坂両氏再任に「反対」の意見表明をしたうえで議決そのものを拒否するため、採決時に退席しました。
同時に退席した議員が過半数であったため、定足数を割りこんで議会は休憩となり、その日の採決が見送られるかと一時は思われました。ところが約1時間後に公明党の7名が議席に戻って本会議は再開。すぐに採決が行われ、まず大蔵氏について「賛成全員」で可決、続いて宮坂氏も「賛成全員」で教育委員再任が決定しました。
大蔵氏77歳、宮坂氏75歳と高齢であること、現教育委員会に女性委員が1名だけであることから、委員会構成のバランスについても従前より指摘されてきましたが、提案を覆すには至らず残念な結果に終わりました。
両氏の問題は教科書採択に限りません。異常な状況下での議決だったこと、出席議員のうち3分の1が議決拒否する中での「全員賛成」だったことを、区長にもよく認識していただきたいと願うばかりです。 区議会議員 小松久子