川はまちの基軸である—第17回神田川サミット開催

神田川のてびき「神田川再発見」出版記念

1991年に第1回目が始まった神田川サミット。17回目のサミットが12月6日に開催されました。
今回のテーマは「東京の川と文化—川筋を歩けば東京がわかる」。
基調講演は陣内秀信先生(法政大学大学院エコ地域デザイン研究所所長)から「変化に富む神田川の水辺風景」のお話でした。
—川はまちの基軸であることを念頭にまちづくりがされるべき
—中央線はニューカマーであり、もとからあった川に遠慮すべき、川はもっと主張していい
—川をもっと使おう、使いこなそう。そうすればもっともっと川は良くなる
水と都市の研究をされている陣内先生からの熱きメッセージが送られました。
印象に残ったのは、「あとから建てようとする建物は、周りの状況をよく見て建てなければならない。ルールに則っているからと言ってお構いなしに建ててはいけない。そこには歴史、文化があるのだから」というものでした。

杉並ネットは、1992年に神田川の源流である井の頭池をテーマに開催された第2回目から神田川サミットに参加してきました。毎年、歴史、文化、子ども、環境、湧水、水質などをテーマに定めて開かれます。主催団体は神田川ネットワーク。神田川流域2市13区で活動をしている方たちが集って神田川ネットワークをつくっています。この方たちの活動は、歴史、生物、みどり、水、下水、建築など多岐にわたっています。
メンバーの知識を“会”だけのものにしておくにはもったいない。おおぜいの人に伝えていける本をつくろう!—ということになり、川とその周辺を歩き、自分たちの手で調べること5年。ようやくこのたび「神田川再発見」が上梓され、今回のサミットは、出版記念の意味も込めての開催になりました。

神田川水系の流域面積が一番大きい杉並で活動する一人として、来年のサミットも楽しい企画を考えていきたいと思います。   神田川ネットワーク 市橋綾子    

写真 講演の冒頭に、市民が作ったガイドブック「神田川再発見」の上梓にお祝いを述べる陣内秀信さん