考えよう 難民のこと ―まず難民について知ること

会場は新築された阿佐谷地域区民センターの集会室

国連UNHCR協会の天沼耕平さんを講師に迎え、杉並ネットお話サロンが開催された。まずワークシートを使って3~4人のグループで話し合うことから始まった。自分にとって替わりのないもの、替わりのあるものは何かを書き出し、それを失ったらどんな気持ちになるか、ということを想像して難民の状況になったときの自分の心を見つめるワークショップだった。

その後、世界の難民が急速に増加して1億人にもなっていること、それに対して国連UNHCRがどういう活動をしているか話された。すべてを失ったときの気持ちを感じ取った後なので、これらの支援活動がなければどうなることか、難民を支える団体の存在の意味がよくわかった。

日本は1981年に難民条約に加入し、1982年に出入国管理及び難民認定法を定めて難民の対応にあたっている。

出入国在留管理庁を中心とした認定に関する課題のなかで、避難民の受入れや留学生の受入れなどを少しずつひろげているのが現状だという。

最後に、私たちにできることとして「知る」「広める」「参加する」「寄り添う」ということを言われたが、会場から「広める」ことが難しいがどうすればよいか、という質問が出た。誤解なく伝えるためには、信頼できる団体の情報を生かし、その中で自分の思いをしっかり伝えることが大事、また仲間を作って発信することもよいという助言がなされた。

今回はUNHCRの活動を知る会であり、その点はよくわかったのだが、現在の難民受入れの問題点にもう一歩踏み込んだ解説を聞きたかったという思いが残った。

*UNHCR  United Nations High Commissioner for Refugees

(杉並・生活者ネットワーク会員 田中みつ子)