杉並区のコロナ対策

区が購入したPCR検査用のバス。 杉並保健所、上井草スポーツセンター、高井戸保健センターなどを巡回する

このところ再び、感染の広がりがとまらない新型コロナウイルス。杉並区内でも連日、高齢者施設や公共施設利用者などから陽性者が出たというニュースが入り心配ですが、かなり幅広くその周辺のPCR検査の実施が行われており、速やかに医療へつなぐことで重症化を抑えるという方向性ですすめられています。

杉並区では、コロナ対策としてすでに今年度9度の補正予算約688億円(国・都支出金含む)が編成され、緊急性を要するものから支援策が図られてきました。

当初は初めて経験する得体のしれない新型コロナウイルスの発生により、東京都の感染指定病院が満床となり、杉並区内の病院でもコロナ患者の受け入れが3月末から始まりました。杉並区ではその段階からコロナ病床確保など区内医療機関(河北‣佼成・荻窪・東京衛生)への思い切った支援を行い、杉並区医師会とも連携をすることでPCR検査体制も整えてきました。区・保健所、区内基幹4病院、杉並区医師会が一丸となって行った独自のコロナ対策は重要な取組みでした。

その後、少しずつ医療体制も充実し、4つの基幹病院では現在のところ中等症以下の患者の受け入れで稼働率は80~90%ということです。しかし、11月中旬から感染者が増えており、今後の備えに対し医療機関への支援のための補正予算(10号)が今議会の会期を延長してさらに諮られる予定です。

区のコロナ対策の主な内容は、地域医療の崩壊を防ぐための区内基幹病院への包括的な補助をはじめ、マスクや手指消毒剤費用、介護保険や障害福祉事業者経営支援やPCR検査費用、PCR検査のための機器や移動式PCR検査バスの購入、区立施設のトイレ手洗い自動水栓化、中小企業支援のための相談窓口強化や家賃補助、生活困窮者等の住居確保給付金の要件拡大、家族などの介護者が感染した場合に残された被介護者等の一時預かり事業、学校休校に伴う家庭学習通信環境整備の支援、オンライン学習などのためのタブレット端末を区立学校全児童生徒に配備、文化芸術活動への支援など。

なお、11月27日付で所属会派いのち・平和クラブとして「新型コロナウイルス感染症対策に関わる医療機関への支援の拡充を求める要望書」を区長宛てに提出しました。(区議会議員 奥田雅子)

「新型コロナウイルス感染症対策に関わる医療機関への支援の拡充を求める要望書」  

                        2020年11月27日

杉並区長 田中 良 様

            杉並区議会いのち・平和クラブ 幹事長 新城 せつこ

 

新型コロナウイルス感染症対策に関わる医療機関への支援の拡充を求めます

新型コロナウイルス感染症の陽性者数は、11月に入ってから急激に増加し、陽性者は幅広い年齢層に及び、高齢者を中心に重症者も増え、専用病床の確保も厳しい状況となっています。

また、本格的な冬を迎え、医療現場では、季節性インフルエンザの流行への備えに加え、急増するコロナ患者への対応で医療従事者への負担は大きくなるばかりです。

今後、更なる新型コロナウイルス感染症の拡大に備え、区民の命と健康を守るため、医療従事者への速やかな支援の拡充を以下のとおり要望します。

      記

〇区内4基幹病院に勤務する医療従事者への支援

新型コロナウイルス感染症患者の治療や看護にあたる医療従事者の心身の負担は大きく、入院患者の増加に伴い更に増えることになります。各病院において、医療従事者を十分に配置するために、また負担の増加に見合う処遇となるよう、支援を求めます。

〇区内4基幹病院以外の医療機関への支援

区内のPCR検査等を実施する医療機関に対して、引き続き院内感染対策の推進を図るとともに、診療所を含めた医療機関の検査体制の維持・確保のための支援策を拡充するよう求めます。