第1回定例会一般質問と答弁 奥田雅子2019.2.15

【地域コミュニティ施設とその運営について】

Q1..直営の敬老会館時代から現在のゆうゆう館事業への経過を、区としてどのように評価しているか。

A1..敬老会館は高齢者の「憩いの場」として主にいきいきクラブなどが利用しており、貸施設的な運営で魅力ある事業メニューが少ないことから利用者の固定化が進んでいた。このためあり方の見直しを行い、「いきがい学びの場」「ふれあい交流の場」「健康づくりの場」の役割・機能を加え、NPO法人等との協働による施設管理・運営とするとともに、名称もゆうゆう館とした。その結果新たな3つの機能にふさわしく、多様な価値観を持つ高齢者のニーズにも応える講座やイベントが協働事業として展開され、利用者の拡充につながっている。また協働事業と受付業務等の一体的運営により、事業参加者が自主グループを作ったり、事業のスタッフとして活躍するなど高齢者の活動の拡充が図られ、まさに生涯現役社会の地域拠点となっている。さらに運営法人が地元の町会・自治会・商店会・民生委員やケア24などとの関係を構築することで、地域の資源として活用される施設にもなっている。

一方で、高齢者施設という性格上、夜間を含めた夜間の施設の有効利用、世代を超えた交流の拡充の点で限界があることが課題である。

Q2.そもそも指定管理者制度とはどのような制度なのか、また指定管理者制度を導入した背景について伺う。杉並区が最初に指定管理者制度を導入したのはいつ、どのような施設であったのか、またどのようなりゆうがあったのか伺う。その後、指定管理者制度を少しずつ導入しているようだが、現在の状況について、導入している公の施設の種類と数を伺う。

A2.指定管理者制度は公共施設や行政サービスへの民間参入を一層促進するという観点から、公の施設の管理・運営の門戸を民間事業者、NPO法人等の団体にも開き、民間経営のノウハウを生かした効率的な運営と住民サービスの向上を図るもの。区では平成16年4月から区立高井戸保育園に初めて指定管理者制度を導入した。その理由として、平成14年に区がまとめた今後の保育サービスのあり方の中で、公設民営化等民間活用の提起があり、これにより高井戸保育園改築後の管理について法人等への委託を検討していたことがあげられる。

この後、平成16年に杉並区指定管理者制度導入指針を策定し、他の施設への導入の可否を総合的な視点で検討してきた結果、現在保育園、体育施設、集会施設、図書館など全29施設で指定管理者制度を導入している。

Q3.地域コミュニティ施設の管理運営方法をどのように考えているか。

A3.施設の管理運営については指定管理者または業務委託を想定しているが、施設によって単独で整備する場合と、他の施設との併合や複合施設として整備する場合があるほか、施設の規模、実施する事業を踏まえ、適切な管理運営方法を検討している。

またゆうゆう館の機能を継承するため、これまで運営を担ってきたNPO法人等が引き続き運営に参入できるよう検討している。

Q4.計画にはゆうゆう館の機能継承という文言がちりばめられているが、「地域コミュニティ施設での事業実施という側面ではどのような議論になっているのか、最重視したいことは何か。地域コミュニティ施設については現在のゆうゆう館の実態を踏まえ、事業者や利用者のいけんにも十分耳を傾けてもらいたいと思う。地域コミュニティ施設は、所管の違う機能がひとつに複合化されることから、関係各課の連携が重要だ。現在どのような体制で議論され、最終的な担当書簡のあり方はどうなるのか。

A4.地域コミュニティ施設は再編対象となるゆうゆう館の機能や、児童館の乳幼児親子の居場所機能の継承を着実に行い、地域住民の身近な活動の場として、また世代を超えた交流・つながりが生まれる場としていくことが重要だと考える。

そうした観点から、現在区では行財政改革推進本部のもとに関係各課で構成する検討部会を設置し、管理運営方法の検討や継承する機能の整理、再編対象となるゆうゆう館の貸室のあり方を検討している。

区は「ゆうゆう館協働事業者意見交換会」等において計画に関する情報提供を行い、事業者の声を聞き、例えば東原地域コミュニティ施設の整備において町会長やゆうゆう館の利用者、児童館の利用者に意見を聞いている。今後も区民や事業者の意見を反映していく。

担当所管につぃては、地域課の所管のもと関係する各課が緊密に連携し、地域コミュニティの活性化につながるよう努める。

Q5.最後に、地域コミュニティ施設が区民にとって使いやすく、豊かな関係性が紡げる場所として機能するために、どのような施設にしてきたいのか区の見解を問う。

A5.(区長答弁)近年、隣人の顔も知らない「社会的孤立」が問題となり地域のつながりが弱まる中、区民に身近な場所で気軽に集うことのできる交流の場と、機会を提供することが大切と考える。7地域の拠点施設としての地域区民センターに加え、徒歩10分程度の身近な範囲に1か所を目安に、新たに地域コミュニティ施設を再編整備していく。集会室や多目的室などの貸室、だれでも利用できるラウンジを設置し、ゆうゆう館で実施している高齢者対象事業はもとより、ゆうゆう館や児童館の機能を継承していく。

 

【備災を促進するための支援について】

Q1..昨年いくつもの自然災害に見舞われた。職員は被災地に赴き、現地の支援を通じて多くを学んできたと思う。支援内容やそこでの経験は記録としてどのように蓄積されているのか。またそれらの記録を全体共有していくことが必要と考えるが区の見解を問う。

A1..平成30年7月豪雨では岡山県総社市で清掃・防災職員が災害廃棄物などに従事したほか、倉敷市で罹災証明発行業務や避難所の運営業務に従事した。北海道胆振東部地震では、厚真町に対して、保健師が健診業務再開や保健指導の準備を行いました。総社市支援は活動記録として全庁に配布し、自治体スクラム支援会議メンバーも共有した。また今後策定する「杉並区災害廃棄物処理計画」にも生かしていく。

被災地での経験や教訓は通常業務の改善に生かせるほか、当区が被災した時のために全庁的な情報共有に努めていく。

Q2.区内に防災公園が6か所あるが防災公園の定義はなにか。一般の公園と違うところはなにか。防災公園の整備は充足しているのか、今後増やしていくのか。

A2.防災公園は地震に起因して発生する市街地火災等の二次災害時における国民の生命、財産を守り、都市の防災構造を強化するために整備される広域防災拠点、避難地、避難路としての役割をもつ都市公園および緩衝緑地と定義されている。

区では比較的規模が大きく、放水銃・ゲートシャワー、耐震性貯水槽などの防災設備を備えた公園を防災公園としている。今後は広域避難場所の設置状況やまちづくり基本方針、地域防災計画との整合を図りながら拡充の可能性を検討する。

Q3.防災設備を活用した訓練を通して感じるのは、防災機能としてあるにもかかわらず、実際に使えない、使いにくいことが多い。今後防災公園をつくるまたは改修する場合は関係部署の連携が必要と考えるが区の考えを問う。公園を点検する際も、防災課とみどり公園課、管理事業者が一緒に行うことが必要だと考えるがいかがか。

A3.例えば下高井戸大空公園では、要望を受け消防団の訓練会場として使える直線道路を整備するなどしていますが、今後もこれまで以上に区民が利用しやすい施設や設備の導入・活用について関係部署間で連携を図りながら対応していく。

Q4.区でも粉ミルクの備蓄はしていると思うが、人工乳の配布について震災救援所のマニュアルなどにしめされているのか。また乳児を持つ親への対応はどのような体制でのぞむのか。災害発生直後は水やガス、電気が使えないと哺乳瓶の消毒ができないため紙コップ授乳が推奨されている。防災セミナーや子育てメッセなどの場でも紙コップ授乳知識として伝えていくことが必要と考えるが、区の考えを問う。液体ミルクの導入については区でも検討されていると思う。しかし消費期限が6か月や1年と備蓄品としては短いため、区として備蓄することが良いのか、または各自の備蓄を呼びかける一方で乳業会社と協定を結んで備蓄在庫を抱えない方法が現実的だと思うが、区の見解を問う。発災時直後は衛生面が悪化することから授乳環境を整えることが大事である。震災救援所の訓練でも女性の着替えの場とともに授乳所を確保する訓練が必要だと思うがいかがか。

A4.震災救援所管理標準マニュアルでは粉乳などの配布は女性スタッフによる運営を求めている。また妊産婦に対しては女性スタッフによる声かけなど、救援所全体として支える体制を構築している。授乳方法の周知に関しては、哺乳瓶が使用できない場合には代替品として使い捨て紙コップやスプーン、滅菌ガーゼを使用する方法がある。東京都発行の「東京くらし防災」などにも紹介されているのでこれらの資料を活用して防災イベントや訓練などの機会に区民に周知を図っていく。液体ミルクについては常温での保存や備蓄ができるメリットがある一方、備蓄スペースの確保、保存期間の問題があるので、保管委託契約なども視野に入れて比較検討を進めていく。授乳室や女性専用更衣室は震災救援所の運営上不可欠であり、直ちに開設することになっている授乳室や更衣室を含む部屋割り訓練を行っている。

Q5.日本栄養士会が「赤ちゃん防災プロジェクト」として妊産婦・乳児への栄養支援、避難所運用についてガイドラインを策定中と聞いている。この取り組みについての区の認識と見解を問う。

A5.「赤ちゃん防災プロジェクト」は日本栄養士会災害支援チームが災害時の乳児の命を守ることを目的に発足させたもので、国の省庁も後援している活動である。本年1月に「災害時における乳幼児の栄養支援の手引き」というガイドラインが発行された。これは災害時の乳幼児の栄養確保と保護の観点から、避難所の環境整備や母乳代替食品の備蓄や提供について専門的な立場からまとめられた有益なものと考える。

Q6.平常時の取り組みとして、横浜市では乳児を抱える親や妊婦を対象に「子育てママの防災おしゃべりサロン」を開催していると聞く。当区においても子ども・子育てプラザなどで妊婦や子育て家庭向けに、災害アドヴァイザーの講話や参加者同士の話し合いの機会を作り防災に対する意識を高めることを検討してはどうか。

A6.これまでも子ども・子育てプラザなどで、災害や犯罪から子どもを守るための講座等を行ってきている。今後こうした講座を開催する際には、学んだ内容をもとに参加者同士が意見交換する機会を設け、また区が発行してるリーフレット「知っておきたい!災害の備え」の活用も図り、家庭における防災意識を高めていくように取り組む。

Q7,公助の充実に取り組んできた区として、防災白書にある自助に対する意識の高まりに対しどのような感想を持っているか、またどのように対処するのか。これまで区は自助については区民にどのように伝えてきたのか。そのことは浸透しているのか区の認識を問う。

A7.防災白書平成30年版では自助、共助、公助の防災対策について何に重点を置くのかという問いに対して、過去の災害の教訓や想定される広域的な大規模災害における公助の限界への懸念などから、自助に対する意識が高まっていると分析しており、区も同様の認識である。一方杉並区民の防災行動については、防災訓練などの参加者が近年増加傾向にあるが、直近の「区民意識調査」の「家庭内で何らかの防災対策をしている」割合は83.9%とやや減少している。自助の意識の高まりと具体的な防災行動には若干の乖離が見られる。これまで区の取り組みとしてはハザードマップを活用して地域の災害リスクを理解し、避難行動や備蓄などについて家庭で話し合いが進むよう自助の取り組みを支援してきた。加えてこの度の地震被害シミュレーション結果の公表を地震災害を自分事として捉えるきっかけとしてもらえるよう、減震ブレーカー設置支援拡大の検討や在宅避難に必要な物資のあっ旋品目の追加、日常備蓄や在宅避難生活に関するセミナー開催などの対策を進めていく。自助意識の高まりを防災・減災対策を前進させるチャンスと捉え、取り組んでいく。

Q8.自治体職員による防災出前講座が各地で実施されているが、杉並区でも「備災(自助)」をテーマに、地域で一定数の区民が集まったら職員が出前するする取り組みが有効とかんがえるが見解を問う。

A8.職員が出向いて防災出前講座を行うことは質疑を通じて理解を深めたり、直接区民の声を聞く有効な方法であり、町会、自治会、防災課やゆうゆう館で行ってきている。また、今年度からはすぎなみ地域大学の「地域防災コーディネーター養成講座」で地域防災や防災講和などに対応できる人材を計画的に育成している。こうした人材も活用して区民に自助を含む防災対策を伝える機会を増やしていく。