第4回定例会一般質問 2017.11.17そね文子

いのち・平和クラブの一員として、1.インクルーシブ教育を推進するために、2.マイクロプラスチックの海洋汚染への対策について一般質問いたします。

まずはインクルーシブ教育を推進するための質問です。

日本が障がい者権利条約を批准したのは2014年ですが、それに先立つ形で、2012年7月、同条約に規定された「インクルーシブ教育システム」の構築に向けて「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」を発表しました。その中には「インクルーシブ教育システム」とは人間の多様性の尊重等の強化、障がい者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が教育制度一般から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。と記されています。また「基本的な方向性としては、障害のある子どもと障害のない子どもが、できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきある。その場合には、それぞれの子どもが、授業内容がわかり学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ、身に付けていけるかどうか、これが最も本質的な視点であり、そのための環境整備が必要である」としています。

また、インクルーシブ教育システム構築のためには特別支援教育が着実に推進されることが必要とされています。そして、このことは杉並区の特別支援教育推進計画の前文にも記されているところです。

  • そこで先ず、区のインクルーシブ教育についての考え、そしてどのように取り組んでいこうとしているかををうかがいます。

2.区では特別支援教育推進計画に従って、全ての小学校に特別支援教室が設置され、それに伴い待機児も解消され、子どもや保護者の通級の負担が減り、人も手厚く配置され保護者からの歓迎の声も届いており、取り組みが進んでいることを評価しています。また杉並区では区立の済美養護学校や特別支援学級で知的障がい児にきめ細かい教育が行われていると認識しています。しかし、それ故に、子どもの就学相談や検査結果を元に教育委員会が判断したことが子どもにとっては一番いいという考え方が教育委員会や校長にあるのではないか、そしてそれを保護者に押し付けるような力が働くことはないでしょうか。

知的障がいのある子どもを保護者が通常学級に通わせたい、また就学相談では支援学校が適当とされた子どもを支援学級に通わせたいという希望を歓迎せず、子どもや保護者を排除するような対応をとることがあっては残念です。

子どもにとって適正と判断されたところがどんなに良い教育をしていようと、就学前から一緒に育ってきた友達と同じ地域の学校に通わせたい、通常学級の子どもの中に身を置くことで、周りの子どもから学ばせたいという選択はあり、文科省もこれを認めています。どの進学先にするか、それぞれの保護者が我が子のために一生懸命考え選択した結果を尊重し、どのようにすれば受け入れられるのか、その子どもにあった教育を提供できるのか、学校内や保護者、専門家も交えてオープンに話し合い、進めていくという対応を、教育委員会と全ての学校で取っていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。

  • 先に述べたように、知的障がい児が適正と判断された以外のところで学ぼうとする場合がまさにインクルーシブ教育の実践場面となります。先の決算特別委員会でこのような子どもの数を質問したところ、答えが出てきませんでした。また私はこれまでの議会質問で、知的障がい児の個別指導計画が作られず、週1回2時間学習支援教員による取り出し授業が行われている以外はほとんど支援が受けられていない状況があるという保護者からの訴えを取り上げてきました。世田谷区のある公立小学校では、通常学級に在籍する知的障がい児に、きちんと個別指導計画が作られ、それに基づき必要に応じて、教育や心理などを学ぶ大学生ボランティアが付き、手厚い支援が行われているという話を聞きました。杉並区でも学生ボランティアの制度はありますが、登録人数や実行数が少ないと感じます。このような支援が行われている学校もあるのでしょうか。うかがいます。
  • 教育委員会は通常学級に在籍している知的障がい児の人数を把握するとともに、適切な支援を行っている学校の事例を他の学校とも共有し、広げていっていただきたいと思いますがいかがでしょうか、見解をうかがいます。
  • 東京都の指定を受けている特定の障害児通所支援事業者や放課後等デイサービスの事業所には、そこに通う障がい児のより良い支援のために在籍校とその子の課題を話し合うと、関係機関連携の加算が付くという仕組みがありますが、これが周知されておらず知らない学校もあると聞いています。家庭と学校、支援機関の連携を充実させるこのような仕組みはもっと周知され、活用されるべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

ところで、ある事業所は、そこに通う障がい児が学校でうまくいっていないと聞き、事業所ではうまくいっているので、学校でもよりよい支援をしてもらうために声をかけたところ、事業所からの提案は受けないと言われたという話を聞きました。子どもの最善の利益の観点から見て、このような対応は問題があるのではないでしょうか。注意を喚起したいと思います。

  • このような事業所には作業療法士や言語療法士、心理士など、様々な専門家がいます。学校はオープンにこのような外部の専門家の意見を聞き、子どもを支えている人たちと共に支援をしていこうという姿勢を持つべきと考えますが区の見解をうかがいます。
  • 知的障がい児を対象とした特別支援学級は小学校9校、中学校5校に設置されています。学校ごとにそれぞれの特色があり、保護者は少しでも自分の子どもに合ったところに通わせたいと思うのは当然だと考えます。指定校はあっても保護者の希望に柔軟に対応することが必要だと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
  • また、さまざまな理由から学校不適応となった場合、転校も選択肢に入れた対応が速やかにとられているかどうか、併せてうかがいます。
  • 特別支援学校や支援学級の子どもが通常学級の子どもと交流し、「お互いが地域の仲間」という認識をじかに感じられるようにすることが大変重要と考えます。このような取り組みをすべての学校で積極的に行っていただきたいと思いますが、現在はどのような取り組みがされているか。学校どうしの意見交換、情報共有を図り、区内全体で交流の質を高めていっていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。

10.先の決算特別委員会で井出教育長から、3年前にPTA協議会がインクルーシブ教育を学ぶことをテーマに取り上げ、初めに大阪のある小学校を舞台にした「みんなの学校」という映画を観て、大変共感したというお話がありました。この作品については、多くのPTAが現在も上映会を相次いで開いたり、それを見て熱心に話し合いの場を持ったり、作品の舞台となった学校の校長先生の講演会が開かれたりしていることに希望を感じ、私自身もそこに参加し地域の学校にどうしたら貢献できるかを考えています。9月に東京大学のバリアフリー教育開発研究センターが主催して行われた講演会で、この小学校の現在の校長先生の話を聞くことができました。この大阪にある公立小学校は現在の在籍児童数が299名でそのうち特別支援学級在籍児童数が53名、通常学級10クラス、特別支援学級10クラスとなるところですが、その特別支援教室をすべてとっぱらい、通常学級10クラスで各クラスに先生が複数配置される形をとっているのが大きな特徴です。つまりインクルーシブ教育を実践しているのです。教育委員会はこのような学校のあり方をどうとらえているかうかがいます。

11.PTAや保護者の活動を後押しし、学校のサポーターになりたい、関わりたいという保護者を学校で受け入れる体制を作っていただきたいと思います。この活動を理解するためには全校の校長先生に、まずこの映画を観ていただきたいと思います。そして校長先生同士でどうやって学校をより地域に開いていくか話し合う場を持つなど取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。うかがいます。

12.先ずは、学校が開かれた場所であってほしいと思います。保護者や地域の人がいつ行ってもいい学校であってほしいと考えますが、教育委員会の見解をうかがいます。

2016年7月に相模原市の障がい者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺される事件が起こり社会に大きな衝撃を与えました。経済性や生産性から障がい者は役に立たないという社会の中にある差別がこの事件の背景にあるのではないでしょうか。これを、精神に異常をきたした人物が起こした特異な事件として片づけていいわけがありません。このような事件を2度と起こさないためにも、子どものころから障がい児も健常児も同じ場所で仲間として過ごすことで、互いの存在を自然に認めるようになることが大切だと考えます。自分の中にもある差別に気づき、ともに学ぶことですべての人の存在が認められる共生社会をともにつくっていきたいと思います。

次に大きな項目の2番目、マイクロプラスチックの海洋汚染とレジ袋削減について質問します。

今、マイクロプラスチックの海洋汚染が大きな問題になっています。マイクロプラスチックとは大きさが5ミリ以下の微細なプラスチックのことで、ペットボトル、食品トレー、レジ袋などが紫外線や波の力で壊れて細かくなったものを言います。2016年1月に行われた世界経済フォーラムでも、毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流出しており、このままだと2025年には海の魚3トンに対し、プラスチックごみがその3分の1にあたる1tに、さらに2050年にはプラスチックごみがそれを上回るというレポートが発表されました。また、なんと世界の海水から採取する食用の塩のほぼすべてに、マイクロプラスチックが含まれていることが、複数の研究で判明しています。

海の塩は海水を乾燥させて製造するため、そこに含まれているマイクロプラスチック類がそのまま製品の中に残留するという話です。今年9月6日の東京新聞には、京都大学の田中周平准教授のチームが国内各地のカタクチイワシやマイワシを採取し消化管を調査したところ、その5割強からマイクロプラスチックが見つかったことが掲載されました。マイクロプラスチックは水の中の有害化学物質を吸着する性質があり、化学汚染濃度は海水の5万倍から100万倍にも上り食物連鎖を通して、人体への健康影響も懸念されています。

塩は人の暮らしに欠かせないものであり、日々どんな料理にも使われます。たとえば味噌汁を例にとると、味噌に塩が含まれており、カタクチイワシで作られる煮干しにマイクロプラスチックの有害成分が含まれていると考えると、これは深刻な問題と言わざるを得ません。

この海洋汚染の原因となるプラスチックは、街にポイ捨てされたペットボトル、風に飛ばされたレジ袋などが紫外線によって微細化し、それが雨水と共に川に入り海にたどり着く、またそれよりもっと微細で化粧品や歯磨き粉に含まれるマイクロビーズは下水道でも処理できず海に流れ着きます。この海洋汚染問題が、プラスチックごみを削減することで改善できるとすれば、私たちはすぐにごみになるレジ袋をもらわない、またマイボトルを持って外出しペットボトルをなるべく買わないなど、身近な暮らしの足元を見直す必要があるのではないでしょうか。その観点から質問いたします

  • 先ほど述べた現状において、国や東京都が解決に向けて取り組んでいるところですが、身近な自治体としても取り組みが必要だと考えます。区としてはこの問題をどう認識しているでしょうか、うかがいます。

先ずはこのような事実を知らせる啓発が必要だと考えます。小中学校で行われている環境教育で取り入れる、また小学校の調理実習で味噌汁をつくるときに、この煮干しになるカタクチイワシに日々の私たちの生活から生み出されるマイクロプラスチックの汚染が進んでいることを話題にするなど、先生方にも折を見て子どもに伝える機会をつくっていただきたいと考えます。

  • 大人たちへの啓発も重要です。練馬区は経済課が主催する形で今年11月に東京農工大学農学部教授の高田秀重氏からは「海のプラスチック汚染と私たちの暮らし」、東京理科大学教授の二瓶康雄氏からは「市街地と川のプラスチック汚染」をテーマに講演会が開かれています。杉並区でもそのような講演会を開いていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。
  • マイクロプラスチックの由来は生産量・使用量の多いレジ袋やペットボトルが多くの割合を占めています。世界ではマイクロプラスチックを増やさない目的でレジ袋の無料配布を禁止している国・地域もあります。杉並区は全国に先駆けてレジ袋削減に取り組み、「レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」を整備するなどにより、大きな成果を上げてきたことを高く評価しています。区では地球温暖化を防ぐためにレジ袋の使用を減らすとしていますが、これはマイクロプラスチックを増やさないことにもつながると考えます。その点に対する区の見解をうかがいます。

 

  • レジ袋条例では対象となる事業所を、前年度のレジ袋使用枚数が20万枚以上の店舗、マイバッグの持参率が60%に満たないところ、食料品を扱っているところと定めています。しかしこの条件を満たすと思われる、大手のドラッグストアが報告書に1件も載っていないのはなぜなのでしょうか。このような店舗もレジ袋削減に取り組む対象とすべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

また、新規に店舗が出来たときにマイバッグ持参率60%以上を達成していたところは、その後報告書に載らないことになるとのことですが、最初に60%をクリアしていても、その後の経過を公表することが、継続してレジ袋削減に取り組むインセンティブになると思いますので、その後も報告をもらい掲載するよう要望いたします。

ところで区は毎年マイバッグ持参率、レジ袋年間使用実績、レジ袋削減の取り組みについてなど細かい調査結果を報告しており、有意な取り組みですが、ここで使われている「マイバッグ持参率」という言葉が気になっています。コンビニでガムを一つ、あるいは飲み物を1本買う時、マイバッグは持っていないけれどレジ袋を断る場合、それはマイバッグ持参率にカウントされるのだろうかという疑問がわきます。このようなケースがマイバッグ持参率にカウントされずどのデータにも反映されないとすれば、実態を把握することになりません。細かいことですが、マイバッグ持参率にレジ袋辞退率とカッコつきで併記するなどわかりやすい表記としていただくよう提案いたします。

  • 以前、区にはレジ袋削減推進協議会があり、この協議会の構成メンバーであったスーパーマーケットが自らレジ袋有料化の実験を行い、その成果を踏まえてレジ袋有料化の条例提案を行うなど、大きな役割を果たしてきたと思いますが、区はその成果をどうとらえているのでしょうか。現在この組織は無くなっています。継続的にレジ袋削減の取り組みを進めるために、このような組織は必要と考えますが、区の見解をうかがいます。

レジ袋削減がこれ以上進まない原因のひとつとなっているのが、コンビニエンスストアの姿勢にあるのではないでしょうか。コンビニ事業者が毎年区に提出している報告によると、ほとんどのコンビニエンスストアは声掛けの徹底を行っているとなっていますが、私は区内のコンビニエンスストアで小さいものを購入した時でも「レジ袋は必要ですか」と声をかけられたことはほとんどありません。レジで会計のときにすかさず「袋は要りません」と言葉に出して意思表示をしないと何も聞かずにレジ袋に商品を入れられそうになります。ぜひ声かけの指導を徹底するようオーナーに申し入れていただきたいと思います。また、これだけ多くの店舗を持つ事業者ですから、地球温暖化やマイクロプラスチックの問題を認識し、レジ袋の有料化によって社会的責任を果たすことを、区からも働きかけていただくよう強く要望いたします。

  • 区には区内の学校や商店会連合会、消費者団体や環境団体からなるマイバッグ推進連絡会があります。マイバッグの推進を図ることの目的はレジ袋削減にあると考えます。この連絡会の主な活動は、区内のイベントで啓発を行うことであり、先日行われた杉並フェスタでは風呂敷の使い方を教えていました。文化としての風呂敷はすばらしいものです。しかしスーパーにマイ風呂敷を持参し、そこで買ったものを風呂敷に包むことは現実的でしょうか。マイバッグ推進連絡会で、この会の目的はレジ袋削減にあることをいま一度確認していただきたいと思います。そして、ここに多く参加している学校の学生に、レジ袋削減に向けての講演会やワークショップを行うとか、コンビニエンスストアにアンケート調査を行うとか、もっとできることを考えてはいかがでしょうか。消費者団体や環境活動グループなどからもアイデアを募り、ぜひ自発的に取り組みを進めていってほしいと思いますが、区の見解をうかがいます。

プラスチックは時の経過と共に微細化が進み0.1ミリ以下にもなっていきますが、決して分解して自然に帰ることはなく、小さく回収不能になったものが海の中に漂い、その量が増え続けていきます。数十年経ってこれはいけないと気付いても、もう環境に出たものを回収することはできないので、できるだけ早く手を打つことが必要です。私どもも使い捨てのプラスチックが環境に及ぼす問題について共に考え、その削減のために行動していくことを申し上げ、私の質問を終わります。