第2回定例会一般質問    2013,5.31 そね文子

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)への区と教育委員会の認識と対応を問う

 

生活者ネット・みどりの未来のそね文子です。「HPV感染症予防ワクチン(子宮頸がんワクチン)への区と教育委員会の認識と対応」について質問いたします。

 私は1年前の20126月の第2回定例会で「子宮頸がん予防ワクチンの課題と今後のありかたについて」として一般質問をしました。杉並区は中学入学お祝いワクチンとして、全国に先駆けてこのワクチンを導入した経緯がありますが、推進論ばかりでなく慎重論もあること、検診の重要性、性教育と本人が接種を理解し判断して受けることの必要性などについて指摘しました。

その中で、区内の副反応事例の有無について質問すると、保健所長からは重篤な副反応の報告はないとの答弁がありましたが、それが事実と違い質問した時から8ヶ月前の201110月に2回目のサーバリックス接種直後からひどい副反応で学校に行けなくなっていた女子中学生がいたことが、保護者からの連絡で、今年2月にわかりました。それを3月の予算特別委員会でとりあげ、区は当時の答弁を訂正・謝罪し、区独自の救済制度を設け被害者に補償をするという対応をとった経緯があります。

 それが新聞で取り上げられ被害者の実態が明らかになると、全国から同じ副反応に苦しむ多くの被害者の声が届き、325日には「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」が発足することになりました。会には被害者家族とともにそれを支える自治体議員や市民が賛同人として加わっており、私もここで活動に取り組んできました。会として、厚生労働省に被害者救済、副反応被害の実態調査と接種事業の中止を要請し、文部科学省にも必要な要請を行ってきました。これらの活動を通して全国の被害者家族とお会いし、多くの生の声を聴く機会を得て参りました。

 被害者の深刻な状況を目にし、また厚労省の副反応検討の審議会などを傍聴し、専門家を講師に迎えての勉強会で知識を深める中で、このワクチンは即刻中止すべきとの立場から質問いたします。
 1.まず、杉並区内で発生した重篤な副反応被害の中学生について、その後の確認をしたいと思います。

 最初の質問です。任意接種時に補償する機関として紹介されていた医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請はできたのでしょうか

 2番目として、杉並独自の補償制度のその後の進展についても確認いたします。

 3番目。4月からの定期接種化を受け、HPVワクチン接種対象者へのお知らせの発送は5月末と聞いていますが現在の杉並区での接種受付状況はどうなっているかうかがいます。

 2.さて、516日に第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が開催されました。この審議会は、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会からの被害の訴えを受け厚生労働大臣が緊急要請して開くことが決定したものと伺っています。ここでHPVワクチンの副反応について検討がされました。

 被害者連絡会には発足以来300件以上の声が届けられています。中には医師に症状をワクチンの副反応と認めてもらえず、厚労省の副反応報告には上がっていない方からの相談も多く含まれています。それらの事例も含めて、連絡会から24件の被害者の情報提供をしており、それについてもこの検討会で審議がされることになっていました。

 先ず、この審議会の構成委員の半分がHPVワクチンを販売する製薬会社から寄付をもらっていることに驚きました。検討会の冒頭にとくに多額の寄付をもらっている委員は、会の議決に参加する権利がないことの説明がありました。被害者連絡会が提供した報告24件の検討は医学的判断に足る資料ではないとされ内容についての議論はされることがなく、結論は、至急調査を開始するが、接種事業は継続するとされました。しかし、座長が接種一時中止について、委員全員の発言を求めたにも関わらず、意見を言ったのは、寄付を受けていた委員のみでした。そして多額の寄付を受けて議決権のない委員の発言から結論が導かれる形で議決もとられず、副反応については慎重に見守り接種を継続することになりました。傍聴していた被害者たちからは「被害者の声を聴くことを求める」とたくさんの声が上りましたが、委員たちがそれを避けるように退場する場面がテレビのニュースで報道されました。会から情報提供した24件については引き続き調査が行われることになり、6月に改めて検討会がもたれることになりましたが、この日の結論は、要するに、これからどんな被害が出るのか実験を続けるということだと認識しました。区はそれをどのように認識しますか。おうかがいします。

 この審議会は6月にもう一度開かれ、ワクチンの一時中止をするかどうかの結論を出すということになっています。自治体向けの情報(効果や副反応情報、保護者へのお知らせ文など)もそこで委員が再確認することになっているそうで、厚生労働省の担当官は自治体はその結果が届くまでは待てばいいと言っています。これを受けて、実際にお知らせの発送を、待っている自治体もあります。

 たくさんの副反応被害があって、緊急に検討会が開かれている現状を考えると、杉並区もこの審議会の結果がでるまでは、お知らせの発送を待つべきだったと思います。それまで接種事業も中断すべきと考えるがいかがでしょうか。うかがいます。

 520日の参議院の決算委員会でHPVワクチンについての質疑があり厚生労働省、矢島健康局長が答弁に立ちました。

この質疑応答をとおしてわかったことは、一般女性のHPVの16型と18型での感染率は0.7%、感染しても90%の人が自然排出するため「持続感染するのは」10%。16型・18型の感染症が中等度・高度異形成にいたりがんを発症する可能性があるのは10万人に7人、として、非常に必要性が低いことが確認されています。

 また定期的な細胞診とHPVDNA検査の併用検診で発見すれば、適切な治療により概ね100%が治癒すると健康局長が答弁しています。

併用検診でほぼ100%発見され、適切な治療で概ね100%治癒するのだから、検診受診率の向上こそが重要でありワクチンを接種する必要はありません。

 また副反応報告については516日の副反応検討会の資料によると

サーバリックスの重篤な副反応は接種者258万人に対して795人、10万人に31,81人。

ガーダシルは70万人に対して83人、10万人あたり11.86人。両剤合わせると、328万人に878人、10万人に26.77人の割合で出ています。

一方日本の子宮頸がんによる死亡率は女性の人口10万人に対し1ケタ。年間の死者数は2500人、部位不明の子宮ガンの7割を加えて最大値を見積もったとしても約3500人であるとされています。これを女性の人口10万人当たりに換算すると3.8人から5.3人となります。

子宮頸がんの死亡者のうち、16型、18型でなくなっているのは半分から7割であることからさらにこれより少なくなります。それに対して重篤な副反応が10万人に26.77人であることを考えると、ワクチンとして許容されるべきでないと考えます。

 

これは厚労省が認め、また同省に寄せられた報告をもとに計算した数字です。効果が薄く副反応

出現率が死亡率より高いこのワクチンの必要性が理解できません。

 

3.ここで杉並区内の数字について伺います。

 杉並区で接種が始まった2010年から現在までの接種者数、副反応報告数について、サーバリックス、がーダシルの別に、把握している数はどうなっているでしょうか。

 またそれをもとに計算すると重篤の副反応出現率はどうなるでしょうか。併せてうかがいます。

 

区内の2009年度、2010年度、2011年度それぞれの20代の子宮頸がんによる死亡者数はすべてゼロであります。そのことから考えて区内でのワクチン接種の必要性をどうとらえるのか、区の見解をうかがいます。

 4.次にHPVワクチンについての区から接種者への情報提供について伺います。

 先ほど述べた副反応の検討部会では資料9-1として「子宮頸がん予防ワクチンの接種に当たって」が配布されました。それを見ると、有効性についての中にこうあります。「子宮頸がんは数年から数10年に及ぶHPVの持続的な感染の末に発症するとされており、本ワクチンについては、導入後間もないことから、がんそのものを予防する効果は現段階では証明されていません。」

またこの中には最後にこうもあります。

「子宮頸がん予防ワクチンの接種は強制ではありません。上記の有効性、リスク等について、十分に理解したうえで、接種を受けるかどうかご判断ください。」

 

本日ポストに保健所が発送した子宮頸がんワクチン接種のお知らせが入っていました。区の

お知らせには、この薬剤が劇薬であること、重篤な副反応事例、このワクチンはがんを起こ

すとされるハイリスク型15種類のウイルスのうちの2種類、50から70%にしか効かないこ

と、子宮頸がんを予防することは現段階では証明されていないなどの内容を記載し、接種を

受けるかどうかの判断を各自ですることが大変重要だと考えるが、それは明記されているかうかがいます。

今年3月に保健所が予定していた「子宮頸がんワクチンの説明会」が体制を整えるためとして延期されました。その後の説明会の予定はどうなっているでしょうか。

杉並区内の重篤な副反応被害の当事者が声を上げたことで、それから多くの副反応被害の実態が報道されてきました。被害者連絡会の働きかけもあり、現在は調査が行われ、先に述べたように国会でもこれが取り上げられ、厚生労働省も認める有効性と副反応頻出度なども話題に上るようになっています。様々な報道がされる中で、区からワクチン接種のお知らせが届き、戸惑う区民が多くいると考えます。

接種を継続するのであれば、子どものいのちと健康を守るため、このようなワクチンを取り巻く現在の動向や副反応実態も含めた事実を知って判断できるようにするため、説明会を開催すべきと考えるがいかがでしょうか。

 次に医療現場での情報提供、インフォームド・コンセントについても伺います。これまで述べてきた期待される効果やリスクについて、最終的に医療機関で接種を受ける前に医師から確認することを徹底していただきたいと考えます。またHPV感染症は性感染症であるから、性体験がある人にはワクチンの有効性が低いことの説明をしていただきたいと考えます。被害者連絡会には20代、30代のかたからの相談も寄せられており、医療現場での説明責任がはたされていないと感じています。副反応報告にも重篤な事例として20代、30代の流産があがっています。また、一度接種を受けて具合が悪くなった人には追加接種はしないようにすべきと考えます。被害者の方達は痛いのを我慢し、また具合が悪くなっていても、せっかくこれまで受けたのだからと追加接種を受けて、重篤な事態に陥っているかたが多くいらっしゃいます。具合が悪くなったことを医療機関に伝えたときに、接種を止めてくれていたら、また今のように副反応で苦しんでいる人がいるという情報に接することができていたら、追加接種することはなかったのにとおっしゃいます。

医療機関に対し、接種希望者との情報共有を徹底させていただきたいと考えるがいかがですか。おうかがいします。

 

5.次に文科省への、被害者連絡会からの要請について、教育委員会の認識について伺います。被害者連絡会では510日、文部科学大臣に次のことを求め「ワクチン接種副反応により義務教育を受けられないでいる生徒の状況についての調査要請書」を手渡しました。

1、 すべての小中学校、高校、専門学校、大学において短期及び長期の欠席などを繰り返している女子児童生徒に対して、HPV接種とのどのような関係があるかただちに全国調査を行うこと。

2、 全国の学校に教育委員会もしくは文部科学省を通じて、厚生労働省が収集している被害報告事例などを活用し、副反応の実態があることを周知させる。教師や学校には実態の多様性や未知の症例のあることを十分に自覚し、被害者への無理解な言動などで被害者の心的なダメージを強めることの無いよう注意喚起すること。

3、 全国各地で学校に通学できなくなっている女子児童生徒に対する教育的な措置を徹底させること。体調を見ながら、闘病先での補講について最大限の配慮をするよう学校に注意喚起し、その指導遂行の制度の創設を検討すること。

 大臣からは積極的に取り組む旨の返事がありましたが、このことに関連して以下、質問します。

 教育委員会はこれをどのように認識しているか、他の委員からも言及されましたが、再度伺います。

 また、要請にもとづき、文部科学省から何らかの通知があったのか伺います。

文部科学省からの通知の有無に関わらず、学校からは副反応実態を知らせていただきたいと考えます。3月の予算特別委員会で、区内の副反応被害について、中学校の養護教諭及び学校関係者へ説明するよう求めましたが、その後どのように対応していただいたか伺います。

また、予算特別委員会では、副反応症状が多岐にわたり、未知の症例のあること、ワクチンの副反応と気づかないでいる被害者がいること、副反応についての無理解から被害者に精神的苦痛を与えてしまう場合があることを、教育委員会から教師に周知することも求めました。その後の対応についても伺います。

 杉並区はこのワクチンの導入時には中学校の入学の書類にお知らせをいれ周知するなど力の入れようだったと聞いています。被害が多く出ている今、中学校では教育機関の役割として、性教育、自分の体を守ること、大切にすることと合わせてこのワクチンの説明会を開いていただくよう要望いたします。

 

6.最後に相談窓口と支援体制について伺います。

被害者が一番に求めているのが治療の情報です。これがわからず多くの方が病院をいくつも渡り

歩くご苦労をされています。

副反応被害が起こったときには、どこで治療が受けられるかの情報提供、救済制度への申請手続き、また学校への連絡など一括して相談、支援を行うことが必要と考えます。         

私立中学校に通う生徒、高校、大学、専門学校で理解されず、また出席日数がたりなくなり留年や転校を余儀なくされる状況も起こっています。学校への連絡も相談・支援窓口が行える体制をとる必要があると考えるが、いかがか。

 

全国子宮頸がん被害者連絡会は杉並区の事例から始まり、その代表は、杉並区の今だに深刻な症状に苦しむ中学生ののお母さまがなさっています。杉並区は国の公費助成が始まる前から全国に先駆けてHPVワクチンを取り入れたことを考えると、他のどこよりもこの問題に真摯に向き合う責任があると考えます。被害者が一番求めているのはもとの健康な体に戻してほしいということです。でもいくら救済制度を作っても、治療方法がわからない中ではその願いはかなえられないのが現状です。

中学生のお母様はつきっきりの介護が必要で、時間のない中、国への要請や記者会見に出てきて現状を訴えています。それはこれ以上自分のような被害者を出してほしくないという御嬢さんや被害者家族の強い願いだからです。

東京・生活者ネットワークでは517日に厚生労働大臣宛に「HPVワクチンの接種事業の中断及び中止と副反応被害者に対する救済体制整備を求める要望書」を提出し意見交換を行いました。国がぜひこの要望にそって対応することを強く願っています。

 そして杉並区は、これ以上被害に苦しむ子どもを増やさないために、いま苦しんでいる人の側に立った独立した自治体としての判断が求められていることを申し上げ私の一般質問を終ります。