地方議会議員年金制度に関する全国市議会議長会のC案についての意見
2009年11月25日
区議会生活者ネットワーク
このたび、総務省が設置した地方議会議員年金制度検討会(検討会)から、制度存続に向けた見直し案(A案—掛け金引き上げ、B案—年金給付額の削減)、制度廃止案が提示されました。この案に対し、全国市議会議長会から提案されたC案は、年金受給額の削減はせず、現職議員の掛け金はそのままで、不足分は税金で埋め合わせるものです。そもそも検討会は、年金積立金が底を突いて破たんが2年後に迫っているということで設置されたものであるにもかかわらず、C案はあまりにも市民社会を知らない、市民感覚とは程遠い議員お手盛り案としか言いようがありません。私どもはC案に反対です。
生活者ネットワークは、現在の地方議会議員年金制度は、
① 受給資格は国民年金が25年に対して、議員年金は12年
② 12年に届かなければ5割〜6割戻るシステム、国民年金は25年未満なら掛け捨て
③ 公費負担率は国民年金では3割、議員年金では4割
④ 議員は議員年金のほかに公的年金とのダブル受給ができ、区議のほかに都議を務めればそれも受給(トリプル受給)できるが、市民は公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金)のうちの1つだけ
など、議員特権の最たるものであり、廃止すべきと考えます。
なお、廃止にむけては、年金受給者への給付金、有資格者の受給権、現役議員への返還金など、多くの解決するべき課題があることも事実です。国会・政府は、課題を早急に整理、検討し、地方議会議員年金制度の廃止や公的年金制度に合わせた通算・一元化の実現にむけた方向性を示すこと、そのうえで地方公務員等共済組合法改正を含む抜本的な制度改革を行うべきと考えます。
よって、議長会がこれらについて国に要望されるよう求めます。