円卓会議、開催される

外環道計画について国交省と市民が意見交換—のはずが

40年以上も前に都市計画決定された外環道。関越道から東名高速までの16kmが、地元の反対によって凍結状態になっていたものが、2001年に突然、大深度地下方式への変更方針が国と都から出され、事業化手続きの前段階に至っています。
環境面などから建設に疑問視する声があがるなか、沿線の練馬、杉並、武蔵野、調布、世田谷、狛江の生活者ネットワークが連携し、「外環ネット」を立ち上げ、市民と省庁担当者と国会議員がテーブルを囲んで意見交換をする場「市民政策円卓会議」を開催しました。

19日行われた円卓会議は、事前に市民の質問17問を国交省に提示したにもかかわらず、その答えは非常にお粗末でした。
大深度による地下水問題をたずねると、「大丈夫であると認識してございます」
では、その判断のもとになるデーターは、と聞くと「お出しできるものはございません」
データーはあるのかと訊くと、「・・・・」
40年前と今とは状況が変わっているため、基本的概念を出すべきというと、「・・・」
工事費1兆6千万円は経済事情でアップするか、と訊くと、「必要経費を積み上げていったものではないので、上がるかどうか・・・・」
積み上げではなくどう予算をたてるのか、と訊くと、「計算式がございまして・・」
どういう計算式かたずねると、「・・・・・・」

あまりの誠意のない回答に憤りさえ覚えました。これまで杉並中継所健康被害問題、交通バリアフリー法などの「円卓会議」に参加してきましたが、今回の会議ほど省庁の対応が悪いものはありませんでした。
 
しかし、同席した衆議院議員の保坂のぶとさんが、今回の市民と国交省のやり取りを「問題あり」とし、この円卓会議をコーディネートした参議院議員 大河原雅子さんと一緒に資料の提供を求めていくとしています。今後の国交省の姿勢を注視していきます。

沿線の各自治体では「地域PI」(地域別課題検討会)が開かれていますが、数回で終わることが多く、相変わらず「お上が下々の声を聞き置く」状況になっています。
住民はただ反対をしているのではありません。住民の心配する声を受け止め、住民が判断するに足る資料・情報を提供するのが省庁担当者の役割であると考えます。
生活者ネットとしても、引き続き資料の提供を求めていきます。 区議会議員 市橋綾子