今回のテーマは「善福寺川の水辺−川で遊べる公園をつくろう−」。
講師は山田清さん(人イエまちネットワーク代表)。「つなぎのデザイン」のお話から始まりました。語呂合わせが好きな山田さんですが、
①暮らしは「スジもの」…みちすじ、みずすじ、人のすじ
②「まち」は子どものワンダーランドか?!…関心、感心、歓心
③つながりは「ちっちっち」…血、地、知
なかでも「3つの“かんしん”が揃わないとまちは完成しない」という言葉に妙に納得しました。子どもにとって、まちは「関心」をひくものがあるか、「感心」することがあるか、「歓心」を表現できる状態にあるか—というものです。
まちに、この「かんしん」を整備することが大事だといいます。川は「関心」を持つまちの要素であるのに川に近づけないため、関心を持つことができない。社会教育の事業を受託して、松ノ木小学校を舞台に川に入る授業を企画した時の様子が紹介されました。
その時の写真を見てびっくり!善福寺川の上流は市街地で川の両岸には住宅がぎっしり、それに引き替え下流部は自然がいっぱい。それもそのはず、およそ10kmの善福寺川の半分から下流は都立善福寺川緑地公園、都立和田掘公園になっていて、公園の中を川が流れています。ですから、下流部は木々の緑が豊富で川がゆったり流れています。普通は上流の方が自然豊かなのがその逆です。
会場の参加者から、「善福寺川の人気のポイントは、善福寺公園、緑地公園、和田堀公園の3つ。ここから親水化を始めてほしい」という意見が出ました。
今回のパネラーとして参加した杉並区建設課長は「区としてはまず、安全、治水、そして親しみのもてる河川」と。まあ、そうでしょう。でも、親水化をしながら治水対策もできるはず。区が市民と協働ですすめている「水鳥の棲む水辺づくり」事業があります。できるところから実現させていきたいものです。
3年前に起きた善福寺川の洪水により、東京都の激甚災害特別事業として、都立和田掘公園の下流で護岸工事が行われています。川の脇にある区立済美公園も親水公園として改修されます。都のお金でつくる親水公園。もっと区は要望を出すべきです。雨による被害で始まった事業なのだから、洪水を防ぐイメージのもので役に立つものを配置すべきだと思います。たとえば、雨水貯留槽(新宿区の公園の地下には雨水貯留槽が埋設されています)、貯留タンク、雨水浸透ます、トレンチ、果ては手汲み井戸(委員会で質問したら建設課長は井戸を作る予定はないと答えていました)を。済美公園の計画は善福寺川の試金石ですね。 区議会議員 市橋綾子
写真 フォーラムの講師、パネラーのみなさんと 10/18