多重債務者問題

相談のスキルアップを目指して研修へ

世界は北朝鮮の核保有、6カ国会議、ミャンマーの軍政跋扈と日本人ジャーナリストの死、変わらぬイラク、イスラエル、パレスチナ問題など緊張がたえません。一方日本では首相のドタバタ交代劇で2週間の空白がありましたが、ようやく福田首相の下、国会の論戦が再会されました。衆参両院のねじれを利用して大いに議論してほしいものです。

さて私は今、岩手県の北上市で約1ヶ月間の研修をしています。東京で多重債務者の相談・融資の事業を始めてから約1年になりましたが、相談のスキルを磨くため、先輩格の岩手信用生協に研修に来ています。北上相談センターでは県南部地域をカバーしながら、江刺・水沢・花巻にも出張相談に出向きます。相談員6人がほぼ毎日4〜5人の相談を受けています。
相談は若い人からお年寄りまでいろいろな年代の方が訪れます。収入が18万なのに1000万円借りてしまった人(何でこのような人にこれだけ貸してしまうのだろうか)、毎月5〜60万円の収入を得ていた女性が、収入が半減したにもかかわらず、以前と変わらぬ消費をして借金が増えた。子ども3人の教育・結婚はどうしても自分でやり遂げたかったと涙を流しながら話し、解決策を提示するとパット顔が明るくなって、本当に相談してよかったと。相談員それぞれに特徴がありますが、いずれも、傾聴するという態度を大事にしています。

岩手の信用生協は岩手県下の市がすべて税を預託したお金を融資の基本にしています。なぜ多重債務者問題を税金でということが言われますが、これだけ多重債務の問題が多くなり、自殺や家庭崩壊、ホームレスなど社会問題となると、行政も力を貸して解決していかなければならないことは明白です。しかし、丁寧な相談や融資は行政では難しいということで民間が請け負っています。金融庁が始めた多重債務問題解決プログラムの実施を東京都でも始めようとしています。私たちのグループもその一助になればと思っています。
                       杉並ネット代表 藤田 愛子

写真 研修の合間に温泉めぐり