榊田さんはもと生活クラブ生協の職員で『生活と自治』の編集に携わり、いま同生協の組合員です。今回「ネットサロン」の講師にとお願いすると「それならこのテーマで」と早速お返事が来て、当日を楽しみにしていました。
「農」と「食」の距離が開いて食べ物の背景が見えなくなっていること、家庭のなかでの食の優先順位が低下していること、などは先日聞いた「CSまちデザイン」の近藤惠津子さんの話にもありましたが、頭では「国産志向」だが実際には「輸入食材依存」が拡大している、という指摘にはうなずかざるを得ません。
「国産」の拡大をというなら、加工品でなく食材から、生産地を確かめて購入しなければならないのに、実際は逆の方向に進んでいます。この流れを変えるには「自分でつくるほうがトレンド、おしゃれ♪」という風潮を造るしかないのでは、という話になりました。
食材ではなく手間にお金をかける消費者。そのどんどんわがままになるニーズに応えるため、外食産業、食品製造業、輸送業にかける支出は、日本人が1年間で食にかける支出80兆円のうち、なんと65兆円に上るのだそう!
その一方で、2000年に290万戸だった農家は2010年にその4割にまで激減するだろうと絶望的な試算がされています。しかし高齢化と後継者不足を農業問題でなく消費者問題として考える視点が必要だと榊田さんは言います。
榊田さんが最近『生活と自治』でこの問題を取り上げた記事では外国人労働者が増えている現状について書いておられます。「食のいま」を論じるとき国際問題を避けては通れなくなったということでしょう。
区議 小松久子