第1回定例会一般質問と答弁 そね文子 2019.2.15

「区立施設の省エネ性能を高め、自然の恵みを活かす取り組みについて」

Q1..施設の長寿命化を図り長期的に活用していくために、建物の効率的なエネルギー性能の優先順位の考え方を参考に、断熱・気密性を重視し、エアコン台数や稼働時間を最小限に抑えることで効果的なトータルコストの施設建設を進める必要がある。区の見解を問う。

A1.断熱性・気密性の高い施設を建設することは、空調効率化の向上によるランニングコストの抑制に加え、CO2の削減にもつながり重要なことと認識している。現在改築中の学校や設計中の区立施設においても断熱性のあるサッシを採用するなど、断熱性・気密性を考慮した施設づくりを進めている。しかし、断熱性・気密性を過度に追い求めればイニシャルコストが増大することになり、結果的にトータルコストが高くなる可能性がある。施設の用途や規模、使い方に応じて、断熱性のある資材や空調設備等を適切に採用し省エネ化を図ることが重要である。今後の施設建設においてはイニシャルコストとランニングコストのバランスを図りながらトータルコストを抑える効率的な施設づくりに取り組んでいく。

Q2.太陽光発電は都会で唯一発電できる仕組みであり、災害時の電源確保にもつながる。普及啓発の意味でも公共施設に太陽光発電を設置していくべきと考える。その際には発電状況などを見える化し、区民に再生エネルギーの取り組み状況が学べるようにしてほしいが区の見解を問う。

A2.太陽光発電の設置には維持管理も含めたコストや設置場所の確保など、区の全施設に設置することには課題がある。昨年竣工したウェルファーム杉並や現在建設中の桃井第二小学校や高円寺学園には設置する予定である。太陽光の発電状況については当該施設のロビーや昇降口などにモニターを設置し、発電量等をグラフや画像で分かりやすく表示することで見える化に取り組んでいる。

Q3.阿佐谷地域区民センター等複合施設については、光熱水費を抑制するため、建物の省エネ性能を高める視点をもって設計を見直すべきと考える。具体的には断熱・気密性を高めること、樹脂サッシの採用や庇やルーバーの設置を検討すべきと考えるが区の見解を問う。

A3.阿佐谷地域区民センター等複合施設は現在工事に向けて実施設計を進めているが、構造が鉄筋コンクリート造に加えて複層ガラスや部分的に二重サッシを採用するなど、断熱性・気密性を高めることを考慮しているが、引き続き庇等の設置も含め、コストや効果のバランスを考慮したうえで適切な省エネ対策に努める。

Q4.東京都は公立学校の体育館の空調設備と断熱改修に補助金を出すと聞いているが具体的な内容はどのようなものか。

A4. 都が新たに創設した補助制度では、国の上限額に都が独自に補助を上乗せし、その分を都負担、国庫補助相当分についても都が追加補助するものだ。この補助金は空調設備設置及び関連工事を対象としている。関連工事の具体的めメニューは示されていないが、断熱改修は関連工事として認められると考えている。

Q5.2012年にエコスクール事業検討委員会がこれまでの取り組みと今後のエコスクールのあり方を報告書としてまとめたが、これが杉並版エコスクールの考え方と方向性を示すものと考えてよいか。エコスクールの考え方や目的に賛同し、進めてほしいと考える。取り組みの進捗状況と報告書を継続的に出すなどして積極的に取り組んでほしいがいかがか。エコスクールメニューの中で現在設置が行われなくなった設備があるが、以前設置されたクールヒートトレンチやナイトパージなどは最適な形で使われているのか。現在ある絶日は最大限に活用して省エネに努めてほしいが、現状を確認したい。エコスクールメニューの中に雨水利用が入っていないのはなぜか。メニューに加えるべきと考える。また太陽光温水器は学校給食室の給湯において効率がよく安価で有効な設備であるがメニューにないのはなぜか。メニューに加えてほしいが見解を問う。

A5.杉並区版エコスクールが平成13年度に開始し、事業の目的や方針を示すものとしては平成24年度の報告書が最新のものである。取り組みの進捗状況については、屋上等の緑化、バルコニーによる日射遮へい、断熱・複層ガラスの導入、太陽光パネルの設置等、近年の改築校については着実にエコスクール化を進めてきた。今後も費用対効果を検証しながら改築を機にさらに推進していく。クールヒートトレンチ等の設備の有効活用については、空調設備の負荷軽減などに一定の効果が得られるものについては適切な維持管理のもとに運用している。エコスクールメニューに関して、雨水利用はメニューにはないが平成2年度から渇水対策として改築校に導入しており今後も継続していく。太陽熱温水器の給食室での利用については、短時間に大量の給湯を必要とすることから、太陽熱のみで賄うことができず、通常の給湯設備も併せて必要となり費用対効果の観点からエコスールメニューになじまないものと考える。

Q6.小中学校では教室の窓や扉を開けたままエアコンを使うなど、省エネにならない使用を目にする。体育館にエアコンを設置した後の運用については温暖化防止のための配慮が必要と考えるが見解を問う。

A6.エアコンの運用にあたっては、日々の温湿度などの気候条件に応じた利用を心掛け、必要最低限の使用に努めるとともに、随時カーテンの使用、出入り口や窓の開閉など適切な使い方について学校と協議の上、新たなエアコン運用手続きを定めるなど、省エネに配慮した運用に取り組んでいく。