実際に足を踏み入れてみて、冷戦が終了している世界において置いてけぼりになっている両国の現実を知った。海兵隊や陸軍の検問はあるが、民統線の内部でありながらも遊園地化している西部地域、兵隊の監視下のもとで見学し、カメラも原則禁止などの東部地域など、まさに停戦というよりは一時休戦という両国民にとって同一民族だけに厳しい現実がある。また、車や人が通るくらいの道幅は地雷が撤去されていたが、その外側は地雷原で侵入が禁止されている。鉄製爆弾は耐用年数が50年ということだが、プラスティック爆弾は判らず、今でも地雷処理ができていない。
今回招聘してくださった日韓市民フォーラムの韓国側はこのような中でも、江原(カンウォン)道と麟蹄(インジェ)郡・瑞和(ソファ)の民間人出入統制線(民統線)内外30万坪にこの非武装地帯(DMZ)付近の地雷地帯を、自然探検コースである「平和生命園」を建設することを実現した人たちである。
ただただ重い現実があり「何を私たちに求めたいのだろうか」、「私たちはこの現実を知って何ができるのだろうか」と4泊5日ずっとそれだけを考えた旅だった。最後に参加者一同で共同声明を発表し韓国メディアに発信した。(詳しくは10月ネットサロンで報告予定)
杉並・生活者ネットワーク 代表
藤田 愛子