「杉並の議会改革度」日経新聞ランキングで都内7位

とはいえ発展途上です

日経新聞が全国の810自治体を対象に議会改革度を調査したところ、杉並区は都内で7位とされ、同紙に掲載されました。情報公開、住民参加、議会運営について設定した81項目の合計点だそう。都内1位は町田市です。

調査の詳細がわからないので論評はできませんが、町田市が高く評価されている、本会議と委員会全議事録のネット公開、本会議のインターネット中継、請願した市民が委員会で説明する制度、などは杉並でも実施ずみです。

3位の三鷹市がネット公開している政務調査費の使途は杉並では未実施なので、区民は区議会事務局の窓口でしか見られません。2位の多摩市で義務付けられている市民向け議会報告会は、杉並では以前一部議員の間で話題になったものの、それきりです。

というのは一時、議会基本条例の制定をめざして意思ある議員どうし会派を超えて自主的な学習の場を持っていたことがあったからです。ところがこの会は、1年ほど続いたのち会派ごとの思惑の違いから閉じることになってしまいました。

そのかわり、昨年の選挙後の新生議会において議会改革特別委員会が設置され、議員同士の議論の場として他の委員会とは趣を異にしています。とはいえ、先ごろ話題になっていたのは「いま規則で禁じられている傍聴者の拍手を認めるか否か」—というくらいだから、現実には未だ発展途上です。

そんな中で、自慢するようですが我が会派「生活者ネット・みどりの未来」がいろいろに仕掛けてきた議会改革の芽は、少しずつ形を成してきていると自負しています。たとえば藤本なおや議長の提案で設けられた新ルール。

少数会派の質疑・意見表明の場が拡がり、議会広報紙での扱いも大会派と公平になって以前とは比較にならないほどです。ついこの4月からは、議案に対する議員ごとの賛否がネット上に公表されるようになりました。議長手当の減額を議長自ら提案して決めたのも、「議員特権は廃止すべき」を訴えてきた私たちの存在がなければおそらくなかっただろうと思います。

そう考えると、新たな提案をするたびに大会派の面々から怒号を浴びせられても、これが前に進む布石になれば、と次への勇気がわいてくるのです。とはいえ、実現させるための「現実的な手法」を駆使することにも、これからは頭を働かせねばなりません。   区議会議員 小松久子