食の安全を事業者・消費者・行政がともに考える討論会

2011年11月12日 14時11分 | カテゴリー: トピックス

ユッケよりも危険なレバ刺し、それでも食べますか?

 牛生肉をゴマ油や調味料で味付けしたユッケ
牛生肉をゴマ油や調味料で味付けしたユッケ
杉並保健所の食の安全に関する取り組みは、事業者・消費者・行政がともに食に関する問題を討議する隔月の意見交換会と、年一回秋に行われる討論会が10年来続けられています。これはリスクコミュニケーションといわれるもので、三者の立場からの意見を出し合いともに考えていこうというものです。

11月3日、「食肉の生食を考える−リスクがあっても食べますか?」と題して今年の食の安全を考える討論会が開かれました。

基調講演は国立保健医療科学院の豊福 肇さん生食肉の規格基準を作る委員会の座長を務められた方です。また、これまでの食中毒についてとO157とは何かということを、都健康安全研究センターの甲斐 明美さんが、わかりやすく解説しました。加えて消費者庁食品表示課の方と食肉事業協同組合の専務理事がパネリストとして参加し、討議が厚くなりました。

講師のお話とそのあとの討論会での論議でわかったこことは以下のとおりです。
◇富山などで起こった焼き肉店のユッケによる死亡事故を受けて素早く6ヶ月間で厚労省が生肉の規格基準を作ったこと
◇新基準対して食肉業界卸しや小売店が対応に戸惑っていること−肉を密閉包装して表面から1センチの深さを60度のお湯で2分以上加熱するというが、実際上とてもあいまいな加熱措置であること
◇家庭で調理するときも、ハンバーグやサイコロステーキなどは中まで完全に加熱することが必要
◇屠畜の際に内臓を取り除く過程で、微生物が肉に付着することがありうること、肉が新鮮だから、生でも大丈夫というのは大きな誤解で新鮮な肉や内臓に病原性大腸菌が付着している
◇リスクの高い内臓と鶏肉に対する対策がまだ定まらないこと
◇ギランバレー症候群の原因の30%はカンピロバクターによること
◇20年前まで日本には存在しなかった病原性大腸菌O111や0157は今や日本全国に拡散している

講師も保健所も「ものを食べて健康被害をおこしたり、命を落とすのはあってはならないこと」という確固たる思いをもって真剣に対策を講じているんだということが伝わってきました。

今年の討論会の企画段階で、消費者として放射能と食品の問題を取り上げることを主張したのですが、保健所の強い意向があり生肉の危険性をテーマに行うことになった経緯があります。生肉の規格基準が発表されたこの時期に、タイムリーに、しかも食肉事業協同組合の方も参加して討論会が行われたことは有意義でした。
ふりかかった大きな厄災に気を取られ過ぎて、ほかにもある重要な課題がないがしろにされることがないようにという教訓とも思えます。   杉並ネット会員 佐々木庸子