女性差別撤廃条約 — 日本が批准して25年、今もなお新しい 

2011年1月22日 20時28分 | カテゴリー: トピックス

「子育て・介護は社会のしごと」の源流がここに

杉並女性団体連絡会の新年懇親会
杉並女性団体連絡会の新年懇親会
女性の視点で長く活動を続けている杉並女性団体連絡会の新年懇親会が1月19日開かれ、女性差別撤廃条約を学びました。講師は近江美保さん(東海大学・神奈川大学非常勤講師)。

1979年国連総会で採択、25年前に日本が批准したこの条約は「世界女性の憲法」と呼ばれ、186カ国が締結しました。その中心理念は固定化された男女役割分担観念の変革です。

子育てに積極的な「イクメン」が増加しているとされる時代、男性も女性も子育てをし、そして社会が子育てを助けるという流れは今後おそらく変わらないでしょう。その底辺にあるのがこの条約で、前文には「子育ての社会化」がすでに明記されています。生活者ネットが掲げているスローガン「子育て・介護は社会のしごと」の源流はこの条約にありました。

しかしいかに条約が素晴らしくても、締結国がその義務を果たさなければ意味がありません。国連に設置された女性差別撤廃委員会が締約国のNGOから男女平等の実施情報を聞きとった上で、その国からの提出レポートを検討し政府に勧告をするしくみは、「子どもの権利条約」とも似ています。

講演の冒頭で上映されたDVDでは、09年に日本のNGO 45団体(女性の雇用、民法改正、DV問題に取り組む団体など)がニューヨークの国連で行った委員会への報告と、これを熱心に聞きとった委員会と日本政府代表団との対話のようすが映し出されました。

条約に照らしてみると、「ことを荒立てないで自分が我慢すれば」と女性が収めてきた男性との関係は、全く違う様相を呈してきます。恋人に対する暴力「デートDV」の具体例として、「他の男と話をするな」と恋人に携帯で始終連絡をする、暴力で支配する関係しかできないなど、殺伐とした状況があります。
世の中にあふれる商品化された「性」には、相手と自分自身を尊重し、高め合う関係はありません。多くの女性がパートナーとの関係を見つめなおし、より幸せに生きていく要として女性差別撤廃条約の理解が進めばきっと社会は変わっていくと思います。  
        杉並・生活者ネットワーク事務局長 塚原 彩子