天沼、本天沼地域の施設再編に対する意見を発表しました 意見全文をご覧いただけます

意見発表 2023.6.19 そね文子

議案第37号杉並区立コミュニティふらっと条例の一部を改正する条例について、区議会生活者ネットワークの意見を申し述べます。

この条例は施設再編整備計画に基づき本天沼、天沼地域における区民集会所とゆうゆう館の機能を本天沼集会所とウェルファーム杉並の3階にある消費者センターの教室に移し、本天沼集会所をコミュニティふらっと本天沼に転換していくというものです。区民の集会施設が当初計画のスケジュールではゆうゆう館が全く使えない期間が発生することや活動場所の確保が難しくなるのではないかとの地域住民の不安や懸念はもっともなことだと思いました。

私たちは施設再編整備については、保育や学童保育需要の高まり、超少子高齢社会を迎え長期的に起こる税収減と社会保障費の増大などの財政的な課題から必要な計画だと理解しています。その上で、実行に当たっては個々の地域性も鑑みながら判断していくことが必要だとも考えています。今回の本天沼・天沼地域については、当初のままの計画であれば私どもも賛成しがたいと考えましたが、昨年の11月の説明会で出された住民意見を区は受け止め、一旦立ち止まり、計画の見直しを行い、設備の充実、スケジュールの変更等改善を図ってきたと認識しています。11月の説明会の段階で示されたウェルファーム杉並の3階の消費者センターの教室を一般区民が利用できるようにしたことに加え、その後、町会などの公共性のある活動には4階の区の会議室の利用ができるようにしたこと、スケジュールを後ろ倒しにしたことで、ゆうゆう館の空白期間が解消されたことやコミュニティふらっとに防音設備が整った部屋を整備すること等の具体的な改善策が示されました。

今回の計画は様々な要素が絡んだものであるため、もし、条例案が否決された場合に児相の開設や就学前の障がい児の相談場所の確保などに支障をきたすことになります。また、移転を前提にパピーナ保育園を選んだ利用者にとっては、すでに移転時期が1年先延ばしになった上に、さらにそれ以上の約束をたがえることは避けるべきだとも考えます。

但し、残る懸念はコミュニティふらっと本天沼のラウンジの位置が区民の方からも指摘されている通り、事務所から死角になっているということです。多世代が交流できるスペースとして運営スタッフが目配りや働きかけがしやすい形になるよう、設計についての再検討を求めます。

私たちは、市民が活動する場所の確保を区立施設にのみ求めるのではなく、民間の地域資源を活用することもあってよいのではと考えます。これから設計・建設に入るパピーナ保育園の新園舎に地域住民も使えるスペースを設けられないか、区もその交渉にあたってほしいと考えます。また、特別養護老人ホームフェニックス杉並の地域交流スペースが一般に開放されていることを知らない区民も多いため、その周知を行うことも求めます。また都営住宅のような公的な建物では、その中にある集会所を地域に開放することを、区が働きかけることも検討いただだきたいと思います。今後、コミュニティふらっと本天沼の運営について継続的な意見交換の場として地域懇談会が設置されましたので、最初から100%ではなくても、少しずつ前に進めながら対話を重ねて改善につなげ、区民がより満足できる形をつくりあげていただくことを要望し、議案には賛成いたします。