「政治とカネ」に特化した時限的政権交代はどうか

立憲民主党の代表選に続いて9月27日、自民党の総裁選が行われた。過去最多の9人が出馬し、異例の混戦となったが27日投開票され、決選投票の末、石破茂元幹事長(67)=無派閥=が高市早苗経済安全保障担当相(63)とわずか21票差で逆転勝利した。

自民党員でもなく投票に参加できるわけではないが、首相を選出する総裁選は大いに注目していた。

しかし、この期間中、9人の候補者たちは30年間の経済停滞を反省するわけでもなければ、安倍政権時代の不祥事には顧みることなく、裏金問題の根本的な解決策としてまず考えられる企業団体献金の禁止に踏み込むことなく、旧統一教会の問題も政治家との癒着構造を明らかにしようとする意志は見られず、私たちが聴きたかった議論は全くなかったと言ってよい。

この後にやってくる衆議院議員選挙の顔としての総裁選びだったようだ。直近の問題、3年後5年後の日本をどのように描いているのかの展望がなく、将来への不安から政治に対する不信が続いているのだと思う。

この際、野党も裏金問題など「政治とカネ」の問題だけに特化して共闘し、来る総選挙を戦うことはできないものだろうか。そのために2年間だけ時間をかけたい、と政権交代を訴え、この問題に対処するのはどうだろう。

一点だけで野党が一致団結し集中的に課題に取り組む。そういう政権があってもよいと思うが。(杉並・生活者ネットワーク代表 藤田愛子)