安定を求めた結果が与党圧勝なのか

衆議院議員選挙戦で立憲民主党吉田はるみ候補を応援する(左から)そね文子、奥田雅子、小松久子

総選挙が終わった。これだけの問題がありながら、なぜ与党圧勝なのだろうか?

解散に大義なしと言われているが、自分が勝てると思ったときに解散権のある首相が決めるのだから、カケ・モリ、自衛隊日報隠しであろうともそれが大義でしかない。しかし、それを認めるのか?

「消費税10%の使途を問う、借金から全世帯型社会保障へ、特に子どもへの支援を強化。北朝鮮への対応について危機克服への民意を問う」というのが解散時の安倍首相の発言であった。少子高齢化はいつから始まったのか、高齢者中心の支援では次世代へ繋いでいくことが難しいことは今までわからなかったのか。人口減少はいつから問題になっていたのか、それすらも把握していなかったのか。

いや、目の前のことしかやろうとしてこなかったのだ。

北朝鮮有事が問題なら選挙などやっている場合ではないだろうに、この期間はミサイル発射をやめてもらうよう頼みこんだのか。

18~20歳の若者は就職が順調でアベノミクスの恩恵を受けているという。だから今のままを続けてほしいと。2020年のオリンピック終了後や10年先の状況をどのように考えるのだろうか。国の方向性を示せない中での安定性は見えるのだろうか。

いずれにしても腹立たしい限りだ。

もちろん野党がだらしないということに尽きるが、今回はいろいろな意味での試みがなされた。結果的には失敗に終わったが、自民一強を倒す試みがされたことは評価に値すると思う。

立憲民主党の設立は明快であったが、当杉並区では野党が分散して立つようでは自民党に勝てないのは明らかだ。

枝野代表の「右でも左でもなく前へ」という言葉は、石原知事就任時にわが会派、生活者ネットワークへのあいさつのとき、知事が「ネットは左ですね」と言われたことへの私の返答と全く同じだ。右でも左でもなく、前へ。下からの民主主義を実践してもらいたい。

安保問題については、個別的自衛権でできること、自衛隊の現状での働き方で、できることとできないことは何か。北朝鮮への圧力をかけてその後の展開は。教育の無償化は憲法改正でしかできないのか、など。アベノミクス関連では今後の日本の技術開発戦略(モノのインターネットIoTやエネルギー問題、電気自動車への転換…)など議論することが山積みだと思う。

生活者ネットワークも地域で議論する場を作っていきたいと思う。(杉並・生活者ネットワーク代表 藤田愛子)