子ども手当と高校無償化見直しについて
民主党政権時代に子ども手当としてすべての子どもに月額最大1万5千円が支給されていた。しかし、安倍政権になって民主党政権が行った施策をすべて見直そうとばかりに、この子ども手当や高校の無償化の見直しがされ所得制限が導入されることとなった。
この所得制限により、とんでもない状況が起きている。私の勤めている「生活サポート基金」事務所の隣に私学助成を行っている公益法人があったが、今年の5月に引っ越しをした。ずいぶん広い事務所であったが手狭になったという。理由を尋ねると、公立高校の無償化制度に所得制限が導入されたために私学助成もそれに準ずることになったということで、さらに多くの職員を雇わなければならないとのこと。民主党政権でも所得制限を考えたがあまりに事務作業が煩雑で一律にした方が効率的ということであった。そう、事務量が増えるばかりで肝心の手当てがその人件費に消えてしまっているのだ。
また、高校生の子どもが年子でいたり、双子だったりすれば、所得が高くてもかかる費用は大変な負担となるがそれを考慮するとはされていない。生活サポート基金へ来所する経済的な問題を抱えた相談者にとっても、0歳から15歳までの扶養控除は削減されているし、今の所得制限を嘆く方が多くいる。
親の収入に関係なく「子どもは社会で育てよう」とするならば、所得制限を設けることがその趣旨にかなったことかどうか、自ずと答えは明らかだ。 (生活サポート基金 藤田 愛子)