2020年オリンピック開催地 東京に決定

ブエノスアイレスで開かれていた国際オリンピック協会総会で、「2020年東京開催」が決定しました。生活者ネットワークは東京招致に反対してきましたから、祝勝ムード一色の報道には違和感をぬぐえません。

 反対の理由はいくつも挙げられます。東京開催の意味が見いだせないこと、無駄な公共事業を誘発させる懸念、3.11被災地の復興や原発問題への取組みを優先すべきであること、オリンピックは「まだ一度も開催していない国」で開催するほうが望ましいこと。

 とくに原発問題に関しては、高濃度の放射能汚染水が2年前から海に流出していた事実が明らかになった7月以来、チェルノブイリ事故を経験し放射能汚染に敏感なヨーロッパ各国で、ことの深刻さが捉えられてきました。

 安倍首相はIOC総会で「汚染はコントロールされている」として安全を強調しましたが、開催地に選ばれたことがすなわち「安全性の信認」との思い込みは間違いです。むしろこれを契機に、政府は汚染水だけでなく放射能被ばく問題そのものについて本気で取り組まなければなりません。

 2020年オリンピックは7月24日開会、8月9日閉会と予定されています。パラリンピックはその後です。東京の7月から8月といえば、猛暑の季節。2020年夏が今年のような酷暑だったら、多くの人の命にかかわります。この問題にも都は真剣に取組む必要があります。

(都議会議員 小松久子)