第4回定例会質問と答弁 2012.11.20 小松久子
【Q】 ● 児童相談所と子ども家庭支援センターについてそれぞれの役割はどのように整理されているのか伺う。
【A】 区の子ども家庭支援センターは、児童に関わる相談・通告の第一義的な窓口を担い、相談を受けて必要な援助を行っています。その中で専門性の高い困難事例は、児童相談所が対応します。こうした役割分担のもと、相互に連携しながら個々の事例へ適切な対応を図っていきます。
【Q】 ● 区内で起きた里子死亡事件をうけ、今年1月に都の児童福祉審議会が児童相談所の体制・機能強化や、子ども家庭支援センターとの連携強化などを提言したが、その後の対応状況について伺う。
【A】 都は今年度から、全児童相談所に里親支援の専任職員を配置するとともに、民間の専門機関を活用し、里親を訪問して必要な支援を行う事業を拡充する取り組みに着手しました。
また、児童相談所から子ども家庭支援センターに対して、本人同意を得た上で、養育家庭に関する情報提供を行うことや、養育家庭との連絡会に子ども家庭支援センター職員が参加することをルール化し、児童相談所と子ども家庭支援センターとのより一層の連携強化が図られています。
【Q】 ● 本区の里親制度の登録数・委託数が他区に比べ多いと聞くが、直近の状況を伺う。
【A】 現在登録している養育家庭数は20家庭、委託家庭数は11家庭、また、委託児童数は12人です。
【Q】 ● 家庭的養護は都の制度であるが、基礎的自治体である区は里親家庭の実態・実情を把握し、必要な支援を行っていくべきと考えるが区の見解を伺う。
【A】 里親制度に関する直接的な相談・支援は、制度の実施主体である都において行うべきです。
その上で、区が実施している子育て支援サービスに関する情報を、児童相談所を通じて里親家庭への周知を図り、必要なときに必要な支援サービスを利用できるように努めます。
【Q】 ● 児童相談所の区移管について、進捗状況を伺う。
【A】 本年2月に、都区のあり方検討委員会とは切り離す形で、都と区の関係者による「児童相談所のあり方等児童相談行政に関する検討会」が設置され、現行の役割分担の下での課題及び対応策と、児童相談行政の体制のあり方について、検討が進められています。
この間、都と区の課長級を中心とした部会が5回開催され、双方からの課題の検討が続けられており、本年12月を目途に検討会において、それまでの検討内容を確認します。
【Q】 ● 乳幼児の社会的養護については、国連の提言でもあるように、100%家庭的養護とするべきと考えるが、区は乳幼児の家庭的環境での養護の重要性をどのように認識しているか伺う。
【A】 乳幼児期は、人格形成のための大切な時期であり、心身の健全な発達を促すためには、ご指摘のとおり、可能な限り家庭的な環境のもとで育成することが重要です。
なお、厚生労働省も、こうした考えから平成25年度予算の概算要求の中で、児童養護施設等の小規模化や、地域分散化を推進することにしています。
【Q】 ● 都のフレンドホーム制度について、都内の登録家庭数について伺う。
【A】 平成23年度末現在で、508家庭が登録されています。
【Q】 ● 区としてもフレンドホーム制度の普及に努めるべきと考えるが見解を伺う。
【A】 様々な事情により児童養護施設等で生活している子どもたちの健やかな成長を図る観点から、学校が休みの期間を利用して、普段経験出来ない家庭生活を体験することは、大変貴重な機会です。
そのため、区では、子ども家庭支援センター等を通じて、本制度を紹介するパンフレットを配布することで、周知を図り、今後も機会を捉えて普及に努めていきます。
【Q】 ● 南相馬市など被災地の子どもを対象とする区民の活動に対し、区はどのような支援や後援をしてきたか。
● 区民が行う被災地の子どもの支援活動を、区は育て推進すべきと考える。見解を伺う。
【A】 3.11大震災以降、区は福島県南相馬市に対し、区民並びに事業者の皆さんとともに、被災地の復旧・復興に向けて、全力で取り組んできました、また、区民の皆さんが自主的な取組として、東吾妻町へ避難していた南相馬市の子どもたちへの文具一式の寄贈、また南相馬市と高円寺の子どもたちの東京での交流会の実施、さらに福島県の子どもたちを区の施設「富士学園」へ招き、「福島の子ども保養」などの活動を行ったことは十分承知しています。区は、こうした区民の自発的な活動に対し、必要に応じ現地等との調整を図り、また教育委員会では後援を行いました。
先月は、区民の皆さまと共同で、南相馬市の中学生を区に招いて杉並区や台湾の中学生との交流親善野球を行ったところです。区民の皆さんの被災地の子どもたちに対する自主的な支援活動がさらに広がっていくことを期待し、今後も引き続き、区も、必要に応じた支援をしていきます。
【Q】 ● 不登校の子どもの数は増加傾向と言われているが区内の不登校の子ども数の推移と不登校の主な原因、またそれに対する区の見解を伺う。
【A】 平成23年度は、小学校65人、中学校174人で、平成18年~19年度のピーク時と比較すると減少傾向にあります。不登校のきっかけで主なものは、情緒の不安定が最も多く、次に、無気力、親子関係や友達関係をめぐる問題です。要因は様々ですが、個々の状況に応じた支援が大事ですから適応指導教室への通室やふれあいフレンドの派遣、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる相談支援等、不登校対策の取り組みを進めています。
【Q】 ● フリースクールなど学校以外の学びの場に通っている区内の子どもの数、及び、区内のフリースクールの数を把握しているのか伺う。また、区との連携や交流はあるのか伺う。
【A】 平成23年度の状況は、通所者数は小学生1名、中学生10名です。また、区内のフリースクール数は3ケ所で、区外の3施設へも通所しています。
フリースクールとの連携は、必要に応じて通所している児童・生徒の支援に関する相談等を通じて図っています。
【Q】 ● 今年度から開設された小学生対象のステップアップ教室の開設に至る経緯、及び、取組についての区の評価について伺う。
【A】 不登校対策として、中学生対象の適応指導教室は整備されていますが、小学生への対応が課題となっていたところ、南伊豆健康学園の閉園を契機に、その代替策の一つとして中央図書館に小学生対象の適応指導教室「さざんかステップアップ荻窪教室」を開設しました。現在、13名の児童が登録しており、内1名は学校へ復帰しています。子どもの状況は様々ですが、不登校の児童が家から一歩出て、通室することで自信を育み、学校へ復帰できるようきめ細やかな支援に努めています。
【Q】 ● フリースクールに対する区の見解を伺う。また区内のフリースクールや区内の子どもが通うフリースクールへの支援などを検討すべきではないか。
【A】 フリースクールは様々な状況にある不登校児童の居場所の一つとして、その役割を担っています。今後も、不登校児童への支援について、情報交換等の連携を図っていきたいと思いますが、フリースクールへの財政的な支援については考えていません。