東京・生活者ネットワークは、 脱原発を掲げる宇都宮健児さんを“支持”し、都知事選を闘います

小松久子(中央)その右が藤田愛子代表 ある日の会議の前のひとこま

昨年3月11日に発生した東日本大震災と、続く東京電力福島第一原発事故がもたらした放射能の影響は東日本を中心に全国に及び、私たちの暮らしを一変させました。この震災をきっかけに、私たちは何を大事にし、どのような社会をめざすのか、本当の豊かさとは何なのかを問い直す局面に立たされています。人任せ、政治家任せ、特定のオピニオンに流されるのではない、ひとりひとりが自身で考え、行動し、そして市民同士が熟議し、決めていく「自治」の力と「民主主義」の深化が、そのあり様が今まさに問われている、と東京・生活者ネットワークは考えます。

 「脱原発」「大事なことは市民が決める」を活動方針に掲げる東京・生活者ネットワークは、市民グループによる「原発稼働の是非を問う都民投票条例制定を求める」直接請求に賛同し、ともに取り組んできました。原発立地地域ではない、電力消費地である東京で「原発」の是非を問う住民投票が実現すれば、原発問題を都民ひとりひとりが自らの問題として考えるきっかけとすることができる、電力消費地に暮らす受益者こそが「原発」稼働の是非を決めて、その結果に責任をとるべきだと考えるからです。原発安全神話が瓦解・崩壊した今こそ、原発ゼロのエネルギー改革を実現にむけなければなりません。さらに今後何十年、何百年にわたる放射能汚染問題に、しっかり取り組んでいかなければなりません。 

10月25日、任期途中で辞任を発表、都政を投げ出した石原前都知事。新銀行東京の後始末やオリンピック招致、汚染された豊洲への市場移転問題など、強引に推し進め中途半端なままで投げ出した問題は数知れません。3.11東日本大震災を天罰と言い放ち、32万筆以上の署名を集めた「原発の是非を問う都民投票条例直接請求」では、脱原発の声はセンチメントと切り捨て、都民の意思を封殺。尖閣諸島取得発言と一連の行為は、経済産業、文化交流に多大な影響を及ぼし、中国はもとより東アジア地域の紛争の火種ともなっており、その責任は重大です。

 東京・生活者ネットワークは2012年12月16日に行われる第18回東京都知事選挙にむけて、政策の柱に「原発のない社会へ―東京から脱原発政策をすすめる」を掲げ、「福島第一原発の電力を最大限使用してきたのは東京都であり、東京電力の大株主は東京都である。東京は福島の原発事故被害者の支援に大きな責任があり、東京が脱原発の都政をつくっていく責任がある」と訴える、宇都宮健児さんを「支持」することを決定し、都知事選に臨みます。

 大量消費・大量廃棄型の産業構造が行き詰まり、経済のグローバリズムが格差社会の進行に追い打ちをかけています。原子力からの撤退を一日も早く実現し、少子高齢社会が現実のものとなった今こそ、生活する都民の立場にたった都政運営への大転換が切実に求められています。ローカルからオルタナティブな政治をつくることが私たち、生活者ネットワークの実践です。東京を真に市民が自治するまちに変えていくために、市民政治が息づく都政に変革するために、確かな目で都知事を選んでいくことが、有権者ひとりひとりに問われています。

2012年11月20日

東京・生活者ネットワーク