生活者ネットワークがサポートし幼児を持つ母親たちを中心に始まった区内の放射線計測を求める請願署名活動は3週間で4015筆を集め、区民からの不安の声や要望が寄せられた結果、区は6月3日、区議会第2回定例会で提案する補正予算に放射線量計測のための経費を計上すると発表しました。
それを受け、6月13日に始まった定例会では、そね文子が「子どもを放射能から守る取り組み」について放射線測定と給食という観点から一般質問を行いました。計測をした後には、区が専門家や医療関係者などさまざまな立場の方をふくめた学習と意見交換の会を区民のために開いてほしいと要望しました。また給食については、食品の放射能に対する日本の暫定基準値が国際的に見て非常に甘いということを示し、安全に配慮するよう求めました。
区は、区内5か所でのプールの水質検査、区内を東西南北に分けて、それぞれから砂場1ヵ所と校庭1ヵ所の土壌の検査と、同じ地点の空間線量を地上1cm、50cm、1mの高さで計ることを発表しました。
さらに区内のすべての保育園、子供園、幼稚園、小中学校、191か所の空間線量の測定を行うことを決定しました。また一般質問で求めた区民への説明会と専門家医療関係者、保健所職員がパネラーとなってシンポジウムを行うことも決まりました。また、給食に出される牛乳についても、製造業者に製品の放射線に関する安全確認をするよう要請するとしました。
気になることは、区が専門家として顧問に招いた加藤和明氏のスタンスです。加藤氏は放射線安全フォーラム理事長、茨城医療県立大学の名誉教授などを歴任していますが、これまでの国の原発推進にお墨付きを与えてきた御用学者ではなく、不安を抱える区民の気持ちにそった話をされることを望みます。
今回の放射能汚染には解決策はありません。各自が事実を受け止め、個人の判断ですべてを選択していくものだと思います。話し合いの場は事実を受け止める助けになればいいと思います。そして根本原因である原発を止めることが、長い目で見たときに唯一の選択すべき道だと考えます。 区議会議員 曽根 文子