第2回定例会小松久子の質問と答弁 2011.6.15
<新基本構想について>
【Q】 ● 6月4日に開催された区民意見交換会の開催の目的、またこの手法を使った経緯を伺う。
【A】 区民と共有する目標となる、新たな基本構想づくりには、多様な区民の意見を聴きながら進めることが何よりも重要です。そうした考えに立ち、昨年11月には区民アンケートを実施し、約5千人という、これまでにない多くの方々からご回答をいただきました。しかし、回答者の約7割が60代以上で、基本構想審議会でも、若い世代の声をさらに聴取すべきとの意見があり、これを踏まえて、本年2月に転入・転出者に対する追加アンケートを行い、30代以下が約8割を占める約1千人の方から回答をいただいています。
こうした取組に加え、今回は、住民基本台帳から無作為抽出した区民が少人数での討議を行うという、区民参加の新しい手法を区として初めて採り入れ、意見交換会を実施しました。
意見交換会では、若い方から年配の方まで、バランスのとれた区民の方々による自由闊達な討議が行われ、建設的で多様な意見が出されたところです。改めて杉並区民の意識の高さ、区政に対する大きな期待と熱い思いを感じ取ることがきました。また、参加したほぼ全員の方から、今回の試みを高く評価する意見が寄せられており、有意義な取組だったと思います。
【Q】 ● 参加者の人数や、属性、年代などの状況、実施の概要を伺う。
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実施してみての区の感想はいかがか。成果と課題は。また参加者からどのような意見がだされたのか。
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各グループから出された意見を基本構想にどのように生かすのか。
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この手法は、今度の区政の課題について、区民意見を聴取する場合にも使えるのではないか。今後、実施する
意向はあるか。
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問題は、出された意見をどのように生かすかということである。区の考えを伺う。
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昨年秋の区民アンケートやこのたび募集した団体意見、審議会での議論など、さまざまな意見が寄せられているが、どのように生かしていくのか伺う。
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区民の基本構想に寄せる意見は多様で、それらすべてを反映させるのは不可能であるが、今後策定する分野ごとの計画に反映するのは可能と考えるがいかがか。
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基本構想づくりのための、子ども・若者の意見聴取をどのように実施する考えなのか伺う。
【A】 無作為で抽出した区民1,000人のうち77人の参加があり、内訳は女性が29人、男性が48人で10代から70代まで、全体としてバランスのとれた構成でした。
当日は、参加者が4、5人の班に分かれ、まちづくり、環境、健康、子育て、そして教育などのテーマを討議し、その結果を発表しました。進行は、参加者の自主性を基本に進め、また、3つのテーマごとに班のメンバーを入れ替えて行いました。
実施後の感想、成果と課題ですが、若い世代から高齢者まで多様な視点からの活発な討議が行われたこと、また、参加者のほぼ全員から意見交換会を通じて区政への関心がより高まったとの意見が寄せられていることなどから、初期の目的は十分達成することができたと思います。その一方で、もう少し討議の時間をとれなかったのか、などについて工夫・改善すべき点もあったと考えています。
今回の試みは大変意義あるものであったと考えています。今後、どういう場面で採り入れていくか、検討していきたいと思います。
次に、今回の意見を新たな基本構想づくりにどう活かしていくかですが、その都度、基本構想審議会に報告し、審議の参考にしており、審議会での活発な議論につながっています。なお、意見交換会は、別途、報告書を取りまとめ、公表していきます。
また、これらの意見は、庁内でしっかりと共有し、今後の様々な計画策定の参考にしていきます。
子ども・若者の意見聴取は、基本構想審議会の進捗状況等を見ながら考えていきます。
<新しい公共支援事業について>
【Q】 ● 内閣府が推進する「新しい公共支援事業」のため、2年間の時限事業費として、都に5億7400万円が交付された。区は、この事業をどのようにとらえ、どのように進めていくのか。今後のスケジュールと区の考えを伺う。
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都の意向では、提案されている4つの事業のうち、「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」がメインになるという。この事業の概要について、事例を挙げて説明いただきたい。
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新しい公共支援事業は、区の「協働」に対する認識が問われるものと考える。この事業の実践を通して、区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えるが、区の見解を伺う。
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この事業の推進は、区政全体にわたる政策的な課題でもあり、政策経営部企画課が所管するべきものと考えるが、いかがか。
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昨年秋の区民アンケートで、「協働の地域社会づくり」に「参加したい」と答えた人が8割を超えた。区民のこのような意見を生かすために、区としての積極的な取り組みが望まれるが、区の見解を伺う。
【A】 「新しい公共支援事業」は国が2年間の時限措置として、NPO等の活動基盤整備などの支援等を行うことにより、新しい公共の担い手となるNPO等の自立的活動を後押しするとともに、NPO等が地方公共団体と協働して取り組むことを支援するものです。
「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」の概要は、多様な担い手が協働して自らの地域の課題解決
に当たる仕組みで、NPO等と地方公共団体が協働する取組を施行する事業です。東京都から示された事例では、町会・自治会、NPO等との協働による、高齢者の見守り・お助け事業や地域の相談所設置事業などがあります。
また、本事業の実践を通してのNPO等と行政との関係は、相互の立場や特性を認め合い、積極的に連携・協働して地域の課題を解決していくものとされています。
次に、この事業への区の取組ですが、事業は東京都を通じて行われる予定で、現在、実施要綱やスケジュールは示されていません。具体的な取組については、都から事業の要綱等が示される中で、検討していきます。
【Q】 ● 以前の議会で、区の「新しい公共」と円卓会議の「新しい公共」は同様のものと答弁されたが、区長の公約に「杉並版『新しい公共』の発想で区民のみなさまとの協働計画を策定」とある。「杉並版『新しい公共』」とは何か。また、その協働計画と策定のスケジュールを伺う。
【A】 「杉並版『新しい公共』」ですが、今後、ますます多様化し増大する区民ニーズに行政だけで対応することは困難であり、区民と団体、そして事業者との協働によって担っていく分野が拡がっていくと思います。こうした中で、この間の区民アンケートなどでも示されている杉並区民の高い参加意向を背景に、区民、団体、事業者が主体的に関わり、皆で支え合う豊かな地域社会を築くことであると考えます。
こうした考え方に基づく区民等との協働は、今後ますます大切になり、新たな基本構想の実現にとって欠かせない
課題と認識しています。この点については、現在、基本構想審議会の調整部会でも議論しており、その内容を踏まえ、区民等との協働に関する取組について、今後、検討していきます。