都知事に4選目の石原慎太郎氏

老体に鞭打ち何をしようとしているのか

  満開の桜 善福寺公園下池で4/10
満開の桜 善福寺公園下池で4/10
都知事選挙にはもう出ないといっていた石原慎太郎氏が出馬宣言したその日に東日本大震災がおきた。「天罰だ」との暴言を吐きながらも4たび目の当選を果たした。

ここ20年間、都知事候補の推薦を出してきた私たちが今回選択肢を都民に示せなかったことは、申し訳ない気持ちで一杯だ。

しかし、都民の選択の結果とはいえなんともやりきれない。大震災後で政策論争もなく、選挙戦も自粛の中、イメージだけで、多選批判もなく現役有利の選挙だった。さらに対立候補に魅力がなかったこともあり、石原氏の実像を知らない多くの有権者は困難時には「強いリーダー」が良いとの幻想があったと思われる。

石原知事の新銀行への無駄遣い。私が都議会議員のときに新銀行を立ち上げることを議論した予算委員会での「ご懸念には及びません」との発言は今でも耳から離れない。1000億円をつぎ込み、足りずに400億円を再投入。明らかに判断ミスで不良債権を抱え込んだ。現在、黒字に転じているというが、何処にも融資せずに活動していないのだから誰のための銀行なのか。

また、今回の地震で臨海部の液状化はひどい状況だ。築地の移転先といわれている豊洲の液状化については何も報道されていない。

杉並の都議補選で自民候補が当選したことから都議会の構成も与党過半数となり、知事有利に戻ってしまった。またしても、石原氏のやりたい放題なのか。4年先まで自民党と公明党主導の利権構造での都政がまかり通るのかと思うと暗い気持ちになる。

今回は長男、石原伸晃氏のミスをカバーするために止む無く再出馬したといわれている石原氏。1年、あるいは2年で辞めるという話もまことしやかに流れている。都政に私情を持ち込まないでほしい。予算規模16兆円を動かすことができる巨大な権力を持つ都知事は「国に物申す」だけの人ではなく、東京をしっかり見つめ、人々の暮らしをよりよく変えていく人であるべきはずなのに。  
              杉並・生活者ネットワーク代表 藤田愛子