アラブの民衆革命

平和主義の立場からアラブ市民の民主化運動に共感

チュニジアに始まったアラブ民主化運動については平和的解決を願っていますが、大切なのは市民にすべてを委ね、自主性にまかせることです。市民が抗議しているのは、独裁者が欧米から援助を受け、市民より欧米の都合を優先させているということであり、さらに他国が介入すれば民族自決を妨害します。

アラブの独裁者がイスラムの教えに反して抑圧や汚職を繰り返したことに市民は怒っており、イスラム教が高い倫理を求めている以上その抗議は正当です。欧米にはイスラム=テロという偏見が根強いようですが、アラブ市民が敬虔なムスリムであれば、テロをおこなったり独裁者と同様に振る舞ったりすることはないはずです。

クルアーン(コーラン)から2節を紹介します。
「またお互いに殺し合ってはならぬ。アッラーもこれほど汝らに対して慈悲深くおわすではないか(4-33)」「だが本当は害されてもじっと堪え、赦してやるのが誠の道というもの(42-41)」〈井筒俊彦訳〉

多くのアラブ市民がクルアーンを勉強し、忠実に守っているのは明白です。この教えを守ろうとしている限り、他国はそこに信をおいて見守るべきだと思います。アラブ市民がイスラムを深く信じれば信じるほど、平和が実現される道が開かれるはずです。

クルアーンの教えと日本国憲法の平和主義は異なる文化でありながら、根幹の思想は一致しており、日本にいるわれわれが、平和主義の立場からアラブ市民の民主化運動に共感し、協力すれば、革命後の社会再建の一助となるでしょう。
杉並ネット国際平和部会 野口鎮夫