第11回善福寺川フォーラムは、「社団法人 全国上下水道コンサルタント協会」の皆さまのご協力をいただき「善福寺川復活のカギは下水道−水鳥の棲む水辺実現のために−」と題して開催しました。
これまで、国交省、東京都下水道局、杉並区都市整備部建設課の皆さんをお招きして、市民と意見交換の場をつくってきた善福寺川フォーラムですが、今回は下水道の構造をしっかり学ぶ内容となりました。講師は、元東京都下水道局流域下水道本部長の藤田昌一さん。
合流式下水道の課題(汚水まじりの雨水を川に流している)を解決するためには、
◆分流式下水道につくりなおす
◆改善をとる
という2つの方法があるが、多くの国が「改善」を選んでいる。日本も良いか悪いか別にして「改善」の道を選んでいる、とのこと。その理由は、分流式下水道につくり直すには莫大な予算が必要になるから。では、その「改善」の道は?
スワールと水面制御。
この改善策の説明をこれまで開催したフォーラムの中で幾度となく伺ってきましたが、何度聞いても「改善」に思えませんでした。しかし、今回のお話ですっきりしました。藤田氏曰く、「すこ〜しはきれいになるだろう」「ないよりまし」と。やっぱり!
そのうえでおっしゃったことは、「雨水を下水管に入れないことが重要。そのためには、貯留、浸透をさせること」。ほらね〜。
区の雨水浸透マス設置は助成制度があるので年々増えていますが、雨水貯留タンクは助成が3年間で終わりましたので、関心が薄れている気がします。助成金額は少なくても、「助成します」というのが雨水貯留タンク設置のきっかけ、住民の背中を押すしくみになると思うのですが。金額は1万円でも、5千円でもいいと思います。
お話を伺って、やはり分流式の工事を100年先完成目指して、進めるべきだと思いました。水鳥の棲む水辺創出事業も100年の計の上に成り立っているのですから、ちょうどです。
神田川ネットワーク 市橋綾子