区議会生活者ネットワークは以下の意見を述べてこの議案に反対しました。
区議会生活者ネットワークとして、区長の退職の期日に関する同意について、反対の立場で意見を述べます。
11年前、「杉並を日本のモデルに!」と「現状改革」を掲げて当選され、公約の「区長多選自粛条例」「杉並中継所をなくす」、また、レジ袋の削減などを実現されてきたことは、いつも是々非々の立場で相対してきた生活者ネットワークとしても、評価するものです。しかしながら、2期目以降の区政で顕著になってきた市民自治、教育の考え方に関しては、私どもと180度意を異にするもので、歩み寄れるものではないと感じることが多くなってきました。
そして、最後の期となるこの3期目、「杉並改革総仕上げ」を高らかにうたって当選されたにもかかわらず、任期を1年残して途中で区長を辞そうとしておられることは、山田区政最後の今年度予算が執行され、「総仕上げ」の途中で区政を放りだすことであり、公約違反と言わざるを得ません。杉並区民を軽視し、基礎自治体をないがしろにしているとしか思えません。区長は「杉並から日本を変える」としたものの、途中で投げ出し、国政に行くとおっしゃる。国会の議席を失ったのち杉並区長になられ、その後も常に国会での議席を望みながら区長の職を務めておられたのだとすれば、区民は踏み台にされたのも同然。しかも、辞職届出から20日間経てば失職するものを、ご自分のことだけを考えて退職期日の変更を議決してほしいというのはあまりにも身勝手、無責任というほかありません。
よって、区長の退職の期日を5月31日にする本議案に反対します。
最後に、退職金についてひと言申し上げます。1期ごとに支払われる区長の退職金は、任期を全うした場合、月々の給料111万7千円かける100分の500かける4年の計算式により、約2230万円になりますが、任期途中だと日割りになる、つまり、山田区長の場合は3年2カ月分ですので約1768万円が支払われると伺いました。制度上このようになっているとはいえ、健康上の理由以外の自己都合による辞任に対して、なんのペナルティも課せられない現・退職金規定は市民感覚から程遠いものになっているのではないでしょうか。
横浜市では、昨年任期途中で辞職した山田区長のお仲間の前・中田宏市長やつづいて辞職した副市長に対し、多額の退職金が支払われたことを受けて、市長や副市長がそのように身勝手な理由により辞職する場合には退職金を減額できるよう、議員側から条例改正が提案され、つい先日5月27日に市議会で可決されました。当区においても、今回の事件を受けて同様の制度改正が求められます。
以上、申し上げまして反対意見とします。