陳情の内容は、加工食品原料原産地と遺伝子組み換え食品、クローン家畜由来食品の表示を義務化することと、これらを可能にする制度改正のために国に意見書を提出してほしい、というものです。
補足説明の中で、食品の表示は消費者が食品を選択する際の大切な情報源であるとして次の3点の意見が述べられました。
①冷凍食品をはじめとするより多くの加工食品について、原料原産地表示の義務化の検討を実行性あるものにしていく必要があること。
②遺伝子組み換え食品については、消費者の大半がその安全性に不安を抱き、遺伝子組み換え食品は食べたくないと考えていても、表示されていないためにそうとは知らずに食べ続けている現状があること。
③まだ僅かな規模とはいえ市場に流通しはじめたクローン由来の食品については、消費者の知る権利に基づいてきちんと選択購入できるように、クローン由来食品の義務表示化を新設する必要があこと。
委員会では質問する委員(=議員)が少なく、食の問題に対する関心の低さにがっかりしながらやりとりを聞いていましたが、結果は継続審議を求める動議によりあっさりと「継続審議」に決定。いつまでに審議するかも約束されず、これでは事実上無期限で棚上げしたというだけのこと?と落胆しました。
それでも、私たちが食の安全と国内自給率の向上に真剣に取り組んでいることが伝わったはずなので、一石を投じた意義は充分にあったと思います。
議会の傍聴はとても良い社会見学になりましたし、質疑応答を聞いていてさらに食品表示の問題について理解を深めることができました。
採択はされませんでしたが、国のしくみづくりが進んでいることは確かです。消費者としてこれからの動きをチェックしていきたいと思います。 杉並ネット会員 鹿取 愛弓