地下40メートルの善福寺川取水施設に入りました

第18回神田川サミット開催

つい3週間前、台風18号の豪雨のとき、このトンネルの4/5の高さまで善福寺川の水が入った
つい3週間前、台風18号の豪雨のとき、このトンネルの4/5の高さまで善福寺川の水が入った
年に1度開催される「神田川サミット」は、今回で18回を迎えました。地域の川に目をやり、自然環境というだけではなく、地域のオアシス、暮らしのオアシス、また、まちづくりに大事な資源として川を愛で、もっと川を身近にしたいね、と語りかけるフォーラムが神田川サミットです。毎年、会場を変えて開催していますが、今回は、神田川、善福寺川、妙正寺川が流れるこの杉並が会場になりました。

善福寺川と環七が交わったところに「善福寺川取水施設」があります。今回のサミットではこの取水施設の見学がサミットの「目玉」になりました。地下40メートル(15〜16階に相当するそうです)を降りて行くとハッチがあり、その先には立抗から流れ落ちてくる雨水を貯めるスペース、それと接続する直径6メートルの管が横たわっています。そこは真っ暗闇の世界。そこから、およそ100m歩くとその先には、地下調節池と呼ばれる直径12.5mの本線の管が姿を現します。

地下施設と地上設備とで1010億円!東京の人口は約1200万人ですから1人1万円弱負担していることになります。12年間で25回雨水を入れたというお話を聞きながら、「1年間2回使っているだけの施設にこれだけのお金をかけるというのは、どうなのか」という声があがりました。一方で「「河川周辺の住民の暮らしを守るため、1万円は安いんじゃないか」一瞬ではありましたが、税金の使い方を考える「時」を参加者が共有しました。

3週間前(10月8日)、台風18号が来て、50万5千㎥の雨水を入れたと東京都第三建設事務所から説明がありました。最大貯留量54万㎥ですから、90%入ったことになります。こうやって水を入れたにもかかわらず、ここから400m上流域で溢水がおきてしまいました。結局、川の水が上がってしまうと、水が下水管を逆流するため、マンホールや家庭の排水口から水が上がってしまいます。それを「溢水(いっすい)」といいます。
ここは通常は無人ですが、いざとなった時は15分以内に職員が駆けつけるとのこと。転ばぬ先の杖の貯留施設でした。  神田川ネットワーク 市橋 綾子