08年第3回定例会 一般質問

                                                                                                   08 9.16  小松 久子

 

私は、区議会生活者ネットワークの一員として、低炭素社会に向けた取組みについて、エコスクールについて、子ども・子育て行動計画について、以上3点質問いたします。

 

1番目の項目、低炭素社会に向けた取組みについてです。低炭素社会あるいは低炭素型社会というのは、炭素の使用の少ない、すなわち化石エネルギー使用の少ない社会、の意味です。ここ最近よく耳にするようになり、今年7月の洞爺湖サミットに向けたキャンペーンで福田首相が使用してから、温暖化防止を語る際のキーワードとして急速に広まってきました。これから質問する内容は、「温暖化防止対策」と言い換えてもよいのですが、温暖化問題の本質をより明確に、炭素に的を絞ったキーワードとして、「低炭素社会」という言葉を意識的に使っていこうと思います。

 

杉並区は最初の環境基本計画を1996年に策定し、2000年の基本構想「21世紀ビジョン」策定を受けて「区民が創る『みどりの都市』杉並」実現のため、と位置づけて計画を改定されました。現在の環境基本計画は2003年から2010年までとされ、次の改定のための検討が先ごろスケジュール化されたところです。この総括の時期にあたり、環境基本計画に関連して4点質問いたします。

 

区長から環境清掃審議会に見直し検討が諮問されたと聞いておりますが、区として、現時点での環境基本計画について、できたことは何か、できなかったことは何か、1点目として、評価と総括をおうかがいします。

 

2点目です。「4つの挑戦」で「CO2排出量を90年度比で2010年度2%削減」が掲げられています。区の計算によれば、2005年度時点の数値で13%増加という、たいへん厳しい状況となっていますが、達成の見通しはいかがでしょうか。おたずねします。

 

3点目。家庭・業務など民生部門の割合の大きい杉並として、温暖化防止対策でできなかったことについては、何が難しかったのか、どのように総括なさるのでしょうか。うかがいます。

 

先の洞爺湖サミットでは、「2050年に世界全体でCO2排出量半減」ということが合意されました。これについて、日本は国として長期的な視野での環境政策が求められるのは当然ですが、同時に杉並区も基礎自治体としての長期政策が重要になると思います。しかも長期とは言っても、「今できることからとりあえず始める」という悠長な取組みではこの高い目標はとてもクリアできるものではありません。ゴールをきっちりと定め、そこへ向かう道筋を描き設計する、バックキャスティングの手法が求められます。42年後のゴール達成のために、そこから長期、中期、短期と繰り上げて現在をとらえ、「いま何をすべきか」を導き出すことが必要と考えます。CO2削減達成のためのシナリオを描き、再生可能エネルギー導入を大きく推進させなければなりません。

 

区がこれから策定しようとしている改訂版環境基本計画では、CO2削減と再生可能エネルギー導入政策に比重を高めるべきと考えます。CO2の具体的かつ短期的な削減計画や、再生可能エネルギーの導入目標の数値設定、その達成のための区としての具体策が求められると思います。区の見解はいかがでしょうか。4点目としてうかがいます。

 

さて東京都は今年、環境基本計画を改定し、これに伴い環境確保条例が改正されました。大規模事業者に対しCO2削減を義務付け排出量取引制度を取り入れたこの条例は、国に先行する思い切った施策として評価したいと考えます。区はこのような都の政策をどうとらえておられるか。所見をおうかがいします。

 

早速当区でも該当する事業所は準備を始めていると思いますが、この本庁舎も、原油換算で年1,500キロリットル以上のエネルギーを使用する大規模事業所に該当すると聞いています。そこで、質問いたします。実行計画の立案スケジュール、進捗状況はいかがでしょうか。また、他の区施設や教育委員会所管の学校など、中小規模事業所を有する法人として、区は、温暖化対策計画書を取りまとめ、提出が義務付けられることになります。これら一連の立案についても、スケジュールと進捗状況はいかがか、おうかがいいたします。

 

ところで区は、地球温暖化対策法に基づいて地球温暖化対策実行計画を策定し、すでに実践しておられます。これがすなわち都が今回求めている対策に相当するものなのかどうかが、わかりません。地球温暖化対策実行計画と、今回都が定めた条例に基づく対策が、どう関連するのか、おたずねします。

 

東京都のこのような動きを、大規模事業者は社会の要請として受け止め、環境配慮にさらに努めるようになっています。自力でISO14001を取得し目標達成を目指せる大企業がある一方で、中小事業者の環境対策は遅れがちです。区内事業者の圧倒的多数を占める中小事業者こそ、区は環境対策支援の対象として力を入れるべきです。エコアクション21などの認証制度がもっと活用されるよう、区は取り組むべきではないのでしょうか。うかがいます。

 

06年に区が策定した地域省エネ行動計画では、家庭での省エネ作戦として、総合相談窓口の設置があげられ、先の6月より実施が開始されました。議会で「エネルギー・カフェ」を提案した者として、その実現に一歩近づいたことでもあり、歓迎しています。省エネ行動はライフスタイルにかかわることであり、また省エネ効果を高めるには住宅構造が大きく影響します。そのため専門家による適切な助言が有効で、相談から住宅の診断、さらに改修へとつなげることも必要になってきます。改築・改修の時に耐震の視点とともに省エネの視点も取り入れるべきですし、実際そのようなニーズは確実に増えています。消費者の立場にたった、安心して相談できるしくみとして機能するよう、相談窓口の拡充に努めていただきたいと思います。始まって3か月というところですが、これまでの利用状況はいかがでしょうか。うかがいます。

 

つぎに、再生可能エネルギーに関連して質問します。石油や石炭、原子力などの限られた資源を消費することによって得られるエネルギーと違い、自然現象の中で新たに生産可能なエネルギー、再生可能エネルギーの導入を、思い切って進めていかなければなりません。もっとも、原子力に関しては、有資源であることより安全性に信頼がもてないことのほうが問題としては重大なので、もとより推進する立場にないことは申し上げておきます。

 

さて、その再生可能エネルギー推進事業について、区は太陽光発電システム機器設置助成に取り組んでこられました。現在までの設置実績はいかがか、それをどう総括なさるでしょうか。また、設置した機器の発電量を把握しておられるでしょうか。助成したあとのフォローとして、発電量を把握し、削減できたCO2量実績などを区民に向け「見える」形でアピールすべきではないかと考えますがいかがでしょうか。うかがいます。

 

先だって東京都が太陽光と太陽熱エネルギーの利用拡大施策を打ち出したところですが、経済産業省も中小企業を対象に太陽光発電導入支援を強化すると発表しました。国が一時期、設置助成制度を打ち切ったときにも杉並区が助成を継続してこられたことは、要望した生活者ネットとして評価するものですが、杉並区としては都や国のそのような取組みをどのように評価するか、お聞かせください。

 

ただ、再生可能エネルギーを拡大させるには、いまの太陽光発電システム機器設置助成制度だけでは不十分ではないのでしょうか。また、助成だけに終ってしまいその後のフォローがないことはあまりにも残念です。すでに設置した世帯同士が情報交換できるようネットワーク化を促す、体験談の発信の場をもうける、などの施策が求められるところです。設置者がグループ化されることで、技術的あるいはシステム上の改善などメーカー側にはたらきかけることもしやすくなり、自然エネルギー関連の市場を活気づけることにもなると考えます。区の取組みを求めますがいかがか、おたずねします。

 

区内の太陽光の発電量や太陽熱利用機器による省エネ実績を「見せる」、発信する、ということを区はこれまでしてこられませんでした。市民の活動として、設置者同士によるネットワーク組織がすでにあり、ある団体のホームページでは、世帯ごと、月ごとの発電実績が、もちろん個人情報は伏せて、掲載されています。効果が「見える」ことで区民の設置動機を引き出すことにつながると考えます。区としてもこのような工夫をされてはいかがでしょうか。うかがいます。

 

区ではエネルギー消費削減の取り組みにより、99年度比で年間1億円以上の経費削減を実現しておられます。生活者ネットの提案で、この庁舎にもポスターでグラフにして掲示されるようになりました。確認の意味で、ここ数年の削減額をお示しください。

 

効果が「見える」ということは、先ほども申しましたがたいへん重要なポイントです。これをさらにもう一歩進めて、節減できた経費を環境インフラ整備、たとえば太陽光発電パネル設置を区内に拡大するなどのために振り向けることはできないでしょうか。その基金として有効活用されてはいかがかと思います。ご所見をお聞かせください。

 

一般区民にとって「省エネすることで経済的プラス効果になる」ことなしにCO2排出削減を実現することはもはや困難といわなければなりません。「炭素に価格をつける」、そして炭素消費を減らす方向へ誘導するという、国の思い切った政策がいま、必要なのです。また、環境への貢献意識を投資に生かすようなしくみもあってしかるべきです。自然エネルギー促進などのためインフラ投資をしたいと考える区民の意思を生かす道が考えられないものでしょうか。山梨県都留市で、市民参加型ミニ公募債を活用して小さな水力、小水力発電所が動き出した、というケースがそのヒントを与えてくれます。杉並で水力は難しいにしても、そのようなしくみとして、市民ファンドの設置や公募債の発行を検討されることを要望しておきます。

 

低炭素社会をめざした取り組みは区として喫緊の課題のはずです。全庁で取り組むため、組織の見直しを検討される必要があるのでは、と考えます。所見をうかがいます。

 

ところで、温暖化防止条例を独自に制定する自治体がふえてきたのは、注目すべきことです。人が生活し活動すると必ずCO2が排出されるのであれば、身近な自治体で、地域全体の総合的な対策が求められると思います。当区が地域省エネビジョン、地域省エネ行動計画を策定したのは、生活に身近な自治体として、地域政策の重要性を認識されてのことと考えます。この際、国の政策を待つのでなく、地域としてのエネルギー政策をもつことや、低炭素社会と資源循環型社会を一体的に作りあげていくことを区から発信することも、次のステップとして検討すべきときではないでしょうか。温暖化防止の単独条例を制定することは、区が温暖化対策に真摯に取り組む意思を示すという、強いメッセージになります。環境先進都市・杉並区として温暖化防止条例の制定を検討くださるよう、最後に要望して、同じく環境に関連したテーマ、エコスクールについての質問に入ります。

 

区は、建築や環境問題にかかわる学者、専門家、市民活動団体代表、小中学校の校長などをメンバーとしてエコスクール化検討懇談会を設置され、昨年の報告書に続いて第二次検討報告書を先ごろ出されました。1年前の報告書は施設のハード面についての検討でしたが、第2次は「既存校のエコスクール化」と副題にもあるように、視点を変えておられます。また、「エコスクールは施設と環境教育、環境配慮行動の3本柱」ということがつよく打ち出され、賛同するものです。今年改定された教育ビジョン推進計画において、重点事業にあげられている「エコスクールの推進」がこの3本柱を指していることは、申すまでもないでしょうが、環境教育ということでは、従前より学校教育の中で取組みがされてきました。それを、いま「エコスクール」を重点事業として位置づけ取り組むことの意味と、その目標・ねらいは何か、最初におうかがいします。

 

そして、今回の報告書を区はどのように評価なさるのか、2番目の質問です。

 

つづいて2点、関連してうかがいます。報告書では、既存校の断熱、緑化、自然エネルギーの利用、省エネなどのエコ改修メニューが示されました。既存校でCO2排出量削減を効果的に進めようとするなら、ハード面での改修が必要となります。耐震改修との兼ね合いや、生涯CO2排出量を考慮したうえで、各校ごとの改修スケジュール化が必要ではないでしょうか。これが1点目。

 

また、学校職員への意識啓発の必要が報告書で指摘されています。ISO14001の要求に適合するためにも、すべての教職員、給食調理員などが環境配慮行動を徹底するよう、啓発が必要と思います。学校施設の使い方、グリーン購入のガイド、などをふくめマニュアルの作成が求められますがいかがでしょうか。

 

以上2点うかがって、環境教育についておうかがいします。今回の質問の主眼です。

 

区内の小中学校では、これまでもエコスクール推進事業として保護者、地域の人たち、環境活動NPOなどの協働による環境教育が実践されてきました。どのような実践がされてきたのか、それに対し区はどのように評価しておられるのか。またこれまでの実践から見えた、当区における環境教育の課題は何か、おたずねします。

 

さて、報告書ではキッズISOの認定取得が奨励されています。区内のこれまでの取組み状況、そしてその成果はいかがでしょうか。今後、さらに取組みを充実させていくことが望まれますが区のお考えはいかがか、うかがいます。

 

また環境教育をすすめる体制のあり方について、報告書では具体的に提案されました。環境学習を担う推進組織、すなわち学校、学校外の専門家、環境教育推進のためのコーディネーターで構成する、「たとえば環境教育推進委員会」というものがそれです。環境教育は授業の内容にかかわっていくことであり、もしこの組織をつくるとすれば、どのような体制ですすめていくべきとお考えか。見解をうかがいます。

 

エコスクール化に向けた環境教育ということでは、いま現実に活動の実績を積んできている学校の状況を、推進体制を考えるうえで参考にすべきと思います。環境教育の知識や経験のある人が身近にいない学校現場では、その進め方についてとまどいや混乱が起こりがちであり、完璧なマニュアルがあれば万事うまくいくというものではありません。済美教育センター、杉並教育研究会の環境教育部会、区内の環境教育・エコスクールづくりの学習に関わっている環境団体、まちづくり団体、などが協働する形での体制がつくられることが望ましいと考えます。いかがでしょうか。区の見解をうかがって、3つ目の項目、杉並区子ども・子育て行動計画の質問に移ります。

 

「杉並区子ども・子育て行動計画」は、次世代育成支援対策推進法にもとづく行動計画として2005年に策定され、いまの前期計画は2009年度までとなっています。計画見直し、すなわち後期計画策定を視野に入れる時期となり、その検討に入っていると聞きます。先だって保護者対象のニーズ調査の報告もされたところですが、質問の1番目として、どのような体制・方法で検討され、そのスケジュールはいかがか、併せてうかがいます。

 

見直しにあたっては、いまの「計画」の評価・検証が必要です。区は「計画」そのもの、そしてそれに基づく実績をどのように評価なさるでしょうか。また、この間の社会情勢や子どもと子育て環境の変化をとらえ課題を抽出する必要があります。課題は何ととらえておられるか。つづけてうかがいます。

 

今回の見直しでは、ワーク・ライフ・バランスについての検討が重点課題としてあげられているとのことです。そこで、この点に関しておたずねします。ワーク・ライフ・バランスがクローズアップされたこと自体は評価するものですが、問題は事業者です。事業者の積極的な取組みがなければむずかしいのが現実です。

 

事業者の代表として、杉並区の状況についてまずうかがいます。今年度より育児短時間勤務制度が始まったところですが、区は、未就学児を持つ職員に対して、この制度がすべての職場で利用できるように配慮するべきと考えます。いかがでしょうか。

 

そして区内事業者に対して、ワークライフバランスについてのはたらきかけが必要と考えます。区として具体的に考えている対策はあるのでしょうか。以上2点、うかがいます。

 

つづいて、子育て応援券について5点おうかがいします。まず1点目です。子育て支援の切り札として打ち出された「子育て応援券」は、スタートして1年以上経過したところで、成果と課題が明らかになってきたのではないかと思います。区の見解はいかがでしょうか。

 

2点目。登録事業者数が増えるにつれ、親子参加プログラムとして英語教室や音楽教室、スポーツ教室、幼児むけ学習塾などの事業も対象になるなど、子育て支援の趣旨が拡大解釈されてきている状況が見られます。幼児教育推進をいちがいに批判することは避けたいとは思いますが、あきらかに当初の方針から逸脱しつつある面も見られます。区として、事業者向けに事業内容について指針を示しておられると思いますがいかがか、確認のためうかがいます。また区はこのような状況に対しどのような見解をお持ちでしょうか。

 

3点目。子育て応援券事業は、地域にとっては子育てを応援するまちづくりをすすめる事業であり、親自身もサービス提供者になるなど区民主体の子育て活動が広がることを期待して始まったと理解しています。この点について、成果はあったのでしょうか。区はどのように捉えておられるか、おうかがいします。

 

4点目の質問です。ひととき保育事業では、応援券がスタートして以来、子どもを預けることが容易になった分、キャンセルも多く、本当に必要な人がサービスを受けられない、という状況が生じていることを以前指摘しました。何か対策は講じられたのか。改善されたのでしょうか。うかがいます。

 

5点目。子育て応援券は、0歳から5歳までの子どもがいる世帯に対し、子ども一人当たり6万円ないし3万円分のチケットが配布されるという、思い切った施策であるだけに、他の世代から「不公平では」という声が聞かれることがあります。子育て世帯が他のすべての世代から温かいまなざしが向けられるよう、子育て応援券のしくみをつねに検証する必要があります。区の見解をおたずねします。

 

続けて、子どもが育つ地域をどのようにつくるか、という観点からうかがいます。子どもがのびのびと生命力豊かに育つ地域を私たちはつくる義務があります。それには、かつてあったような地域の子育て力を回復させ、コミュニケーション力を高めるようなしかけ、施策が必要です。預けあいや子育て支援事業立ち上げを促し、さらに区はそれを支援すべきと思います。いかがでしょうか。

 

杉並で実施されてきた子育てネットワーク事業は、地域で子どもにかかわる施設や関連団体などがネットワークするしくみです。これまでの活動を区はどのように評価なさるか、おうかがいします。

 

「子ども・子育て行動計画」は、「杉並区子ども・子育て将来構想」実現のための課題別計画とされていますから、「子育て」よりも「子ども」を先に置いた「将来構想」とした、その理念が反映されていなければなりません。現在の「計画」は多分に「子育て」部分に手厚く、「子ども自身の育ちを支援する」という側面が弱いと感じます。見直しにあたっては「一人ひとりの子どもを尊重し可能性を広げる」「虐待などの権利侵害から子どもたちを守る」目標に対する施策をぜひ打ち出していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

当区では虐待防止の意味から、子ども家庭支援センターを調整機関として、要保護児童対策地域協議会が設置されていますが、今後さらなる強化が必要です。区の見解をうかがいます。

 

子どもを主と考えれば、待機児をゼロにするための規制緩和や保育環境の悪化など、福祉が低下されてはなりません。子どもの最善の利益が優先されなければならないと考えます。区の考えはいかがか、おうかがいします。

 

さて、計画の見直しにあたり区は保護者と子ども、2種類の調査を実施されました。質問の最後に、この調査に関連してうかがいます。

 

保護者の調査報告書を拝見して感じたのは、数値が実態を正確に映し出すとは限らないのではないか、ということです。従ってその結果分析には、ときに専門的知見による考察が求められます。子ども対象の調査も行われたようですが、このような点に考慮する必要があると思います。お考えをうかがいます。

 

4年前の区の調査では、子どもの自己肯定感について86.2%の小・中・高校生が「自分が認められていると感じる」という結果が出ています。しかし一方東京都が06年に実施した「思春期の心理と行動に関する意識調査」においては、まったく別の結果が報告されています。都立高校生と都内公立中学生を対象に実施したものですが、「不安・抑うつ感が高く、自己肯定感が低い」という結果で、ちなみに他の自治体調査でも、自己肯定感の低さが表われています。杉並区の子どもが特別とは考えにくく、設問の方法によるものと思われます。実態を正しくとらえない限り、「構想」でうたわれているような、「一人ひとりの子どもを一人の人間として尊重する」施策を打ち出すことはできません。

 

生活者ネットワークは、4年前の調査のときにも「子どもの実感調査」が必要だと述べました。今後実施される調査において、設問のしかたなど精査し、子どもたちのリアルな実態があぶりだされるよう、また子ども自身の実感が大人である私たちに理解できるよう、工夫されるべきと考えます。見解を最後にうかがい、「杉並区子ども・子育て将来構想」で描かれた将来像「子どもたちが自らの可能性を広げ、存分にその力を発揮していけるまち」の実現を願って、私の質問を終ります。