太陽光発電所設置者の会CELC(クリーンエネルギーライフクラブ)は、生活クラブ生協東京と神奈川合わせて132世帯が参加した太陽光発電モニター事業をきっかけに生まれました。自宅の屋根に小さな太陽光発電所をつけ、自らを小さな発電所の所長ととらえています。東京電力と生活クラブの協働で行われた、太陽光発電の普及の礎となる計測データを収集・分析するモニター事業に参加し、21世紀の身近なエネルギーの展望を先取りするとともに、新エネルギー普及に貢献したいと活動しています。
このCELCの総会と記念講演が吉祥寺でありました。私も自宅の屋根に太陽光発電をと考えていましたが、屋根の向き・斜度が適当でなく断念したのですが、改めて昨今の温暖化に関する報道や東京都の環境対策を実践するために何をしたら良いかを考える機会にしたいと参加をしました。
アル・ゴア氏の「不都合な真実」やイギリス経済学者のスターン・レビュー氏の「CO2排出を現状のままにしておくと10年後にはGDPの20%が失われる」という発言はもとより、地球温暖化の話が報道されない日はないような状況が続いています。サミットでも中心課題となるようです。
地球の現状はアラスカ・ミューア氷河やパタゴニア氷河の消失は明らかで、CO2排出のペースがこのまま続くと、2040年には北極の氷が全て解けてしまいます。また、ここ30年間に気温は0.2℃は確実に上昇ともいわれています。
このことを何とかしようと代替エネルギーの石炭、原子力、自然エネルギー(太陽光、風力、水力、バイオマス)、省エネが考えられています。それぞれメリット、デメリットがありますが、現状では自然エネルギーと省エネが有効です。原子力は温室効果ガスは小さいけれど、有限であり廃棄物の汚染問題や核拡散リスクが否めません。
ドイツ、スウェーデンでは自然エネルギーへの転換がかなり進んでいます。そして、脱石油の国家戦略が作られています。一方日本は京都議定書への対応は全く図られていないと考えてよい程です。国が実践しないならば、地方自治体からこれを実施しましょう。また、個人住宅の太陽光発電所のように個人からの発信も有効です。東京都の取り組みは①環境金融プロジェクト②グリーン電力購入③再生可能エネルギー戦略④グリーン熱証書創設などがあり国へも波及しています。
省エネは「お徳です」という感じがない限り一般市民への普及は難しいのですが、地球のことを考えれば「命令」「排出規制」「補助金」ではない、新しい環境政策が地方から始まっています。国家戦略となるよう政治家も企業も一致団結しなければならない時期にきています。
杉並・生活者ネットワーク代表 藤田愛子