安部さんは壇上で、たくさんの化学物質である添加物を並べ、松茸ではなく、崩れた椎茸が入っている松茸の香りがするお吸い物や、水に多量の甘味料を入れ、着色料と香料を加えておいしそうなジュースを作り出していきます。漬物などの食品の色がなぜ変わらないのか、何故日持ちがするのか、何故こんなにも安く売れるのかの謎解きを次々にしていきます。決してこれを買ってはいけないとは言いませんが、「何故?」という疑問を持ちなさいと教えます。
忙しい母親たちが「手軽に」「素早く」「安く」食品を手に入れることを優先する結果、スーパーのお惣菜売り場やデパ地下はにぎわっています。安部さんの本を読んだというある主婦は、それ以来漬物は店で買わず、塩をしてもんだり、少し重石をかける一夜漬けの名人になったそうです。
食品添加物製造会社に勤めていた阿部さんだからこそ言える言葉。また、有機農産物を奨励して一緒に農業を育てているからこそ言える言葉。食と農と環境をつながりを再確認して回復していこうという阿部司さんの言葉に本物を見ました。私たちが議会も含め提唱してきたことが間違いではなく、さらに未来をたくす、子どものためにも今こそ声を大にして「食の安全」を叫びたいと思いました。
杉並・生活者ネットワーク
代表 藤田 愛子