五輪のテーマは「情熱はここに宿る」。開会式にはオノ・ヨーコさんが登場し、英国人ロック歌手ピーター・ガブリエルさんが「イマジン」を歌い、オリンピック旗の入場行進にはノーベル平和賞受賞のケニアのワンガリ・マータイさんや国連親善大使のソフィア・ローレンさんが参加するなど『平和と停戦の強いメッセージを出したかった』という演出家の思いが伝わるものでした。ちょうど映画「ミュンヘン」を見たばかりだったので平和の重さをいつになく感じました。あの1972年のミュンヘン大会でのイスラエル選手の殺害事件前後から、世界は重大な殺戮を繰り返してきた感があります。せめてスポーツの祭典の間だけでも平和を!という思いが今回は特に強烈に響きました。
さて,ひるがえって、東京が2012年ないし2016年の夏季オリンピックにエントリーしようとしていますが、コンセプトが決まらない、何を目的としてエントリーしようとしているのかがわからないというのが現状です。石原知事に「平和の祭典」にふさわしいテーマが出せるのでしょうか?
杉並・生活者ネットワーク代表
藤田愛子