私たち生活者ネットワークは、この「お任せ構造をうち破ろう」という政治理念をかかげている。こうした時代だからこその理念である。ただ分かってもらうのは相当根気のいる仕事だ。しかも「自分で考え、行動する」ことは手間がかかる。
瞬時に答えが出ることを国民は願い、スピードを求めている。さらにグローバル化は眠らない都市をつくりだした。しかし、私たちの生活はそんなにスピードが必要だろうか。実は私たちの脳も身体もそれに全て対応できるようにはなっていない。むしろそれを拒否して異常をきたしている。もう一度、衣食住の原点に戻ってみてはどうだろうか。衣はともかく、食は安全保障を考えなければならないほど先進国ではどこも重要課題と位置づけている。また、住は社会保障の中心的課題だ。そして少子化となった今、都市の住宅問題は否応なく政治課題となるはずである。長期的に協働、共生の視点で解決しなければならないと思っている。
地方分権を進める中、もう一度政治の原点、人々の幸福のために、本来手間暇かかる民主主義のためにも、生活者視点の政治を進めていきたい。
杉並・生活者ネットワーク代表 藤田愛子