元首相の国葬への弔意の強制はしないでください
奥田雅子とそね文子が所属する区議会の会派「いのち平和クラブ」は2022年8月31日、杉並区長と教育長に宛てて次のような要請書を提出しました。
2022年8月31日
杉並区長 岸本聡子様
杉並区教育委員会 教育長 白石高士様
安倍元首相の国葬への弔旗と黙とうには応じないよう求めます
いのち平和クラブ
奥田雅子、新城せつこ、そね文子、けしば誠一
東京都教育委員会が、7月12日の安倍元首相の葬儀の際に弔旗掲揚を都立学校に求め、複数校が掲揚したことが報じられました。他にも全国7自治体(帯広、仙台、川崎、吹田、三田、福岡の6市教委と、山口県教委)で通知が出されたとのことです。都教育委員会は、「強制はしていない」と説明していますが、教育委員会から学校に通知をすれば「指示」と受け止められます。
学校は子どもの学びと人格形成の場であり、政治的な価値観を押し付けるようなことがあってはなりません。教育基本法は、学校における政治的中立を確保するために特定の政党支持や政治活動を禁じています。教育現場に、特定の政治家への弔意を求めることは、教育基本法に反し、憲法で保障されている内心の自由が侵されることになります。
9月27日の安倍元首相の国葬では、全国の自治体へ弔旗と黙とうが求められるおそれがあります。1967年の吉田元首相の国葬では、政府の要請により自治体、企業、学校が黙とうや弔旗掲揚を行い、午後は休みとしました。野党からこれと同様のことをするのかとの質問に、政府は「検討中」とだけ答えています。
今回の国葬をめぐって世論は二分されており、マスコミの調査では国葬に反対する人が過半数を超え、賛成は30%前後です。安倍氏への銃撃事件以降、旧統一教会と安倍氏を始めとする自民党議員との関係の深さが明らかになり、国民は不信を募らせています。こうした中で政府や自治体が弔意の表明を強制すれば、社会の分断に学校を巻きこみ、児童生徒に混乱をもたらします。
そこで杉並区教育委員会に以下の要請を行います。
一.都教育委員会から都立学校に、9月27日の国葬に弔旗の掲揚を求めても、区教育委員会はこれに応ずることなく、各学校に都教委の文書の送付や指示を出すことがないよう求めます。