日本の農業はこれからどうなっていくか
杉並区消費者グループ連絡会では、11月21日に農政ジャーナリストの榊田みどり氏を講師にお呼びして『私たちの食卓と日本の農業』というテーマで日本の農業の現状を学習しました。
コロナ禍により食料品の輸出を禁じた国もありましたが、幸いに日本の輸入には殆ど影響が出ていないそうです。しかし、今後どのような事態が生じるか予測がつかない以上、日本の食料自給率を保つことは必須です。
食料生産を高めるために安倍政権は2013年に「農業の成長産業化」という政策を打ち出しました。これは、農地の担い手を集積し農地規模を拡大して産業競争
力のある担い手を育成して生産量を上げるというものです。しかし、7年たった現在では高齢の農業者などの離農を進め、その結果村から移転する人も増え、
地域の衰退を招いています。現地を見ない、机上の理論による政策ではうまくいくはずがありません。
これに対し、農村を抱える地方自治体では、人材を大事にし、中小・家族経営の重要性を重んじる政策を見直しています。また、各省庁でも農村に関係する人
(関係人口)を増やすために地域と都市を結ぶさまざまな政策が考えられています。つまるところ、人のつながりが何をするうえでも大事だという基本的なことを再認識しました。農業はできないという人も、応援消費、ふるさと納税などいろいろな形で農業の関係人口にはなれるのです。農業の今後を心配するだけ
でなく、何らかの形で自分も関わろうとすることが必要なのです。
(杉並区消費者グループ連絡会 / 杉並ネット会員 田中みつ子)