認知症とともに生きる希望宣言

永田久美子さん(認知症介護研究・研修東京センター 研究部長)

新型コロナウィルスの感染予防のために、3月2日から春休みまで全国の小中高等学校、特別支援学校が臨時休校となった。言いたいことはたくさんあるし、すべて後追いとなっていた対策だが、「わたくしの責任で」といういつもの安倍首相のフレーズが重みを増す。世の中すべて新型コロナ一色になってしまったが、早い収束を期待するばかりである。

さて、先般認知症介護研究の第一人者である永田久美子さんの話を聞く機会があった。政府は2019年6月18日、認知症対策をまとめた新たな大綱を関係閣僚会議で決定し、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けて「共生」「予防」の二本柱で、認知症になっても自分らしく暮らせる社会の実現を目指す、と大きく方針変更をした。これまでは、認知症になったらかわいそうな人、全ておしまいという様な状況であったが、そうではなく、これまで同様地域で共に暮らそうという方針が立てられたのだ。

そのような地域づくりの一つとして、認知症になった方々が体験と思いを言葉にし、それらを寄せ合い、重ね合わせる中で生まれた「希望宣言」を教えていただいた。

どんな年代の人にも参考になる宣言だと思います。  (杉並・生活者ネットワーク代表 藤田 愛子)

 

認知症とともに生きる希望宣言

1. 自分自身がとらわれている常識の殻を破り、前を向いて生きていきます。

2. 自分の力を活かして、大切にしたい暮らしを続け、社会の一員として、楽しみながらチャレンジしていきます。

3. 私たち本人同士が、出会い、つながり、生きる力をわき立たせ、元気に暮らしていきます。

4. 自分の思いや希望を伝えながら、味方になってくれる人たちを、身近なまちで見つけ、一緒に歩んでいきます。

5. 認知症とともに生きている体験や工夫を活かし、暮らしやすいわがまちを一緒につくっていきます。