憲法違反である安保関連法案を廃案に!
違憲立法に反対する杉並区議会議員有志・声明
私たち杉並区議会議員有志は、昨年7月1日の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定に危機感を抱き、その撤回と日本国憲法の平和主義と立憲主義を政府が堅持することを求め、共同の取り組みを行ってきました。
戦後70年にして、政府が同じ過ちに踏み出そうとするいま、私たちは地方議会から声を上げるべき時と考え、政党や立場の違いを超えて、共同で声明を発することにしました。
6月18日の衆院予算委員会の集中審議で、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障関連法案について、安倍総理は「国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄だ」などと答弁しました。これは6月4日の衆院憲法審査会で自民党が参考人として招請した憲法学者を含む3名が、安全保障関連法を「憲法違反」と指摘したことを否定するものです。また、集団的自衛権の行使容認を合憲とする根拠として、駐留米軍基地に対し1959年最高裁の「砂川事件判決」をあげましたが、判決は「個別的自衛権を示したもの」として多くの憲法学者から「根拠にならない」と批判されています。
また、日本弁護士連合会からも「日本国憲法の立憲主義の基本理念並びに憲法第9条等の恒久平和主義と平和的生存権の保障及び国民主権の基本原理に違反して違憲であるから、これらの法律の制定に強く反対する。」とする意見書が出されています。
こうした状況下で現在、内閣法制局長官の経験者を含む多くの憲法学者が審議中の法案を違憲とし、廃案の呼びかけに賛同する憲法学者は200人を超えました。元自民党幹部の山崎拓、亀井静香、藤井裕久、武村正義らは「歴代政権が踏襲してきた憲法解釈を一内閣の恣意によって変更することは認めがたい」と法案を批判しています。
国会における政府側答弁は二転三転し、ますます混乱を呈しています。共同通信社が5月に実施した全国電話世論調査では、安倍政権の説明不足を指摘する回答が81%に上っています。安全保障関連法案は、戦争に加担しない国として信用されてきた、海外で人道支援活動等を行う日本人の命を危機にさらします。ペシャワール会の中村哲医師は、「他国の軍隊が戦争をすればその国の人々が加担者に映る、侵略者に守られているNGO職員は狙われ、かえって危険になる」と語っています。
政府は安全保障関連法案の審議を平和安全法制特別委員会で進めています。政府与党は6月24日までの国会会期を延長し、アメリカで約束した8月下旬の強行成立をねらっています。
現在、地方議会から慎重審議を求める意見書や廃案を求める意見書が上がり始めています。私たち杉並区議会議員有志は、未来を担う子どもたちに禍根を残さないために、また住民の生命と安全を守るべく、ここに本法案の廃案を求めるものです。
違憲立法に反対する杉並区議会議員有志(17名、五十音順)
市来とも子
太田哲二
奥田雅子
金子けんたろう
河津理恵子
川野たかあき
くすやま美紀
けしば誠一
上保まさたけ
新城せつこ
そね文子
富田たく
原田あきら
増田裕一
松尾ゆり
山田耕平
山本あけみ