「公党であってもなくても」オリンピック反対を言う権利がある

9月18日に都議会定例会が開会して知事が所信表明を行い、25日の各会派代表質問につづき、26日は一般質問。生活者ネットワーク代表として私が質問に立ちました。今回与えられた時間わずか9分、原稿を削りに削って詰め込んだのは8問。

 さいしょに、「復興五輪」を掲げてオリンピック東京開催を手に入れた以上、放射能対策や復興支援を国にだけ押しつけるのでなく都も責任を負うこと、限られた財源で不要不急の事業まで着手しないように、と猪瀬知事に向けた質問に対し、想定外のリアクションが返ってきました。

 答弁に立った知事は「生活ネットはオリンピックに反対しているんですか、賛成しているんですか?! 」と不快といらだちをあからさまにし、「共産党だってちゃんとIOC総会の決定を尊重するって言ったじゃないですか、それが公の党、公党ですよ。生活ネットは公党であれば、ちゃんとそういうことをまず言ってから質問してくださいよ!」と私に向かってぶつけたのです。

 「公党なら」オリンピックに賛成するのが当然、反対するやつは政党と認めない、という趣旨だとすれば大間違いです。「公党であってもなくても」反対していけないわけがない、そうでなければ民主主義社会とは言えません。このことは翌日の産経新聞に掲載され、さらに定例記者会見でも毎日新聞の記者から真意を問う質問が飛んできました。これに対しもちろん知事は「反対なら反対でけっこうなんです」と答えはしましたが、議場でのブチ切れ答弁には、傍聴者から「猪瀬氏の本性が見えた」と驚きの声が聞かれました。

 ほかの質問では、この夏のゲリラ豪雨の多発に関連して、「八ッ場ダムやスーパー堤防はいま必要な治水対策ではない」と述べたとき野次と怒号で騒然となり、子宮頸がんワクチン副反応問題について対策を求めた質問に対しては、国の対策を述べるだけで都としてやる気のなさが露わになりました。

 2日間の代表質問・一般質問、所信表明も通して、オリンピック・パラリンピック歓迎一色に染められた空気に異様なものを感じました。だから知事のあんな答弁が飛び出したのでしょう。2020年までこれが続くと思いたくありません。

 生活者ネットワークはオリンピック・パラリンピックの東京開催には反対です。でも、決まった以上「開催するな」と言うつもりはなく、むしろ安倍首相がブエノスアイレスで約束した放射能対策などの「国際公約」が守られ、かつ人権上「国際的にみて恥ずかしくない」大会になるよう、都を応援していきたいと思っています。                       都議会議員 小松久子