区議会予算審議についてのまとめの意見(2)

区議会「生活者ネット・みどりの未来」控室で 3/15

今予算特別委員会では、女性の視点、女性の社会参画、男女平等などが多く議論されました。子宮頸がんワクチンについても、ジェンダーバイアスの視点から見ると、これまで採り上げてきた多くの問題点とまた違った意味で、根の深い問題があることを指摘しなければなりません。

昨年6月議会の一般質問で私が述べたように、子宮頸がんを引き起こすとされるヒトパピローマウィルスはどこにでも存在するありふれたもので、男性にもあり、男女間で感染しますから、根絶するためには本来、男女両方に打たなければなりません。ワクチンの開発者であるドイツのツアハウゼン氏のように、若い男性は女性よりも性的に活発なのだから男性に打ったほうが予防効果は高いかもしれない、という意見もあるのにもかかわらず、女性だけに接種して、女性だけが副反応に苦しまなければならないのがいまの状況です。

子宮頸がんワクチンは他の予防接種に比べて副反応の出現率が高く、導入されたときに11万人に3人と予測されていましたが実際は15.4人と5倍以上に上ります。厚生労働省には昨年末までに984件の副反被害の報告が寄せられていますが、必要とされる追跡調査は行われず被害者は放置されているのが現状です。質疑を通して、来年度、法定接種になっても副反応が出た時の救済制度が未整備であることが明らかになりました。現在定期接種1類については数100万人が予防接種をうけていますが、副反応の報告は義務とされておらず、何人の副反応があるのかもわからない。救済制度に申請したのは74名で認定されたのは57名。大変少ないと思いますが、それをどう評価するかの材料さえないのが現状です。

委員会でも多くの問題点を指摘しましたが、子宮頸がんワクチン接種事業はぜひ見直すべきと、改めて申し上げます。

継続する場合は副反応の出現率が高いこと、区内で重篤な副反応被害が出たこと、救済制度が充分ではないことをワクチン接種対象者と保護者に情報提供することと併せて、接種者への後追い調査、接種後に異常があった場合や接種に不安をもつ人のための相談体制の整備を求めます。

今回、子宮頸がんワクチンの問題がこれほど大きくメディアで報道されたのは、重い副反応症状を抱えたお嬢さんが区内にいらっしゃったことがわかったからですが、区にとってはすでによくご承知のことでした。区は当事者に対しては親身に対応された一方で、議会に対しては極めて不誠実な態度をとり続けてきました。答弁を訂正し謝罪しましたが、私が指摘するまで情報は区のごく一部でしか共有されてこなかったことが、私たちの調査により明らかになりました。このワクチン接種が法定化されようとする重要な時期であるだけに、区の猛省を求めるものです。今後は副反応の報告を薬剤によるもの、針刺しによるものの区別なく、また重篤、非重篤に関わらず、保健福祉委員会で報告することを求めます。      (区議会議員 そね文子)