今井一さんの話を聞く 地域協議会新年交流会
バルト3国のリトアニアで、2012年10月14日に「原発国民投票」が行われました。1991年に旧ソ連から独立したリトアニアは、ロシアからの電力輸入に頼っています。2011年3月に日立製作所の原発を導入する契約を結び、自国で電力供給をする計画だったところに福島第一原発の事故が起こりました。
原発新設の是非を問う国民投票の議案が国会に提出され、首相は反対したものの、国会の過半数を超える賛成票で可決され10月14日に総選挙と同時に国民投票が実施されました。その結果、原発反対が62%を占め、賛成の34%を大きく上回りました。
リトアニアでの国民投票は過去10回行われているとのことです。最初の国民投票は、1991年、ソ連から
の独立をテーマに行われ、全有権者の76%が独立に賛成。その後、ソ連軍の即時撤退と補償(1992)、リトアニア憲法の承認(1992)、EU加盟(2003)の3項目が国民投票で成立しています。
またイタリアでは2011年6月12日に実施された原子力発電の再開の是非を問う国民投票が行われ、政府の原発再開の計画を否決しました。スイスでもバーゼル・シュタット州とジュネーブ市に加えて、2008年にチューリッヒ市、2010年にサンクトガレン市とベルン市といった主要都市が、住民投票により中期的に原子力利用の停止を法律に定めました。
このように諸外国の例をみていると、福島第1原発の事故を体験した私たちが、もう原発は要らないと考えるのか、または経済の発展のためにはどうしても原発が必要だとするのか、ひとり一人が考えて意思を明らかにする国民投票が、日本でこそ実施されてしかるべきだと考えます。
2030年に脱原発をめざすと明言した民主党政権が12月の選挙で敗れ、政権がかわったとたんそれが反故にされる状況の中にある私たち、国会や議員にすべてをおまかせにすることは危険なことだと感づいた人は少なくないはずです。
民主主義の制度を使いこなしてこなかった、これまでの事なかれ主義を反省し「大事なことはみんなで決める!」を実現させませんか? (杉並・生活者ネットワーク会員 佐々木庸子)