杉並版グリーン・ニューディールを展望したい

緊急尽くし 2009年度区予算決まる

2月13日に開幕した区議会第1回定例会。3月2日から12日までの予算特別委員会での審査を終え、2009年度予算が決定しました。

昨年秋以降の経済不況が社会の隅々にまで深刻な影響を及ぼしてきていることを受け、区の予算にも緊急対策がさまざまな形で反映されました。11日には急増した保育ニーズに応えるための補正予算案が急に提出され、その異例ともいえる措置に「緊急事態」を強く印象づけました。

区議会生活者ネットワークはその緊急の対応を含め、区長の予算方針を「各論はさておき」総論として妥当と判断し、特別委員会最終日に下のような意見(全文はこちら)を述べて原案に賛成としました。

経済情勢の悪化する社会を乗り越えるには、「食料、エネルギー、ケア」の3つを自給から消費まで、雇用を含めて基幹産業を生み出し循環させる、という経済評論家の内橋克人氏の論に学びたい。それは米国のオバマ大統領の「グリーン・ニューディール」構想に共通するもので、杉並にも通用する。「連帯と参加と協同が原理」とする点でむしろ区においてこそ展望したい。

ただ、地縁・血縁の助け合いが美化される古き良き日本への回帰志向に対しては、そこに個人の自由や基本的権利の抑圧が隠されているかも知れず、注意深くありたい。たすけ合いの地域、共生の経済をめざしたい。

環境対策は、たとえ温暖化の犯人が何であれ、100年後に後悔しない施策をいま、迷わず講じることこそが重要であり、杉並100年の計にぜひ環境施策の推進を加え、遠きを見据えて地道にとりくんでいただきたい。
区議会議員 小松久子