政務調査費とは、議員の調査研究に必要な経費として、杉並区では議員一人当たり毎月16万円交付される補助金のことです。2006年12月に条例で領収書添付が義務付けられましたが、フツーの感覚からすれば遅すぎる改革でしょう。使途基準は規則で定められていて、議員個人または会派として区議会事務局に提出した報告書を監査委員(行政2名、議員2名)が監査し、その結果を区民は閲覧することができます。
区議会事務局の脇に机と椅子を出して、膨大な資料を調べている「すぎなみオンブズ」のメンバーの姿はしょっちゅう目にしていましたが、何ヶ月にもわたる政務調査費の使途内容のチェックの集大成がまとめられ、明らかにされました。これで2年目の情報開示です。
「そもそもどうしてこの内容で監査を通ってしまうのか?」と首をひねってしまう事例が多すぎます。SUICAでは買い物も可能なのに、17万円ものSUICAチャージ料が交通費として計上されていたり、親族に人件費を支払っていたりと、調査・研究のための支出として適切でないものが目につきます。
生活者ネットワークは、情報公開と税金の使途のチェックは議会や議員特権を見直すなかで絶対に必要なことだと考えています。また、政務調査費をチェックすべき立場の監査委員を議員の中から選出することはおかしいとも思います。
「おおぜいの区民に、政務調査費を通して見える議員の姿を知ってほしい」と「すぎなみオンブズ」のメンバーは言います。政務調査費の各議員、会派の収支報告は、杉並区議会事務局で閲覧できます。 杉並・生活者ネットワーク 塚原 彩子