豊洲問題をどう考えるか ~青山佾元副知事を迎えて都政報告会を開催

2016年11月9日 16時24分 | カテゴリー: トピックス

豊洲市場への移転が決まった経緯や、都の政策決定、意思決定に至るプロセスについて話す青山元副都知事(右端)

豊洲市場への移転が決まった経緯や、都の政策決定、意思決定に至るプロセスについて話す青山元副都知事 あんさんぶる荻窪で11/5

小池東京都知事が選挙公約で掲げた豊洲問題は、開場が予定された11月7日を過ぎましたが先が見えない状況になっています。環境調査の結果や、空洞問題、風評被害や補償問題など解決までにはかなりの時間がかかりそうです。都議会では「豊洲市場移転問題特別委員会」が設置され、小松久子が委員になっています。

11月5日、あんさんぶる荻窪で元石原知事の1期目の副知事であった青山佾(やすし)明大教授を講師に都政報告会を実施しました。小松久子の豊洲実地検分と、第3回定例会での一般質問についての報告がありました。都の役人が一部公開を渋った話や、報道機関を当初入れようとしなかったり、空洞問題が明らかになっても、一部施設では盛り土があるともないともはっきりしない図面を出したりと都の隠ぺい体質に、さらなる追求を特別委員会ですることを表明しました。

さて、青山教授の講演のポイントは次の3点でした。第1は地下空洞問題です。第2はそもそも、なぜ豊洲なのか。第3は都庁の組織ガバナンス問題です。

第1の空洞問題。小池知事は環境モニタリング調査8回目の結果を待つべき、豊洲の建設費の膨張、関係者の不満と安全性に対する情報公開が不十分、といって市場の移転延期を決定したが、この是非が問われる前に、空洞問題が発覚。盛り土を提案した専門家会議に諮ることなく、上司の市場長に上げるでもなく工事を実施してしまった都職員の体質の問題。建築構造上で言えば地下の作業空間は十分考えられるが、なぜそれを報告しなかったのか。空洞であっても耐震も食の安全も問題ないからOK、では収まらないであろう。

第2のなぜ豊洲なのかについて。関東大震災後日本橋の市場は移転を余儀なくされ築地に移った。しかし、この築地も物流が船からトラックに替わり混雑を極めた。築地での改修を試みたが、広さやアスベスト問題等で現地整備を鈴木知事時代にあきらめ、青島知事が改修工事をストップした。

その後、石原知事が「築地は汚いな~」とつぶやいたところから移転の方針を決定。候補地を探し、ついに豊洲が決定したのが2001年。石炭からガスを取り出す工場のあった東京ガスの土地を買った。ベンゼンが出るのは当たり前の中、土地改良工事を行いモニタリング調査を進めてきた。今回地下水からヒ素が検出されたが、築地で洗浄に使っている海水のほうがヒ素濃度が高いことは全く問題にされていない。

選挙で選ばれた知事が提案し、選挙で選ばれた都議会が決定した、という事実は重い。利害関係がいろいろある中で漸く豊洲に移転が決まったこの中で、小池知事は都民の納得を得ながら今後の処理をしなければならない。

第3のガバナンスについて。結果重視、効率重視の市場原理至上主義が社会を席巻した時代にあっても、日本の自治体は民主主義的なプロセスを重視して市民への情報公開と意見交換を行う協治・協働の傾向が強かったが、ここが崩れて結果重視に傾きすぎてしまったのではないか。あらためて、都庁職員には政策決定、意思決定に至るプロセス重視の考え方を徹底する必要があると思う。

青山氏の講演は以上でしたが、随所に「ここだけの話ですよ」という前置きで、TV出演者としてTVの酷さや夕刊紙の見出しの悪辣さを指摘されました。

いま食品の流通は、スーパーなどでも産直で市場を通さないものが多くはなっていますが、市場を東京都が管理運営する必要はあるはずです。食の安全・安心確保対策を講じて都民の信頼を回復していくことが求められています。このためにも小松久子の都議会での働きに期待してください。 (元都議会議員 藤田愛子)