平成15年 第1回定例会 代表質問:藤田愛子 2003.2.12

〈平成15年度予算について〉
◆ Q
旧来の企業内福祉と公共事業で維持してきた日本型福祉国家がまさに坂を下るように崩れだしています。真のセーフティーネットを構築するには税源移譲をすすめ、生活保障と教育、環境保全を優先した地方自治体の経常的公共サービスの充実が必要です。地方自治体に税源を移譲せず、一方では膨大な借金をふくらませ「勝ち組」を優遇する国の姿勢をどのように考えるか伺います。
◆ A
今後我が国が進むべき改革の方向は、官から民へ、中央から地方へ、ばらまき型公共事業から都市再生のための重点的投資への流れを加速させることである。しかし、ここ数年国の動きは遅くて鈍い。今回の減税も、従来の景気対策の域を出ていないため、効き目があるのか疑問に感じている。(知事答弁)

◆ Q
15年度は「財政再建推進プラン」の最終年度にあたりますが、財政悪化が言われているにもかかわらず、一般会計5兆7295億円、特別会計4兆6048億円、公営企業会計2兆0510億円、合計12兆3853億円で前年度を率で3.4%上回り、結果は補正も含め建設、都市再開発事業にばらまき型の予算編成がされたといえます。
少子高齢社会の社会要求は、子育てや介護など身近な公共サービスの多様性と質の確保であり、各事業局が当初要求したにもかかわらず、子ども、男女平等、特に雇用対策を含めたNPO支援などの施策が最終的には予算から抜け落ちており失望しています。予算編成の基本的な考え方について伺います。
◆ A
15年度予算編成にあたっては、内部努力や施策の見直しを進めて、徹底した歳出の抑制を図った。その一方で、いかに厳しい財政状況にあっても、中小企業対策やディーゼル車対策などの緊急課題に対応し、都市再生や福祉・医療の充実など都民の安心・安全を確保するための施策に積極的に取り組むことが必要と考えられ、限られた財源を重点的・効率的に配分した。その意味で、この15年度予算は、先駆型子ども家庭支援センターの創設や障害者地域生活支援3カ年プランなどの重点事業をはじめとして、ソフト・ハードの両面にわたり、必要な施策を積極的に展開するものとなったと考えている。(知事答弁)

◆ Q
先日、機能するバランスシートの平成13年度決算速報版が公表されました。18年度の会計改革を電算の統一化のみに終らせず、活用の仕方を示していく必要があると考えますがいかがですか。
◆ A
都は、ストック情報やコスト情報が明らかにされない現行の官庁会計制度を根本から改めるため、18年度を目途に、複式簿記・発生主義会計を本格導入することとし、現在準備を具体的に進めている。この改革により、より正確さを高めたバランスシートを、速やかかつ容易に作成することが可能となり、効率的な都政を実現するための会計面からの基盤づくりを進めていく。こうした公会計制度改革によるバランスシートの活用については、行政評価や各局における自主的な事務事業の見直しの判断材料となるよう、制度改革と合わせて検討を進め、効果的な活用方法を示すことにより、予算編成にも活かしていきたいと考えている。(財務局長答弁)

◆ Q
予算化する事業については予定貸借対照表を作成し、事前評価を行い、施策決定することを検討すべきです。平成18年度の会計改革を待つことなく機能するバランスシートマニュアルを活用し大規模公共事業の事前評価に予定貸借対照表の考え方を導入すべきと考えますがいかがでしょうか。
◆ A
大規模公共施設を事前に評価する際には、減価償却費等のコストの発生を視野に入れることが重要と考える。今年度から本格実施している大規模公共事業等の事前評価制度においても、工事費や用地費だけでなく維持管理費もコストに積算し、効果と比較している。今後は、事業コストをより正確に把握し事前評価する手法として、バランスシートの活用検討してまいりたい。(知事本部長答弁)

◆ Q
本定例会には「男女平等推進基金」と「国際平和文化交流基金」の2基金の廃止が提案されました。超低金利により果実が少ないという理由から、約170億円を「財政調整基金」に積み、来年度の一般会計予算編成での財源不足に備えるとしています.
地球全体で市民力と協働による課題解決が求められている今、男女平等施策、国際平和・文化交流事業ともにまさにこれから重要な役割をもつという時に、なぜ基金を廃止するのか、明解な答弁を望みます。
◆ A
都は、これまで基金の運用益を活用し、芸術文化交流事業やウィメンズプラザにおける普及啓発事業などに積極的に取り組んできた。しかしながら、近年の超低金利のため、運用利子をもって事業を行うというしくみ自体が、効果を発揮できない状況にあり、基金としての役割を終えている。両基金を廃止することとしたが、それぞれの施策は重要な課題であると認識しており、今後も必要な事業については、一般財源を充当してより効率的に実施していく。(生活文化局長答弁)
 
◆ Q
現在、ウィメンズプラザにはいわゆるDV防止法に基づき、配偶者暴力相談支援センターが開設されています。しかし、相談窓口は問題解決の糸口にすぎません。DV被害者の自立生活支援などが重要であり、こういった支援を行っている市民・NPOなどとともに、全庁的な連携による支援体制を組むことこそ、基金本来の役割があると考えますが、いかがでしょうか。
◆ A
被害者の支援にあたっては、配偶者暴力相談支援センター都庁内を含む様々な関係機関が協力し、適切に対応していくことが必要である。このため、配偶者暴力相談支援センターを中心に、関係機関との連絡会議を開催し、情報交換を行うとともに、関係機関職員を対象にした研修を実施し、連携の強化を図っている。基金は廃止することとしたが、必要な事業については引き続き推進を図っていく。配偶者暴力の防止については、庁内をはじめ、民間を含む関係機関と連携し、積極的に取り組んでいく。(生活文化局長答弁)
 
〈東京の都市づくりについて〉
◆ Q
昨年都市再生特別措置法によって7つの緊急整備地域が指定されましたが、これまでの都市計画の規制を反故にした思い切った規制緩和は、計画性の欠如を感じさせる巨大開発を進めるだけのものとなっています。
「新しい都市づくりビジョン」に描かれた21世紀の都市づくりは、単に行政の仕事にとどまらず、都民、企業、NPOなど多様な主体がともに都市を支え、新たな「公共性の視点」に立つ積極的な参加と連携によって進めることが求められています。今回の条例案に関して、「新しい都市づくりビジョン」に描かれた理念との整合性について見解を伺います。
◆ A
平成13年10月、「東京の新しいまちづくりビジョン」を策定し、政策誘導型の都市づくりの推進を理念に掲げ、まちづくりを推進する新たなしくみの創設を提言。こうしたビジョンの考え方を踏まえ、都市計画の提案制度の柔軟な運用など、都民等の意欲と創意工夫を活かしたまちづくりを推進しようとするものであり、ビジョンで示した理念との整合性が保たれていると認識。(都市計画局長答弁)
 
◆ Q
新たな都市計画が6ヶ月というスピードで決定されることになるため、地域住民の合意形成過程でのコーディネートや区市の地区計画との整合性を図ることが重要であることは言うまでもありません。区市の意見を尊重するというものの、あくまで都市計画決定は都の権限で行われます。むしろ提案から決定、事業の実施主体までイニシアティヴは基礎自治体に権限をおき、都は側面支援に徹するべきと考えますが、見解を伺います。
◆ A
街区再編まちづくり制度は、これまでの整備の進まなかった密集市街地などにおいて、地権者等の意欲や創意工夫を活かして、身近な都市再生を進めるもの。今後、都と区市町村との緊密な連携を図るとともに、既存事業を併せて適用することなどにより、こうした地域に密着したまちづくりを推進。(都市計画局長答弁)
 
◆ Q
外かく環状道路について伺います。今年1月10日、国土交通大臣が突如として、地下40メートルを超える大深度地下活用法を適用すると発表しました。
第12回PI協議会では、住民側から協議会の存続そのものを危うくするとして緊急アピールが提出されましたが、この席上、国土交通省関東地方整備局長は「今回の方針は大深度を活用すると決めたものではなく、必要性を検討するための素材、ひとつの選択肢として示したもの」と説明しました。また、都の都市計画局局長は、「この協議会を一方的にうちきりにはしない」と発言しています。
一方でPI協議会を進めながら、一方では大臣や知事が建設ありきの発言をされるのは納得のいくものではありません。設置した当初の目的どおり、PI協議会の議論を尊重していくことについて、改めて確認を求めます。
◆ A
昨年6月、沿線7区市の関係者で構成する協議会を設置。協議会は、意見を出し合う場で、規約では結論を出す場ではないことを明記。知事並びに大臣の提案は、具体的な計画の議論が進展するよう、基本的な方針を示したもの。東京環状道路有識者委員会提言でも、協議会での議論について時間管理を念頭に置き、行うよう指摘。(都市計画局長答弁)
 
◆ Q
今後、PI協議会が十分な調査と合意形成が図れるよう、資料等情報をすべて提供し、支援するべきと考えますが、いかがでしょうか。
◆ A
協議会は計13回開催、議論に必要な資料や協議院からの要求資料に積極的に対応。こうした情報提供について、有識者委員会の提言でも評価を得ている。引き続き情報提供を行い、議論を深め、計画の具体化を図っていく。(都市計画局長答弁) 

 
〈食の安全について〉
◆ Q
さて、食品安全条例の策定に向けて、国では、食品安全関連法案が閣議決定されていますが、消費者の意見反映に課題を残しています。一方、東京都では1989年の「食の安全を確保する直接請求」を受けて消費生活条例を見直し、その後「食品安全確保対策にかかる基本方針」の中に都民の権利や未然防止の考え方を盛り込んでいます。こうした国に先駆けて都が取り組んできた基本的事項は、条例策定にあってもさらに強化し引き継ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。
◆ A
消費生活条例をはじめとする関係条例や食品安全確保対策に係る基本指針、国で検討されている食品安全基本法なども参考としながら検討。(健康局長答弁)
 
◆ Q
また、都は、これまでも放射線照射食品や、遺伝子組み換え食品、ホルモン剤投与の食品など技術革新を伴った新たな食品については基本方針の中で、必要に応じて安全の確保を図っており、食品安全条例はこれらの到達点も当然継承すべきです。都民の権利と義務に関わることについては条例事項とすべきであり、その他の事項についてこれまでの到達点を継承するため、条例に根拠を置きつつ施策の内容を明らかにしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
◆ A
これまでも、食品安全確保対策に係る基本方針に基づき、関係各局が連携して食の安全を確保。条例制定にあたっては、ご指摘の点も含め、課題を整理し検していく。(健康局長答弁)
 
◆ Q
これまで私たちが提案してきた未然防止の安全対策の一つが、先般「化学物質の子どもガイドライン〜室内空気編〜」として発表されました。引き続き食品についての「子どもガイドライン」が作成されると聞いていますが、この子ども基準も食品安全条例に反映されるよう期待しています。
食の安全に関しては、都と基礎自治体の連携協力が必要になります。
自治体の連携によるリスクコミュニケーションを充実させ、食の安全を自治体のイニシアティヴで実現させる必要があります。
食品衛生法の一部改正案では、保健所設置の自治体も食品のチエックを計画化することができます。各自治体が都民の意見を反映するため、こうした計画の内容を、独自に創意工夫して、条例や仕組みの整備を行うことが期待されます。都が計画策定についての自治体の創意工夫と連携により、食品安全についての自治体イニシアティヴを発揮すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◆ A
食品衛生法の改正案では、特別区を含む保健所設置の自治体は、国の指針等を勘案して、地域の実情に応じた監視指導計画を策定する。都は、従来から特別区と連携・協力して有害食品の排除や、輸入食品の検査等を実施。監視指導計画の策定に際して、特別区との協力関係を一層深め、食品の安全確保に努める。(健康局長答弁)

 
〈外形標準課税に関する裁判について〉
◆ Q
知事は、財政再建推進プランの財源確保目標額について、国からの税源移譲を除けばほぼ達成しているとしています。税の移譲が進まない中で、私たちは、分権の視点から課税自主権を大いに活用すべきと考えています。しかし、今回の銀行に対する外形標準課税の敗訴は、ほぼ都の主張が通ったと言っても敗訴に違いはなく、今後都民が納得いくよう詳細を公開する必要があります。具体策を伺います。
◆ A
都は、これまでも、課税自主権の行使としての銀行外形の意義やその内容を様々な広報媒体を通じて都民にお知らせしてきた。訴訟が提起された後は、準備書面の提出や判決などの機会に、東京都のホームページ等を活用し、判決の概要はもとより、訴訟の争点や、都の主張と銀行側の主張をわかりやすく対比して示すなど、都民への説明責任を果たしてきた。今後とも、都民に対して適切に情報を提供し、その期待に応えていく。(主税局長答弁)
 
◆ Q
また、都の主張の根拠と都民へのリスクについての説明責任をどのように果たすのか、基本的考え方を知事に伺います。
◆ A
これまでも、課税自主権の行使としての銀行外形の歴史的意義、訴訟の争点、判決等について、機会を捉え、自身の言葉で直接説明し、一貫して都民の皆さんの支援をいただいてきた。一審は論外。二審では地方主権への理解が深まり、一新で退けられた都の主張のおおかたが受け入れられた。これからが正念場であり、今後とも、説明責任を果たし、上告審で都の主張が全面的に認められるよう、全力を尽くす。(知事答弁)                       
 
以 上